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『「ほう・れん・そう」には“あるパラメータ”が足りない』を読んで

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「ほう・れん・そう」には"あるパラメータ"が足りない マイクロソフト澤氏が語る、労働生産性を上げるためのヒント

澤円氏 :みなさんこんにちは。日本マイクロソフト澤でございます。50分ほどお時間をいただきまして、「働き方改革」をテーマにお話をしようと思うんですけれども、「本当の『働き方改革』に必要な考え方」。やはり考え方をアップデートしていかないと、なかなか改革が進まないんじゃないかなということでお話をしようと思っております。 ...

こちらの記事が素晴らしかったので、自分の意見を含めて掘り下げていきたいと思います。

■マイクロソフトいいですよね

マイクロソフトの書籍はとてもいいんですよ。

駆け出しプログラマだったころライティングソリッドコードがバイブルでした。
※当然コードコンプリートも読んでいます。私が読んだ頃は第1版でしたがー。

マネジメントを始める人にはアート・オブ・プロジェクトマネジメントをお勧めいたします。

今まで読んだマネジメント関連の本の中で、一番良かったプロマネとしての自分の中の指針のような本です。

私はゲーム業界なのでマイクロソフトとあまり接点がないですが、中で仕事をしてみたいと思う会社ですね。

え、Xbox?ナンノハナシデショウカ・・・

内容は本編を読んでほしいのですが、個人的に気になったところを引用してコメントしていきます。

■移動手段の高速化により、情報量が加速度的に増加

現代の日本人が1日に触れる情報量は何と一緒かというと、これはグッとさかのぼって平安時代の日本人が一生で触れる情報量になります。けっこう少なめですよね。ちなみにこれ、江戸時代になると1年分になるんです。ちょっとおもしろいですよね。

平安時代と江戸時代で一生分と1年ってずいぶん違いますよね。両方とも速く移動できるのって馬なんですよ。馬の最高時速が上がったとはちょっと思えないですよね。ですので、ちょっとここは不思議なんですね。何かが足されているんです。

平安時代と江戸時代ではあるものに差があります。それはなにかというと、これなんですね。地図のある・なしです。

確かに指針があるとないのとでは全然変わりますね。

これはプロジェクトの進め方にも共通するかと思います。やり方がわかっていれば短期間にできるものも、そうでないと時間がかかりますよね。

■労働生産性の低さを読み解くひとつのヒント

人の話を聞くのは悪いことではないんですけれども、それが会議となると問題なわけですよ。せっかく集まっているんだから、それぞれ意見を出し合って、何か結論に至るというのが必要なんじゃないかと思うんですけれども、残念ながらそうはなっていない。

これ本当にそう思いますね。

私は会議だとガンガン発言をするタイプです。

ついこの前の実体験なんですが、会社の重要な会議の共有をする会議が定例で行われていたのです。

まあ部長さんたちで話していることを、課長係長に共有する会議だと思ってください。

この時点で突っ込みどころがあるのですが、そこでこんな問題があったよ、という話が会議で出るわけです。

当然私は、なんでこういううち手をしないのか?、こういった提案はどうか?という発言をするんですよ。

そうすると重要な会議の出席者の人が怒るわけなんですよ。ここは情報を共有したいだけであなたに文句を言わすための会ではないと。

引用で言われているようなことがなぜ起こるかの答えがここにありますよね。

日本には意見を言われなれていない人が多すぎるんですよ。意見を言われると非難されたように感じてしまう。

私は大学自体にゼミの方針でディベートをしっかりとやらされました。反対意見を否定するのではなく取り入れて自分の考えを昇華していくことができないとダメなんですよね。

自分の意見が間違っていてることがわかってもいいじゃないですか。それは成長なのですから。

このディベートの基礎ができていない人が多い。結局海外と日本の差はここにあるような気がします。

もうそういった会議だったら情報まとめて流してくれればいいということでやめにしたのですが、やるといいつつ情報を流しもしないわけです。

情報の大切さをわかっていない人がそういった会議に出ているのですから、そりゃうまくいっているはずがないですよね。

■「不変性」「即時性」「人間性」というパラメータ

報告・連絡・相談はもう1つパラメータが必要です。それはなにかというと、報告は不変性が大事です。変わっちゃいけないんです。「先月までの売上をこのまま出したら、絶対に営業部長は怒るな。どうしようかな。よし、ゼロ1個足しちゃえ」とやっちゃうわけですね。売上10倍ですよ。営業部長も大喜びですよ。

でも、決算のときはどうなりますかね。「あれ?」となる。「数字が合わねえぞ。なんでだ」「あっ、すみません、ちょっと盛っちゃったんです……」「どのぐらい?」「ここにゼロ1個」。いきなり決算が90パーセントオフですよ。会社が潰れますよね。

これが粉飾決算とかの不正会計のからくりなんですよ。本来は絶対に変わっちゃいけないデータを変えたり隠したりできる仕組みになっているから問題なんです。

これは細かい単位で本当にありますね。

チェイサーゲーム1話がそんな内容でしたよね。

【共感必至?ゲーム業界お仕事マンガ】『チェイサーゲーム』第1話 クリエイターは嘘をつく - チェイサーゲーム

原作 松山洋 株式会社サイバーコネクトツー代表取締役/ゲームクリエイター/代表作『.hack』シリーズ、『NARUTO−ナルト− ナルティメット』シリーズ、『ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブン』/著書『エンターテインメントという薬』、『熱狂する現場の作り方』 作画 松島幸太朗 株式会社サイバーコネクトツー所属の漫画家/過去の主な作品『ショー☆バン(森高夕次 原作)』、『ストライプブルー(森高夕次 原作)』、『永遠の一手(伊藤智義 原作)』 2018-12-17 11:00:00  遅れていた上田の作業を「100%」と報告してしまった龍也。ふたりで完徹して終わらせる予定だったが、翌朝、龍也を待ち受けていたのは......!? >『チェイサーゲーム』原作コラム デバッグルーム第1回 >>第2話「助けてと言えないクリエイター」

