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『FGO』奈須きのこと『チェンクロ』松永純が語る、スマホならではの物語の見せ方とは の感想!

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電ファミニコゲーマーに面白いインタビューが載っていたので感想を書いていきます!

FGOのこれからとコンゴという観点で、気になった点を抜き出して胡淵とを書く形式です!

ゲーム制作者の方はいろいろと参考になる部分が多いと思うので、ぜひご一読してから読んでもらえるとよいかと!

残念ながらわたし『チェンクロ』は遊んでおりません!

FGOプレイヤーからの視点のみとなりますがご了承を!

■『チェンクロ』には、RPGに欲しいものが全部詰まっていた

このゲーム(チェンクロ)を日課にしていたら、毎日にメリハリがついた
会社に行くまでの通勤時間でやれるし、帰ったら残りを進めたり、今日はストーリーを3組分進めようだとか。これって、コンシューマにはない「自分の生活に寄り添ってる」ゲームなんですけど、それがRPGでできるとこんなに楽しいものなのかと。

この部分はFGOの設計の根っこにあるように思います。

今のベテランクリエーターって大概はJRPGの洗礼を受けているんですよね。

RPGはこうあってほしい、というような考えがある。

ソシャゲのRPGはそれがうまく表現できない、と思われてた節があるんですよ。

パズドラがコンシューマのRPGの雰囲気をうまくくみ取って成功した。

でも雰囲気だけじゃいやだと思う人が結構いたと思うんですよね。

しかしながらコンシューマだと通常のRPGだと売れなくなったんですよ。

それはスマホのゲームやネトゲに時間を取られたことに影響しているんですよね。

それにあがなうのではなく、コンシューマのRPGの楽しさをスマホで遊ぶことの利点を取り込んで作られたのがFGOだと思います。

■RPGの醍醐味は、大きな物語のなかで戦闘を擬似的に楽しむこと

『FGO』は『Fate』という2000年から積み上げてきた財産があったから、あんなことができたと思うんです

これはその通りだと思います。
でも「だから似たようなIPしかFGOのようにはならい」ではなくて、ないならどうすればそれを覆せるのか?ということを考えるのがクリエイトなんだと思います。

RPGの楽しみって、疑似戦闘でドラマを楽しむこと
『作家が書いた絵図を自分で動かして乗り越える』というのは、ゲームだけの物語体験

この考え方は新卒のプランナーの子たちに特に読んで欲しい内容です。

子供時代にビデオゲームがない期間があった人達には意識している感覚なんですよ。

それがあるからビデオゲームは新しい何かになりえた。

生まれたときからビデオゲームがあった世代は逆に感じることが出来ないんですよね、当たり前のことだから。

プレイヤーとしてはそれでもいいのですが、クリエーターとしては意識として外しちゃダメなところです。

■スマホゲーム運営が取りうる最良の手段は、ゴールまで走り続けること

奈須さんの中で運営方針がしっかりとあるんですね。

当たり前のようにも思いますが、ネットにつながっている系のゲームとしてはそんなに経験がないはずなんですよ。

『ゲットアンプド』の運営さんが講演で「サービス終了の目安は?」という質問に対して「私たちは終わらないゲームにしたいから終了について考えるならどう継続するかということを考える」というような話をされたことを思い出しました。

※10年以上前のことでうろ覚えで申し訳ないですが、大意は変わっていないはず。

運営のあるゲームは生き物ですから、運営がどのようにゲームを扱っているのかというのはユーザーに伝わります。

ハードプレイしているユーザーには何となく終了かなとか伝わりますからね。

売り上げが落ちてきたら収束させたいのはわかりますが、それをすればどんどんユーザーは減ります。

そうなったときにどうするのか?という話だと思うんですよね。

■なぜ、スマホゲームはIP化するのが難しい?

『チェンクロ』も『FGO』も、最大の特徴はストーリーでキャラクターを見せて、「このキャラクターと旅がしたい」と思ってもらうこと

この感覚は素晴らしいと思います。そうですよねー。

2016年から2018年あたりが、『FGO』が最も『なんだかよくわかんないけど、とにかく新しい何か』なころだったと思います。その時期に付き合ってくれたユーザーさんにとって、『FGO』は『一緒に成長していっている、なんか面白いもの』として記憶されたのではないでしょうか。

確かにそうなんですよね。

逆にそれ以降であの時以上のどきどきがないのは問題なんですよ。

今まで見たことのないものには時間を使ってくれますが、それがないと使ってくれなくなって当然ですよね。

■テキストが読まれなくても、キャラクターの奥に用意した深みは感じ取られる

それでもテキストをいちばん重視するというユーザーは、全体の10%程度です。

さっき「ユーザーはテキストを読まない」って言いましたけど、誤解されないように注釈すると、「読めない」んじゃなくて「読まない」んです、きっと。

確かにそうなんですよ。

全部スキップするユーザーが結構います。

何が楽しいのかと思うと思うんですが、たぶん空気感が好きなんですよ。

野球をしらないひとでも球場に行ったら楽しいじゃないですか。

それに通じるものがあると思います。

ガチャからキャラクターが出た瞬間にちょっと挨拶みたいに、3セリフほど喋らせるようにしたんですね。

これ気を付けてなかったな。これからは制作時に気を付けたいと思います。

■ガチャを引くだけで、それは「運命の出会い」になる

お気に入りのキャラクターがいるかいないで、旅の面白さは変わってくると思います。単純なんですけどね。
「初めて引いたSSRのキャラと一緒に冒険する」というだけで、誰が読んでも同じになるはずだった物語が、自分だけの特別なものになる。

