カナンの声優オーディションのために東京に来ていたタツヤとユーキ。
今回の感想を書いていたところすごい量になってしまいました!私的に内容が本当に濃いです!
あんまり本編に関係ないところは分けて別途記事にしようと思います。
最初のシーンは機上ということで帰りの飛行機なんですね。
カナンの寝顔がかわいいです。オーディションを開催した会社の社長との話の回想から物語はスタートです。
■声優ブーム
声優ブームっていつからなんでしょうね。
私はあまりそちらに詳しくないので実感としてはないです。
ゲームの専門学校に入ったときに、いわゆる声優さんが好きな人たちが結構いてびっくりした記憶があります。
声優さんがパーソナリティのラジオが数多くある、という事実が意外でしたね。
AMラジオは聞くほうだったので、『マミのラジカルコミュニケーション』で矢尾さんが代理担当してたのを聞いたことがある程度でした(この話何人がわかるんだ)。
個人的には林原恵さんが出てきた当たりなのかなあと思ったりします。
当時オリコンって本当に権威だったんですよ。
そこのトップ10にランクインするって、ヒット歌手として認められたということ。
そこに声優の林原めぐみさんが入ってきたときはインパクトがありました。
それまでは「俳優の人が声優もやることがある」、という流れが「声優を目指して声優になる」という流れに変わった気がします。
■声優さんに求めるゲームとアニメとの違い
個人的な感想も多く含むのですが、ゲームとアニメでは下記のような違いがあると思っています。
・ゲーム → セリフは繰り返し聴くもの
・アニメ → セリフは流れの中で1回だけ聞くもの
アニメはお話の中のセリフですので掛け合いも、間も必要です。
ゲームはシナリオの中での会話はありますが、単発的な用途のほうが多いですよね。
技名のボイスなんかをイメージしてもらうとよいかと。
であればどういった声優さんが理想的かというと、クリーンな発声で聞き取りやすい声がいいんですよね。
でも個性があったり、演技がうまいという人はこの条件から外れてしまうことがあるんですよ。
版権物をやっている場合なんかは特に難しいです。
原作のイメージから離れてもだめですしね!
■多様化する声優さんのお仕事
ステージイベント、トーク、歌、ダンス、ルックス。
お笑い芸人さんと声優さんは本当にいろいろなものを求められますよね。
ゲームでネット番組やラジオなんかを企画するなら、第一候補として声優さんをキャスティングします。
こぶしのぶゆきさんがtwitterでコメントしていますね。
ただ反面
— こぶし のぶゆき (@kobushi_) April 23, 2020
『声の仕事だけじゃなくトークだったり歌やダンス、ルックスだって求められたりする』様になった結果、声優志望者の分母が年々減ってるらしいですね。
「自分には無理だ」と思う人が増えたそうで。#チェイサーゲーム 流に言うと、ここから先が『世の中とズレてる』人が進む道なんですよね。 https://t.co/IJ6RWRSxSh
だから進むのか、それでも進むのか。
本質的な声優さんの仕事をやりたい人はあきらめてほしくないですね。
正しい正しくない、うまい下手ではなくたどり着いた人だけが、そのステージに立てるのです。
■所属契約を結んだとしてもプロ声優としてやっていける保証は何もない
まあそうでしょう。
だってどの職業だってそうですよね?
プロ野球のドラフト1位選手だって全く活躍しない人がいます。
結局のところプロ声優としてやっていけるかどうかは『運』とかいてありますが、どの業界だってそうですよ。
運がいい人だって悪い人だっています。
ただ個人的に運が悪い人のほうが、最終的には成功しているような気がします。
何かを成し遂げないといけないのであれば、多かれ少なかれ理不尽な目に合うのですよ。
運が悪い人のほうがそういったものに対応する経験がある。
順風満帆に進んでいる人が、一番大事なところで理不尽な目にあってとん挫する、というのは一番悲しい結果ですよね。
若いころの苦労は買ってでもしろ、という言葉は今では嫌われる思想だと思いますが、大事だと思いますよ。
■選ばれるのを待つしかない
そうですね。
ひどい言い方をすると「色がついていない」方がいい時があるんです。
実力が大して変わらなければ「すでにある程度の成功している人」より「自分の作品で成功した人」のほうがいいじゃないですか。
そう考えると下手すれば実力がないほうがよかったりもするのです。
でもそれもしょうがなくて、成功する人はそういったものさえもはねのける力がある人じゃないんでしょうか。
■アルコールでのどをつぶして収録に臨む
すごい準備ですよね。
声優さんの準備ではひどい話があります。
あらかじめ台本は渡してあるのですが、しっかりと読み込んで役作りをして収録に臨んでくれる人がほとんどです。
でも開発側の事情で当日に台本がガラッと変わることがあります。
ひどいとお思いでしょうが
【東日本大震災の時に実際にあった自主規制】#ゲーム業界あるある #あるある #自粛 #自主規制 #ゲーム開発 #チェイサーゲーム pic.twitter.com/3am7aJCTL2
— 松山洋@チェイサーゲーム (@PIROSHI_CC2) April 17, 2020
こういうことだってあるわけです。
そういう場合は準備してきた人のほうが割を食います。
それでも結果を出している人たちが有名声優さんなんです。
■帰りの飛行機で
カナンはオーディションが満足のいく出来だったようですね。
ユーキのカナンに対する思いが語られます。
両親を失っていると大変ですよね。
私はありがたいことに学生時代両親は健在で、姉はいましたがお互いの進路には興味がないという状況にあったのでこういった感情はありませんでした。
それでも自分の子供のことを考えると、こういった心境になるのもわかりますね。
でもまあずっと一緒にいるのは100点の答えじゃないでしょう。
魚を釣ってあげるのではなく、魚を釣れるようにして自由にさせるのがよい保護者ですよね。
■『夢』のためだろう
やたらと迫力のあるタツヤくんのセリフです。
ターニングポイントになる発言なんでしょうね。
以前出てきた『自己効力のミスマッチ』の関連なんだと思います。
『ぼくらのチェイサーゲームVol.2 』 の感想で「なんでタツヤを主人公にしたのか」というところが興味があるということを書きました。
私の学生時代から新人の頃ってこの時のタツヤみたいな感じだったんですよね。
こんなさわやかではなく、やることが当たり前、やらない奴は消えればいい、みたいな。
それが他人にとってどう映っていたのか、どのような影響を与えていたのか。
タツヤを見ているとその一端がわかるような気がするのです。
なので「なんでタツヤを主人公にしたのか」がとても気になるのです!
自己投影できる漫画は名作の証!
これからも『チェイサーゲーム』目が離せないですねえ。