チェイサーゲーム20話の感想です。
なんやかんや、漫画の舞台というのは「学生時代」がいいですね!
自分の人生を振り返ってみても、学生時代が楽しかったので舞台としてもいいのだと思います。
自分が選ばなかった人生、自分の別の可能性をはせながら読んでいると楽しいですよねー。
■高校生時代最後
今回の話は高校時代の終わりという感じですかね。
タツヤがバイクに乗っていますね。
マフラーがヨシムラとかモリワキとか言っていますね。このあたりは松島先生、松山社長のヤンキーマンガリスペクトが出ているのかも。
『疾風伝説 特攻の拓』とか!
特攻の拓は1991年から1997年連載なのでタツヤが影響を受けててもおかしくないですね。
バイクは詳しくないので車種がわからないのですが、見る人が見ればわかるのでしょう。多分族車で人気の何かなのかなと思います。
デバッグルームで語られるのでは?
後髪型が変わっていますね。
バイクにしてもファッションにしても、ちゃんと時代に即したものでそろえていかないとどこかでおかしくなっていきます。
ゲームでこういった設定を決める際は、大体で決めるのではなくすべてにそれにした理由を付けていきたいですね。
そうすることで統一感が出たり、キャラに深みが出ます。スピンオフを作るときや、ゲームの中でちょっとしたストーリーを付け足したいときにもあると助かりますね。
■.hackについて
実際のゲームを出せるというのは強いですよね。
私は当時ネットゲームにはまっていたので、このゲームが出た時は「やられた!」と思ったものです。
当時はネットワーク機能のあるゲームを作るのは、インフラも含めてとても大変だったのです。
- サーバーを常時動かしておかないといけない
- カスタマーサポートも必要
- コンシューマーでは通信機能を持った機器をそろえるのが困難
FF11が2002年5月16日開始、.hack 感染拡大 Vol.1 が2002年6月20日発売。
オンラインゲームの面白さを伝える手法としては、当時のベストチョイスだったと思います。
■川辺で夢を語る
同級生で役割分担をして自分たちの作りたいゲームを作る!
憧れますね。自分も専門学校生だったときはそんなことを考えていました。
実際に現場に行ったときに思ったことは、あまりいい手ではないなと。
先輩にできる人たちがたくさんいましたので、まずそういった人たちから学ぶのが重要だなと。
そして独立するのであれば、同期の仲間だけでなく若手もベテランもそろえていくのが良いと思います。
同じような年代、同じようなバックボーンを持ったメンバーだけで作るとどうしても偏りが出ます。
1本だけならどうにかなるのかもですが、続けてヒットさせようとするなら難しいと思います。
後カナンちゃんは声優志望ですか。
最近下記のような大塚さんのインタビューが上がっていましたね。
大塚明夫「声優の大多数が仕事にあぶれる理由」 | テレビ
『攻殻機動隊』シリーズのバトー役や、『機動戦士ガンダム0083』のアナベル・ガトー役など、多くの代表作を持つベテラン声優の大塚明夫氏が語る「声優論」。第1回では、「多くの声優が仕事にあぶれてしまう理由」について解説します。 ...
