CGWORLD 2022年5月号まとめ

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■特集:CGアニメーションのワークフロー

CGWORLD編集長/CGアニメーター(Sony Pictures Imageworks)の若杉 遼が、Industrial Light & Magic、Walt Disney Animation Studios、トンコハウス、Pixar Animation Studios、ポリゴン・ピクチュアズに所属するアニメーターのワークフローを深掘り。自身を含む6人のアニメーターのワークフローを通して、アニメーションの仕事の多様性と奥深さを紹介する。
いざ、アニメーションのワークフロー探求の旅へ。

・[PART 01 ]若杉 遼(Sony Pictures Imageworks)のワークフロー
最も大事で面白い工程は、アイデアを考えるブロッキング

大規模なアニメーション作品(エンドロールで大人数がクレジットされるような)は10~20人くらいのチームに分けるとのこと。
確かにその単位が一番マネージメントしやすいかも。ゲームだと同じような工程の集まりではないので、同じ手法が使えない。
ただ10~20程度の単位を作る、ということを目標にするといいかも。
作り始める前にリードとSVの意見をもらいに行く、という工程もすごくいい。どんな作業も良い進め方は同じ。
そのほかの作業工程の説明も、一見面倒そうだけどやっておくと効率化されるものが太君紹介されている。
結局作り直しはあるんだから、それを避けるのではなくどう付き合っていくかが大切。

・[PART 02 ]藤原淳雄(Industrial Light & Magic)のワークフロー
後からアイデアを思いつくので、変更に対してすごくオープン

「もっと見る」ということの大切さが書かれているところが良かった。
デザインの良し悪しを突き詰めていくと「もっと見る」に行きつくことが多い。
細かいところを指摘すると文句を言う人がいるけど、「もっと見る」ができていないんだからまずはそこを反省するべき。

あと何コマ区切りで動かすか、というところの話も参考になる。
これ私がゲーム作るときに話をするのですが理解してもらえないことが多い。
フレーム単位で動きを指定しないと良い動きにならないのだけど、保管して動かすことが正義だって譲らない人が多いんですよね。
現在ゲームのキャラんくたーのアニメーションの動きがかっこ悪いことが多いの、これが原因だと思います。

・[表紙メイキング ]「アニメーションのワークフロー探求の旅」をビジュアライズする

これに限らずなんですが、表紙用のオリジナル画像の作成はあんまり参考にならないですね。
実際問題時間がかけられていないので、いいものになるはずがない。
昔はありものの絵の使いまわしのほうがチープ感があったのですが、今はオリジナル物のほうがクオリティ低いです。

・[PART 03 ]水鳥直子(Walt Disney Animation Studios)のワークフロー
2Dアニメーションに寄せて、アピーリングにする

CGクリエーターとしては最短距離でキャリアを積んでいるイメージ。
小規模スタジオだと難しい注文が多いけど、経験を積むにはお勧めというのはどこの業界でも似たような感じですね。
厳しい話ですが、できないことをやらない、成長が遅い、人は成長しないのではなく淘汰されます。
難しい注文を前向きに受けて、結果を出し続けないとクリエイティブを仕事にし続けることがはできません。

DisneyだとリードやSVの前に監督に確認してもらえるというのがいいですね。
リードやSVが一番気になるのが監督がOKだすか?になることが多いので。

バストショットで移っていないところは動きを付けないけど、腰は動くので腰まではつける、というのは参考になりました。

・[PART 04 ]中村俊博(トンコハウス)のワークフロー
2Dでラフを描いて、頭の中のイメージを明確にする

リグの付け方に迷ったらまず2Dで描いてみて、それをなぞるようにつける、というのは当たり前なんだけど実際なかなか思いつかないよいやり方かと。
どの人もアニメーション付ける前にリファレンス作成していますね。
ゲームでもやった方がいいのかなあ。実際の動画を編集して、いあめーじができるところまで落とし込む。

