今回のお話はあっちこっちに飛んでいきますので気を付けてください。
個別に起きている問題も、まとめて考えるとつながっていきます。
■ずっと気持ち悪いなと思っていた記事
ちょっと前に読んで気持ち悪いなとずっと思っていた記事があります。
主題である「検察庁法改正案」に関しては私は「よくわかりません」という立場です。
こんな大騒ぎすることかなあ、と思う反面変なタイミングで変な修正を入れているのも確か。
そこだけ直して通しちゃえば?というのもわかるけど、本当にそれでいいのかよくわからないです。
この話題に関しては今回どうでもよくて、気持ち悪いと思っているのは。
Q7 芸能人を含め、法案の内容を詳しくわかっていない人が「反対」と言っているのはおかしいのではないでしょうか
(回答)全くの誤りです。
芸能人も国民の一人として表現の自由があります。法案の批判は一部の専門家の特権ではありません。自由な発言を行い議論を交わすべきです。
そもそも完全に正しい意見などありません。仮に一部誤りがある投稿をしたからといって、訂正すればよいのです(芸能人も一個人です)。むしろ言論を萎縮することが問題です。
そんなわきゃないでしょう。
どんな人であれいい加減な意見は慎むべきだと思います。
法案に対しては詳しくわかっていないひとでもいい加減なことを言っていいという根拠はどこなのでしょうか?
こんなのSNSで芸能人たたいている人に問題ないですと言っているのと変わらないですよ。
確かに違法行為でなければ罰せられるべきではありません。
しかしながら脱法行為は咎められるべきです。
根拠のない批判なんて脱法行為で、それが進めば法整備するしかなくなるし、より自由な行動は制限されます。
なんとなく気持ち悪いからあいつに文句を言ってみよう、って言っているのと変わらないじゃないですか。
いじめをする側の論理ですよね?
弁護士がしていい発言ではないと思います。
■根拠のない反対が生むもの
この法案に関してもよくわかりません。
でも一般論として「もう少しよく考えよう」って誰でもいえるんですよ。
何かを始めようとするときに、うまくいかなくする方法なんて簡単です。
みんなの意見を否定せず、常に「もう少しよく考えよう」って言ってると簡単に停滞していきます。
そういうことをしない、わからないなら黙っていましょう、というのは当たり前だと思うのですが。
■女子プロレスラーの自殺報道の件
私は彼女のことはよく知りません。
周りの反応に関して、ちょっと冷静になってみたほうがいいとは思います。
誹謗中傷受けたのはその通りだと思いますが、彼女の人生はテレビで映し出されていたものだけではないでしょう。
人間は自分に見える範囲の情報で判断しがちですが、そうでない現実はとてもたくさんあると思います。
自殺の原因がそんな簡単な話ではないかと思います。
誹謗中傷に関して書いておきたいと思います。
個人的にいわれなき誹謗中傷はされています。
コンテンツ制作者ならよくあるのですよ。
顔出しした時にいじられたり、バグでないものをバグだといわれたり、ソーシャルゲームの補填の仕方が不評でユーザーを馬鹿にしていると決めつけられたり。
何年もかけて世の中に出した作品を、悪意のある意見で台無しにされることなんて頻繁にあるのです。
商売をしているのであれば、ある意味しょうがないとも思っています。
■ケアの問題
お客さんからの問い合わせを、何も考えずに読んでいると精神を病んでいきます。
励ましてもらえることも多いのですが、心無い書き込みが多いのは事実です。
基本ディレクターであるときに自分では読みますが、チーム員には読ませないようにします。
下手に読ませるとそのあとうまく作れなくなるからです。
大げさではなく、それくらいの恐怖はあります。
そんな馬鹿なと思うかもしれませんが、文句を言うためにプレイするという人たちは少なからず存在します。
そういう人たちにはどんな娯楽よりも、他人に文句を言うということが楽しみ、生きがいになっているのです。
問い合わせ対応を他人にやってもらう時には「事実だけ抽出するように」ということを伝えます。
あとは「悪意をぶつけて気を晴らしたくて書き込んでいる人がいるので真に受けないように」という話もします。
これがない状態でお問い合わせを読んでいると、どんどん新しいものを作らないほうに気持ちがいってしまうのです。
外人部隊で傭兵やられてた方のインタビューを読んだことがあって、
「戦場から帰ってくると精神がやんでしまう人がいるがどう思いますか?」という質問に対して
「ケアできてないだけじゃないですか?ケアしてればたぶん平気ですよ。」という答えをしていたのが印象的でした。
ケアするというのはそれくらい大切で、逆にある程度のショックもケアすると大丈夫なことが多いということです。
■問題の番組に関して
誹謗中傷が問題だという話が出ていますが、一概にそうとも言い切れません。
ネット上で文句を言ってすっきりさせるための番組、という目的で作られたものであればそれ自身を批判されるものではないはずです。
編集も番組宣伝もそれを狙っているし、そういうコンテンツに意味がないとはいきれないでしょう。
望まれているのであれば価値のあるものです。
それに出演する人に対するケアは必要だと思います。
・文句を言われるような番組である
・文句を言われるための演出をする
・言われた時にはこういう考え方、対応をするように
という説明がちゃんとしていればよいと思います。
それがされていなかったのであれば問題というか、コンテンツを作るスキルとしてお粗末だなあとは思います。
■よく知らないものを批判するということ
でもそういうことを狙った番組とそうでないものは別です。
受け入れて糧にする人もいるでしょうが、そういうものとは一線を画したいという人の自由も守らなくてはいけません。
それをちゃんと分けるための活動をするのが、弁護士とか法曹関係者なの役割なんじゃないですかね?
知っている人、調べた人が意見を言うのは問題ないと思います。
それが間違っていてもいいかと思います。
ただ、よく知らない人も批判してもいいですよ、というのは明らかに間違いです。