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あさひなぐレビュー

更新日:

満を持して「あさひなぐ」のレビューをしていきます!

「あさひなぐ」は薙刀(なぎなた)を題材にした女子高校生の部活漫画です!

どうしても話の流れを説明しないといけないところがありますので、多少のネタバレありです!

ネタバレが嫌な人は回れ右、でお願いしたいのですが「序盤でつまらないと感じても4巻まで読んで!」という言葉だけ覚えておいてください!

絶対に損はさせません!

というわけでレビューです。漫画評論というか、私はゲーム開発者なのでエンタメ作成者視点ですごいと思うところを中心に解説していきたいと思います!

■1~2巻に関して

1,2巻は正直「つまらなかった」です。kindleの無料キャンペーンで1,2巻を読んだのですが全然先が気にならない。
「このマンガがすごい2012」でランクインしていたので名前は知っていました。また私は剣道部員で有段者だったりもするので気になっていたんですよね。

なんでこんなのが人気なのかな、という感じ。割と原因はわかりやすくて「主人公である旭に魅力がない」につきますね。かわいくもないし強くもない。この後活躍するイメージがまるでわきませんでした。そういう作品はなかなか読み進めるのが面倒ですね。
というか主人公に限らず、どのキャラクターも魅力が薄いんですよね。キャラの背景を出していないからなのか。もともとは熱血スポコンではなくほのぼの部活漫画にしたかったんですかね?

■3~4巻

ここで一気にテコ入れ?がはいりましたね。
鬼の尼僧・寿慶(じゅけい)のところでの特訓で、一気に主人公が試合に勝ってもおかしくないようなバックボーンが作られました。
合宿の最後で旭ならではの強み、みたいなものも出てきましたし。
こうなると期待感が一気に増すので、どんどん読み進もうという気持ちになれます

■5~7巻

5~7巻は新人戦。合宿の影響で勝ち進めるし、最後はライバルにやられて次の課題もはっきりする。
王道のスポーツものの流れですね。

■8~11巻

真春頼みの構造をどうにかしようという試行錯誤がありますね。
ちょっとここは停滞した感じがしますね。どうしても試合以外の話が続くとだれます。
でもここがしっかりかけてないと、いざ試合で勝った時に取ってつけた感が出るので難しいんですよね~

監督であるやす子がいまいち活用されていないのが惜しいですよね。正体や抱えているトラウマを出し惜しみした感じがありますね。

和歌山合宿で熊本東高校というラスボスも現れ、ぼんやりと目指すものが出てきた感じです。
これ大事なんですよね。スポーツもので一番強いチームが出てくれば、そのうちそれと戦うところまで行くだろう、という期待感が出ます。そうなると「どういう試合になるんだろう」と勝手に読者が盛り上がってくれます。
ただ主人公に期待感がないと、その妄想もつまらないものになるので、最初から出せばいいというものでもないんですよね。

■12~14巻

旭とさくら、将子、関連の話。
うーん、少し話の流れが遅くなってしまったかなという感じですね。
実際に部活をやっていた人には刺さるエピソードなのかもしれませんが。
旭たちが3年になったときに、ここでの話が伏線として回収される、ということもあるので本当に無駄だったのかどうかはまだまだ不明です!
というか週刊連載している人なんて、そんなしっかりと構成を考えられるわけないんですよね。
じゃあどうするかっていうと、あとから以前の話を利用して伏線だったかのように見せるだけで。

真春の弟・夏之が登場してくる回が面白いんですよね。あんまりかわいいと思えなかった旭が夏之が出てくると一気にかわいく見える!
夏之は主要キャラクターになっていくのですが、最初は全然そうは思えませんでした。もう少し序盤で丁寧に彼の時間を取ってあげてもよかったかと。

■15~16巻

試合中心の展開。ライバルである寧々ちゃんがいい味を出していますね。
寧々ちゃんをみていると「帯をぎゅっとね」の藤田君を思い出します。

あさひなぐは割と展開早く進んでいると思います。どうでもいいところというかスパッと負けさせるところは負けさせちゃうからだと思うんですよね。間延びしないということを考えると、よく考えられた構成だと思います。