これはちゃんと報告できる環境づくりができていないからなんですが、下の役割からだと変えにくいですよねえ。

マイナスの報告の時にも心を揺らさない。淡々と事実だけ確認して、じゃあどうするかっていう方に切り替えていく文化を作らないと盛って話はされますね。

一見うまくいってそうですが、結果なんでかスケジュールが遅れてしまうというチームは盛られているのが原因なことが多いです。

■外資系出身者が感じる、日本企業へのある違和感

「先月までの売上に関してちょっとご報告したいんですけど」と言うわけですよ。「わかりました。先月までの分ですよね。データを見ますね。メールで送っていただけます?」と言ったんですね。

そしたら、「はい」と言うのかと思ったら、「いやいや、とんでもない」とか言い出すんですね。「あなたにメールで、そんなご報告するなんて失礼なことはできません。全員でおうかがいして、全員で報告をさせていただきます」と。キングダム流に言うと、全軍前進というやつですね。ザッザッザッと(軍が行進するように報告に)来るわけです。

部屋中ぎゅうぎゅうですよ。20人とかで来るんですね。しゃべるのは1人か2人で、5人ぐらいは暑くて寝てて。そんな状態なんですね。それが儀式のように朝から晩まで(報告会が行われる)。これはオーバーに言っているんじゃなくて、本当にそうなんです。

これがなんで起きるのかわかっています。

昨日も書いた気がしますが「俺は聞いていない」という人がいるからなんですよ。

だから「言ったよ」という儀式が必要なんですね。

その理由としては権限委譲ができていないからです。ここからここまでがこの役割の人の責任。ほかの人は口を出さない。ということができていない。

それは専門性が確立していない、というところにも影響があります。

下記の鳥嶋さんの話は面白かったのですが、こういったやり方が専門性を確立させない原因にもなっています。

「これさぁ、悪いんだけど、捨ててくれる?」――『ジャンプ』伝説の編集長が、数億円を費やした『ドラゴンボールのゲーム事業』を容赦なく"ボツ"にした真相

9月26日にUnite Tokyo 2019運営事務局主催の「Unite Tokyo 2019」がグランドニッコー東京で開催された。今回はその中のセッション「出版社とゲーム会社はなぜすれ違う? ドラゴンボールのゲーム化で酷(ひど)い目にあった...もとい勉強させて頂いた話」の模様をお届けする。 ...

まあほっておくとダメになってしまうのを、偉い人がどうにかしてしまうというのは一見よさそうですが周りの人の成長を奪っているということなんですね。

でもしょうがないです。私だって失敗することがわかってたらほおっておかないですから。

人を成長させることができる人は、そこで放置できる人なんですよね。

■エストニアでは「日本企業の視察お断り」

とにかく視察旅行が多すぎってやつですね。そして、行くのはかまわないとして、何にもギブしないんですよ。テイクだけしてくるんですね。

これも前に書いた権限委譲がしっかりとされていないから。

プロデューサーという名前がついていたらある程度の金額の決裁権がついているものなんです。

それがないから決められない。会社に帰って社長に相談してから。そんなことをやっているからスピード感が出ない。

で、そのあたりを無視する人が出世するんですがちょっと失敗すると、お前はルール守らないからだ!といって袋叩き似合うわけです。

そりゃ生産性も上がりませんよ。

■スピードを意識するためには、電子ツールを使いこなすこと

僕はメールが本当に嫌い。僕にメールを送ってもムダです。これは未読件数です。見るのをやめてみました。

そうですね。できる人というのはやらなくていいことを一切しません。

そこでしか差って生まれないんですから当たり前なんですけどね。

だから、まず最初に「何をすればいいんですか?」(と聞かれたら)、なにもしないでください(と言います)。やめられるものを徹底的にやめてみてください。

みんなこれが苦手ですよね。

やったことよりも、やってないことを非難しがちです。

それはやったことの価値が理解できないからなんですよね。それでも昔に比べれば随分とよくなった気はしますが。

■会議設定は基本30分・人数は多くて5人

とまあ、これだけ見て「会議を30分にしよう!」とか言い始める人がいるわけです。

本質がわかっていない。

  • やめないといけないことをやめる方針を立てる
  • 議論ができる能力を身に着けさせる
  • 権限移譲を適切な形で行う

これができていないと、会議の時間だけ改善しても何にもなりませんよ。
逆説的に、これらができていないから大人数のだらだらとした会議になるわけです。

■総括

ちょっとヒートアップしてしまいましたが、こういった記事が注目されるのはよいことですよね。

そして本当にこういった記事が必要な人は読んでいなかったりします(苦笑)。

そうですね、日本人サラリーマンに一番欠けているものはインプットかもしれません。

しっかりと入れるから出すものが効率よく回っていくのです。

そのあたりの話はまた別の機会に。

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