書評:「ティール組織」第3部まとめ

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昨日に引き続き「ティール組織」第3部の書評となります。

第3部:進化型組織を創造する

■第1章:必要条件

【特記事項】

・経営トップとオーナーに進化型の理解がないといけない。

・業種、組織の大小、地理的条件と文化的背景は重要ではない。

・一人のミドルマネージャーとしての導入は、無駄な努力。

・CEOが重要。

・数値の集中管理自体が各担当の責任性を浸食する。

・自分がヒーローになれるから、みんながヒーローになれるへの移行

・成功は意味のある目的を追求した結果得られるものであり、成功自体を目標にしないように気をつけなければならない。

【感想】

ここの章の内容は、投資家に求められるか?というところが問題ですね。

一人のミドルマネージャーとしての導入は、無駄な努力。

CEOが重要。

進化型がやりたいなら独立するしかない、ということですかね。

独立した挙句部下を信頼して任せるのかー。

RHDの社用車の不正利用時の対処が良かったですね。

不正があったから対処しようではなく、全体の影響割合や、実際の犯罪率との割合を見て対処するかどうかを考えないと。

失敗した人をやめさせた挙句、それ以下の人が就任するのは滑稽です。割とそういう判断がまかり通っていますが。

・成功は意味のある目的を追求した結果得られるものであり、成功自体を目標にしないように気をつけなければならない。

うーん、私が持っている進化型への違和感の正体はこれかも。

私は安易な成功を目的にするのはありだと考えます。働くことに意味が見出せない人はそうなのでは?

私は仕事が好きだからというか、楽しいことをしてたらお金がもらえた口です。

だからこそ才能がない人がつまらないだろうなというのもよくわかります。そういう人は働くことに関して意味が見いだせるのでしょうか?

ある程度の人数が集まっているのであれば、その半数くらいは仕事がつまらないと感じてると思うんですよね

この章の結論として、具体的に何が必要なのかはよくわかりませんでした。

■第2章:進化型組織を立ち上げる

【特記事項】

・進化型組織をゼロから立ち上げると、軌道に乗せやすい

・共同経営者の理解が必要

・スタートアップ立ち上げ当初は進化型だが、人が増えるにつれ変わっていく

【感想】

全般的にそりゃそうだろう、という内容。

今の社会の仕組みは効率が悪いから、みんなで捨てちゃおうぜ!っていう話かと。

それって現実的なのかなあ。でもそれを捨てられた人が成功して、そうでない人は引き続き苦しむ、というのはそうなんだろうなと思います。

スタートアップ立ち上げ当初は進化型だが、人が増えるにつれ変わっていく。

そうですねえ、なんでそのままいけないのでしょうか。

スタートアップ的なところにいたこともありますが、設立メンバーに対しての信頼度と、後で入ってきた人に対する信頼度が違っちゃうんですよね。

能力が設立メンバーの方が高ければそれでいいのですが、そうでなかった場合は当然のようにうまくいかなくなります。

成功したいのであれば、経営層がもっと情ではなく合理的に考えないと難しいかと思います。

あとこの章で書かれていることに関して、同じ意識の人が集まっていればうまくいくと思います。

ただ同じような考えが持てない人を雇用している場合は「指示をちゃんとしない」、「やりがい搾取」だと言われる可能性があります。

その企業の理念ではなく、給料や安定性が魅力で来る人もいますからね。

後地元の企業だからとか。そういった人たちは排除したい、というのはわかりますが現実問題難しいのではないでしょうか。

指示待ち人間は不要だ、といのもよほど魅力のある起業か高い賃金でないと難しいですよね。

■第3章:組織を変革する

【特記事項】

・CEOや取締役会が賛成してないと無駄な努力

・ミドルマネジメント以上のマネージャーは脅威に思うだろう。

・ボトムアップ型への移行

・全体性を醸成するための組織慣行を決める。

・全体性は自主経営に比べて導入ペースが調整しやすい。

・存在目的に関する組織慣行

【感想】

CEOや取締役会が賛成してないと無駄な努力

であれば、読んでいる人のほとんどにとって意味がないのでは?

上手くいってない会社ならワンチャンあるかもですが。

組織の存在目的が理解しやすいかどうかが鍵かもしれませんね。

ティール組織で成功している医療系の会社の例が多く出ていますが、そういった企業はメンバーの目的が統一しやすいです。

全体性は個人をものでなく人として扱う、ということかな。その人となりが理解できれば頭ごなしに傷付けられない。やる人はやるが。

自分らしさが受け入れられるのであれば、会社に残る理由にも採用が捗る理由にもなる。

逆にどこでもやれるような訓練をしてきた人には、あまり受けない考え方かもですね。

存在目的に関する組織慣行

組織がどうありたいと思っているのかを理解してもらうことが重要。

どうありたいか、のビジョン事態に共感できるものがないと厳しいが、多様化が進んだ現状マスをとるのは難しくないだろうか?

■第4章:成果

【特記事項】

・人は本当に意味があると確信できる目的を追求している時に効果を高めたいと思うものなのだ。

・成果は重要で、進化型は逆風に見舞われがち。売り上げが伴わないといけない。

【感想】

人は本当に意味があると確信できる目的を追求している時に効果を高めたいと思うものなのだ。

本当か?本当だと思うが、チーム員レベルで全員にその意思統一が望めるのか?

成果は重要で、進化型は逆風に見舞われがち。売り上げが伴わないといけない。

実績を上げた企業の成果を記載しているが、成否がわかりやすく特別高い結果が求められない仕事によっていると思う。

100人中10番以内を達成するとうまくいく仕事と、1000人中で10番以内を達成するとうまくいく仕事があると思うが、前者によっているのではないか?

■第5章:進化型組織と進化型社会

【特記事項】

未来予測

・ゼロ成長

・大量消費の見直し

・これまでと違う金融システム

・私たちが知っている仕事の終焉

・株主のあり方の変化

【感想】

人口増加による真水問題は出てくるかと思います。

大量消費の見直し

必要だけど現時点の発展途上国が受け入れるのか?

これまでと違う金融システム

マイナス成長ならマイナス利子、というのはそのようになるでしょうね。

そもそも貨幣システムが続くのか?個人的には資本ではなく労働の対価でしか物が獲得できない社会がやってくると思っています。

歳をとった人たちがお金を持っていて、若い人たちは労働力があるじゃないですか。

そういう状況でいつまでもお金に価値がある状況は続かないと思います。

私たちが知っている仕事の終焉

まさにこれがティール型の限界も示唆していると思います。

ティールで進めていても、市場から消える仕事であればうまくいかないでしょう。

株主のあり方

本書に記載されているものはロマンティックすぎるが、投資家が今のままではいられないだろうとは思います。

進化型が多くなれば既存の投資家、出資者の価値が下がる。

企業というのは出資者のものなのか、働いている人たちのものなのか、というのは経済では議論されてきた。

欧米では普通に出資者のものなのかな?

ティール型組織は、それだとやってられない、という人たち用の組織形態な気はします。

おそらくそういう考え方の方が主流になって、利益を上げるのもそちらになるのでしょう。

その時に出資者たちはどのような選択をするのでしょうね?

■第3部の総評

ティールでうまくいく条件、そうでない条件。

こうやったら成功できそうですという提案が主な内容。

どうにか全体を読み終わりました。

ティール組織という本に関して、システムに関しての感想は次回にまとめて記載します!

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