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私が見据えている到達点

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現時点で日本のゲームソフトウェア開発は、2周遅れ位になっている。

世界ではアジャイルの開発経験があることは当たり前になっていて、その前提の上でどうやったらさらなる改善や効率化を埋めるかという段階。

日本の開発者はいつまでたってもアジャイル開発を経験するところまでもたどり着けない。

出来ている会社がないわけではないが、大企業でそちら側を採用できている会社はほとんどない。

小さい会社じゃないとコントロールできなくて、ソフトが売れているときは維持できるが経営が悪化すると単なるブラック開発に転じてしまう。

発注するほうは初期予算を絞る。

受けるほうも見積もりを絞る。

結果競争力のない製品が出来上がり、そのままだと売れないから追加予算を投入することになる。

絶対に最初から適切な金額で予定を組んでいれば、費用はもっと抑えられているはずである。

2度手間やスケジュールの組み換えは予算を食いつぶすが、ゲームのクオリティには良い影響を与えない。

初期予算が少ないプロジェクトには新人を入れる余裕、新しい技術を試す余裕がないから、若手が育たない。

確かに状況としては詰んでいる。

もう2周遅れなんだから5年単位くらいで利益を度外視して、業界的に立て直さないと取り返しがつかないことになる。

個人的にはそんなに悲観していなくて、駄目になるのは「日本の開発者」ではなく「日本のゲーム企業」。

ダメな選択をしてダメな結果になるのだから、ただの自業自得だ。

どこの国のどんな開発に入ったとしても通用するように準備してきたので、別に焦ることはない。

ただ今の若世代の開発者はかわいそうだと思う。

私の世代はなんやかんや言って良い経験をさせてもらえたことが多かった。

世界的ヒット作の開発にかかわったり、若い時分からゲームの主要な部分を任せてもらったり。

今の自分の能力がそういった地盤がなくても成し遂げられていたといえるほど、面の皮は厚くない。

若い世代に自分たちが与えられたような環境を用意してあげられなかったことは本当に申し訳なく思う。

だからこそ今の若い世代の人たちには勉強をしてほしい。

もう自分たちで勉強してどうにかしていくしかないのだ。

そしておそらくそうやって手に入れた能力は、私のようにある程度与えられて得られた能力を凌駕していくだろう。

私が到達しないといけないのは、そういう人たちと同様の能力を身に着けること。

勉強はまだまだ続く。

未来の話でもなんでもなく、そういった自力でどうにかしてきている人たちがもう出てきている。

あせる、あせる。でも負けない。

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