新人が入って部内対抗戦が繰り広げられます。
うーん、経験者なんだからもっと早く戦力としてみなしてもいいと思のですが。

武道は早めに始める、ということがかなり有利に働きます。
高校から始めた人が一年でこなせる公式戦の試合数と、小学生がやり始めてこなせる公式戦の試合数はさほど変わりがありません。
小学生、中学生でそれだけの経験を積んできた人は、そりゃ強いですよ。

ちゃんとこの時期の1年生を描いておくと、旭たちが三年になったときの展開が楽になります。
でも話のスピード感は落ちてしまうのでバランスが大事!あさひなぐは良いバランスだと思います。

部長の野上さんは活かされていないかなあ。
部活ならではの葛藤を描こうとしすぎている気はします。
やってもいいと思うのですが、もう少しさらっとのほうが。
あまり活躍していないキャラクターはどうしても思い入れが持てないので、何をやっているんだろうという気になるんですよね。
この辺りは実際に部活で「強くないけど部長」をやっていた人からするとたまらないのかもしれませんが。
野上さんに薙刀での強みを何か持たせておければ全然変わったと思うのですが。

■17~21巻

ここからインターハイの展開。
いろいろと事件が起こるのですが、ぜひ皆さんに読んでもらいたい!

いまいち真春に思い入れが持てなかったのですが、一気に動向に目が離せなくなりました!
ここまでのキャラの薄さはこの展開をにらんでのものだとしたら、ものすごい計算ですね。

あと寧々と旭の試合!これがすごかった!
読み終わったとき、ああ「あさひなぐ」すごい面白いな、もう夢中だわ、と思いましたね。

■22~23巻

旭の関東大会本選個人戦。団体よりもいまいち盛り上がりに欠けるのですが、こういった試合での成長が今後の展開に大きな納得感を生みます。

読んでいるときは普通だなと思っていたのですが、後々この展開が大きな意味を持っていきます。

■24~26巻

ラスボスの熊本東高校の話が出てきます。良いライバルは良い展開を生みますからね。間延びもせずにいい塩梅です。

寿慶のところで2回目の合宿。
旭の成長過程を思い出させる、というのは良かったと思います。

ここで監督のやす子の存在が一気に意味を成してきます!
この作者さん、こんなに展開うまかったかな、原作者でも裏でついたのかしらと思うほど「うまい展開だな」と思うものの目白押しです。

■27巻~

ここからはIH開幕。
個人戦と団体戦の話ですが、まだ連載の方でも完結していませんのでレビューはここまで!

■最近のスポーツ漫画の成功条件に照らし合わせて

では前回のレビューを踏まえて、最近のスポーツ漫画の成功条件にあっているかどうかです

①主人公の活躍に理由がないといけない

これは寿慶(じゅけい)のところでの特訓にて理由付けしていると思います。他のキャラクターよりもつらい練習をさせることでその説得力を増していますね。
やす子の存在も効果的だったと思います。
あとは上段であったり、脇がまえ、を効果的に使っています。

②主人公が活躍できないといけない

実際の勝率は低いんですよ。旭はどうでもいいところで負けたりしますから。
大事なところで勝てないまでもしっかり粘るところが「活躍できている」ように見えます。
でも、勝率が低いことでリアリティを出している。絶妙なバランスだと思います。

旭のことを好きな男の子がいるというのも「活躍している」に入ると思いますね。夏之がもっと魅力のあるキャラクターになってくると、さらに効果的かと思います。

③展開が早いこと

たまにぐだっとするところがありますが展開は早いですね。30巻弱でもう2年のインターハイ終わりそうですから。
この展開の速さが①や②を補っています。
いろいろなライバルと戦うことでそれが次の試合に生きて、勝利に理由付けが出てきています。
そんなに勝利していないけれども、展開が早いので割と活躍しているように見えます。

「あさひなぐ」の欠点は初期のキャラクターの出し方が弱かった所ですね。なので本格スポコンに移ったときに、各キャラクターが強い手ライバルにも勝てるような理由付けの話をしなければいけませんでした。
そのあたりがぐだっとしているところなんですが、割り切って全員を活躍させていないところで間延びしないようになっています。

総合的に見て、高校生から始める初心者のスポコン物としては最高級の出来です!
これが言いたくてブログを2回分使ってしまいました(笑)
個人的に高校スポーツものは大好きなので、これ以上にうまくできた展開の漫画がありましたら是非知りたいです!

旭が3年になってからの展開も楽しみですね。

これからも「あさひなぐ」に注目していきたいと思います!

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