制作

超現実的作業見積もりの立て方

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昨日の身もふたもない企画の立て方に引き続き、身もふたもない見積もりの仕方の話をします。

■そもそも見積もりは大変なの?

ゲームはゲームごとに違うものを作ることが多いので、見積もりは大変です。

ちゃんとやろうとするなら「出来ない」というのが正直なところです。

でもそれだと始まりませんし、見積もりが上手い人も下手な人もいますので、なんでそういうことが起きるかというところも含めてお話ししたいと思います。

■見積もりの上手い下手はどこで決まるのか?

1、プロジェクトマネジメント的な知識のあるなし
2、採用できる仕様の手段をいくつ持っているか

大きく分けてこの二つですかね。

個別に話をしていきます。

■プロジェクトマネジメント的な知識のあるなし、とは

見積もりをする際に必要な作業としては、

  • 作ろうと思うものに対して作業をできるだけ細かい単位に分ける
  • それぞれ担当者を決めて、どれくらいの期間でできるかをヒアリングする

それを元に作業スケジュールを立てる、ですね。

簡単そうに聞こえるかもしれませんが、作業を細かく分けるところで普通は詰まります。

大雑把な人だと画面数で分けちゃう人がいます。これだと機能の共通化ができなくなるので、この画面はバグが取れたけど、別の画面ではさっき直したバグと同じ現象が残ったりします。

それを避けるために共通機能から作成始めると、それが完成するまでに手が開く人が出てきます。

で共通機能ができた後に、使い方をレクチャーしてという手間もかかります。

取り敢えず動くものを見たい、という要望が出ることが多いですし、期間的にそれだと間に合わないことがほとんどです。

じゃあどっちのやり方もダメってなるので、どこまでを共通機能として作るかを決めなくてはいけません。

さらに、共通機能が完成するまでにどうやって作っておくのかも重要です。

これが決まってないと置き換えで時間がかかります。

なので完成系の検討と、それを置き換えるための検討が二段階で必要になるわけです。

まあ、当たり前にプログラムの設計ができないといけないわけですね。

■採用できる仕様の手段をいくつ持っているか、とは

当たり判定ひとつ取っても色々な作成方法があります。

作成の難易度も大切ですが担当者がどのような経験とスキルを持っているかを把握しないと効率が悪くなります。

普通に作ると5人日ですが、Aさんが作ると2人日で出来る。にもかかわらず苦手なBさんに割り振ってしまったので10人日かかったみたいなことは普通にあります。

得意不得意でだけ考えてもダメで、同じ仕事ばかり担当させていると、キャリアに不安を抱えて辞職したりもしますし。

その辺りの思考の把握も大切です。

同じ効果であっても、簡単に作成できる代替の方法があれば、それを選択できるだけで大きなアドバンテージになります。

プログラムの話だけでなく、デザインをよく見せるための方法、量産するための目処、コンバーターなどの作成の有無、作成方法、なども工数に関わってきます。

さあもう訳が分からなくなってきましたよね?

この辺りの知識をフルに活用して、どの仕様を採用するのか決めていくわけです。

面白くなるから、出来が良くなるからこの仕様にする、というやり方では全然足りないわけですね。

■そもそも見積もりは誰かが勝手に決めてることがある

こんな感じで大変なのですが、もっと困ることがあります。

それは何処かの誰かが既に見積もりを決めてしまい、その工数でやることになっているパターンです。

妥当な見積もりなこともありますが、そうでないこともあります、というか実際そちらの方が多いですね。

▪️そういう場合はどうするか?

まず見積もりを見ます。そして本当にその期間でできるかどうかを検討します。

どうにもならないのであればごめんなさいをするほかないです。かなりの波紋を呼びますが時間が経ってから、お金を使ってからだと取り返しがつかなくなります。

ただできませんだけでなく、本当に必要かどうかの検討はやりましょう。

作業前提になっているものも、実際に作るとこんな感じになるのでやめた方が良いですよ、という提案は開発初期なら通ります。

後になると通らないことが多いですね。

また難しい処理で作る想定のものを、同じ効果で簡単な処理に置き換えたりします。

その辺りの検討が全部できていると、費用や期間の再設定が比較的スムーズに進みます。

■ゲーム開発の見積もりに関して

偉そうな話をしていますが、私も毎回ギリギリどうにか終わったなという結果になっていることがほとんどです。

いざとなった時に作業を置き換えることができる知識があるかどうかが、一番のポイントになると思います。

私は他のチームであっても作業内容を把握して、明日から自分がディレクターになったらどうするか、と考えるようにしています。

必要であればそれを実現するための勉強もします。

それくらいやらないと、仕様の手段は増えていかないと思いますね。

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