イーズインがあればイーズアウトは省略してもいいくらいの感覚、というのも良い情報。
まじめな人ほどちゃんとやらないと、と思うんだけどそれやると動きがぬるくなることが多いので。

・[CGアニメーターのための用語集]

この記事を読む前にこれを見ておいた方が良いかも。
アンティシペイション、ポリッシュ、という用語は知らなかったので覚えておこうと思う。
イーズイン、イーズアウト、オーバーシュートあたりは現状ゲームが苦手なところでやれてない作品が多いので気を付けた方がいいです。

・[PART 05 ]原島朋幸(Pixar Animation Studios)のワークフロー
キャラクターの呼吸や視線、感情のビートまで考える

海外のCGクリエーターは最前線で活躍している人が講師をやっているように見える。
そしてまた現場に戻っているようにも。
日本だと一度先生になってしまうと戻れないイメージ。
この辺りも改善していく必要があるな。日本は時間を使わないとダメな印象が強すぎるように思う。

デモリールの中で一番クオリティが低いものがその人のレベルと思われる、というのは選ぶ側からすると確かにそう。いいところがあってもこんなものも作ってきちゃうんじゃ採用するの怖いなって思う。良いアドバイス。

・[PART 06 ]長坂 大(ポリゴン・ピクチュアズ)のワークフロー
シークエンス全体を俯瞰して、どこに一番時間を割くかを決める

うまい人はサムネイルのポージングから際立っている、というのは確かにそうですよね。
そこで最初の期待感が決まる気がします。
無理をしてでも、カメラの動きにメリハリをつけた方がいいものができる、というのも同感ですね。
リップシンクの話でFを発音するときの口の形は2フレームくらい使わないと目に残らない、というはすごいですね。
ゲームでそこまでやれる日が出てくるのか…。
日本語ってぼそぼそしゃべるので、あんまりリップシンク付けないほうがいいと思うんですよね。
海外版と日本版で動き替えた方がいいのかも。
作業をするときにはどこが重要か見極めて、フェイシャルが必要なところはそこが最優先、というのもいい情報。

■湊あくあ ワンマンライブ2022「あくあ色 in わんだ~☆らんど♪」

Vtuberは全然詳しくないんですよね。
2Dのものを3Dに起こすのって、劣化するイメージがあって個人的に大丈夫かな?って思ってたんですがLive2Dの影響でイメージが壊れにくくなっていますかね。
あとは3Dに起こした時のノウハウが溜まってきているのか、それとも3Dにしても大丈夫なように2D設計をしているのか。
そのあたり勉強したほうがよさそうですね。

■Kizuna AI The Last Live “hello, world 2022”

モデルもライティングもきれいにできているな。
技術力が高いというかデザイン性が高いんだろうね。
ライブ演出も表示や制作にそんなに負荷が必要でないものでかつ、見栄えがいいものを選択している印象。
こういうデザインディレクションをしてくれる人タイルと助かるんだよねー

■Game Graphics Studio

「Ghostwire:Tokyo」の特集。
子供がプレイしていたのでエンディングまで見ています。
マップがうまく作ってあるなあという印象。
広大なマップできれいだし、ゲームシステムにマッチしているし。
流石「Tango Gameworks」といったところ。こういうゲームが世界的に売れるし、そういうノウハウ持っている人がカプコンには多そう。
Steamで売れててうらやましい。
取り立てて特筆する内容は書かれていないのだけど、細かい技術を積み重ねていることがよくわかります。
こういうゲームを作るのに一朝一夕では無理なんだろうなあ。

■アニメCGの現場

「KAIJU DECODE」の紹介。
短編CGアニメーションのアセットを利用してVRコンテンツ化か。
一昔前だとアニメのCGってクオリティ低くて使いにくかったんですよね。
でももう今だと遜色ないというか、アニメで作成されているもののほうがよかったり。
そう考えるとこういう動きは増えてくるかも。

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