カナンちゃんがヒロインなんですかねー。
厳しいことを書くと声優として成功するのなら下記のような条件が必要かと思います。
- 役がもらえる
- 役をもらったコンテンツ(アニメ、ゲーム)がヒットする
私はゲームの収録を何本もやったことがありますし、声優さんのアサインも行ったことがあります。
でも実際問題、好き、嫌い、以上の判断って難しいですよ。
私は声優会社の方に希望と予算だけ伝えて決めてもらうことにしています。
そんな状況で「役をもらう」って能力もあると思いますが、運ゲーでもあると思います。
またコンテンツがヒットするかどうかもそうですね。
そんな状況の中、カナンちゃんがどうなっていくのか楽しみではあります。
■夢のゲームソフト
そうですね、「夢のゲームソフトを作る」という目標は曖昧かもしれません。
何かを成し遂げたいと思い、それを成す人は本当にパワフルに進めていきます。
作りたいものが具体的で、はっきりしているものの方がその力は強いでしょう。
そして自分の環境もそれに合わせて整えていく力も重要です。
競争相手が少ない時はそれでもいいのですが、2002年当時でさえ化け物のような開発者はたくさんいます。
会社として破たんさせない、面白いゲームを作る、良い仲間を集める、すべてに成功しないと会社の継続ですら難しいでしょう。
全部をやる時間はないけれども、全部をちゃんとやらないとまず失敗するという矛盾を解決できた人だけが「ゲームを作り続ける」という舞台に立つことができます。
「夢のゲームソフトを作る」のではなく、自分がどうしても作りたいものを作成して、それが受け入れられた結果、他人から「夢のようなゲームソフト」だと言ってもらえるのです。
私も何本か納得がいくような作品を作ったことがあります。
実際作った直後はそんな実感がなく、ただ大変だったり忙しかったりします。
そして何年後かに、「ああ、あのときは成功していたんだな」とやっと思うことができます。
■専門学校へ
あー、この感覚懐かしいなと思います。
私は1998年くらいに専門学校に入りました。
大卒で一年就職浪人をして専門学校に入ったのでかなりせっぱつまっていました。
タツヤたちが感じた違和感は私も感じましたね。
できるかできないかはおいておいてゲームが好きだから来てみた、という人が多かったです。
で、絵もサウンドもできないからプログラム科に来たけど全くわかりません、なので何にもしません!っていう人が多かった。
実は私がいた専門学校はとあるライトノベルのモデルになっているのです。
その作者の方は、プログラマとして全然伸びない人でした。
その後大学に入り直して、小さなゲーム会社に入り、小説をヒットさせるところまで行ったのですからすごいですよね。
タツヤ君たちのやらない同級生たちも、どこか別の業界で活躍しているかもしれません。
■アルバイトについて
うーん、タツヤたちは頑張っていると思いますが正直専門学校時でのアルバイトはお勧めしません。
金銭的な問題もあるのだと思いますが、それでも勉強に集中するべきです。
私は大学時代に結構アルバイトをしてお金をためていましたが、専門学校時代は極貧でした。
1週間に使えるおこずかいは500円と決めてそれを守っていましたね。
お菓子もジュースも無しです!お弁当を作ってくれた両親に感謝です!
特にプログラムは語学留学しているようなものです。語学から離れるほど習得が遅くなります。
正直現場に入ってからの方が楽だと思いました。時間が来たら返っていいから。
専門学校時代は寮だったのですが、いつ勉強をやめたらいいかわからなかったです。
3時、4時までやって朝の9時には学校にいるという感じでしたね。
寮のドアスコープが部屋の中の明かりがついているかどうかわかるつくりだったんですよ。
3時くらいに部屋の外を出て他の部屋を見ると半分くらいついていました。みんな勉強していたんですよ。
ちゃんと寝たほうが効率がいい、という人もいますが2年くらいでプロの現場でできるくらいになろうと思ったらとにかくやるしかないと思います。
■ついに
松山社長が登場ですか。
既に回想シーンで専門学校時代のタツヤたちとの会話シーンが出てますね。
第6話の回想ではすでに面識があって、ゲームを見てもらっている感じですね。
その後覚悟が弱いことを見透かされて怒られていますが(笑)
私は痛い子だったので「私は天才だからとらないと損しますよ」的な態度をとっていたような気がします…。
思い返すと恥ずかしいのですが、とる立場からするとそういうマインドの人でないと仕事をふれないですよね。
まずはスタート地点に立つこと。勘違いしていたとしても、それを事実に変えることができればいいわけです。
実際ゲームを作る前というのはできるかどうかわからないものを作るというところからスタートです。
まさに嘘を本当に変える力が必要なのです。
そのためには「覚悟」が必須ですからね。
作品の内容も楽しみですが、この作品から影響を受けた学生さんが増えるということもとても楽しみです!
■ぼくらのチェイサーゲーム Vol.1 Kindle版
面白そうなものが出ていますね。
さっそく私も購入しました。
今まさに読んでいるところなので、こちらは来週あたりにレビューしたいなと思っています!