確かにそうですよね。私も最初に引いたSSRは特別な感情があります。

「そのユーザーがお気に入りのキャラを引かせよう」と考えがちなのですが、実際はお気に入りになりえるキャラクターを何個も用意してどれかは取れるようにする、という考え方のほうがいいかと思います。

それが出来ているからFGOは売れているのだと思います。

■『Fate』システムはストーリーとキャラクターコンテンツの「いいとこ取り」

作家がひとりでコツコツ話を作っても、自分とチャンネルが合う人間しか楽しめない。でもこの「キャラクターコンテンツ」だったら、チャンネルが違う人間でも全員楽しめる。

キャラクターは大事です。

手前の話とも関連するのですが、キャラクターってある意味空気感を形作る大きな要素なんですよ。

眼鏡かけているからとか、指がきれいだからとか、キャラクター同士の掛け合いが良かったからとか、そんなキャラクターがいることでその世界を好きになることは少なくありません。

そういったもの含めてキャラクターで、コンテンツというものはそういったもので人気が左右されるのです。

もうストーリーではなくキャラクターだよねというのも、その通りだと思うんですよ。

前述のとおりストーリーはそもそも読まない人が多いですからね。

テキストで表現されない関係性的なところがキャラクターの魅力として表現されないとこれからのコンテンツはつらいと思います

「奈須きのこに唯一いいところがあるとしたら、それは文才じゃなくて『Fate』システムを作ったこと」

確かにこのシステム良いんですよね。

一見ソシャゲによくあるシステムに見えるのですが、7ジョブ(開始当初)で強弱関係を付けるのは大変なんですよ。

初期ユーザーがついてこれなくなっちゃうから。

ちゃんとキャラクターと紐づいて存在しているからいいんですよね。

■『鬼滅の刃』は「テーマコンテンツ」

鬼滅の刃についても語られていてこれも随分と参考になりました!

あれはどう見てもテーマコンテンツですよ。
どこを見ても嫌悪感が湧かないのは、『人を貶めようとする悪意』が作品内にないから
最大の悪である無惨ですら、「他人が幸せだから汚したい」なんて思考は一切ない。単純に「生きたい」だけの害悪として描かれている。

鬼滅の刃が何ではやったのかという考察があちこちでされていますが、これが答えかもしれませんね。

ネット上とかでよく見る、他人の足を引っ張ることに楽しみを覚える人たち。

それこそが今の人類の一番大きな敵のような気がします。

隠れて楽しんでいる人が引きずり出されて断罪される日も近いのでしょうね。

死ぬから刺激的でしょ、死んだから泣けるでしょ、ではなくて「一生懸命生きたね」

この切り取り方も見事ですね。

シナリオを依頼するときに「死んだから泣けるでしょという話を書いて」と「一生懸命生きたねという話を書いてね」というのでは全然違います。

テーマが同じであれば全違う内容の話であっても、鬼滅の刃で受け入れられて用を祖持つお話が作れるかもしれません。

『鬼滅の刃』の呼吸法って、「漫画的なウソ」じゃないですか。みんな、呼吸を鍛錬したってあんなことはできないと分かっているけど、あの世界の絶対条件として受け入れていますよね。
でも一方で、『鬼滅の刃』ではリアリティーラインが初めから徹底されている。例えば人間は腕を切られれば出血死する。例えば鬼は不死身だけど首を斬れば死ぬ。例えば柱と新米と上弦がいたら、まず一番弱いやつが死ぬ。
その絶対条件が初めから徹底しているからこそ、作中にどんな呼吸法や強そうな描写があっても、みんな最終決戦をドキドキして観ることができた。
「戦いになれば死人はでる。そして、若いやつ、弱いやつから死んでいく」という流れ。その空気は読者にも伝わっているので、無限城編はあんなに、毎週「やめてやめて」と目を覆いたくなるような展開になっていましたよね。

この考察も見事ですよねえ。

腑に落ちました。言語化するというのはこういうことを言うのです。

鬼滅の刃のような要素を持った作品を作りたいというのであれば、ここに書いてあることは全部参考にしないといけない内容だと思います。

■まとめ

繰り返しになりますが私はFGOプレイヤーなので、主にその目線で感想を書いてみました。

あとは追々自分が作るゲームの参考にしたい内容がたくさんあったからですね。

ちょっと残念だったのは奈須さんからFGOを2016年から2018年あたりの状況に戻そうという話が出なかったことです。

運営しているのであれば嘘だとしてもそういったものを考えている、と言わないといけないのではないでしょうか?

自分の子供が野球選手でピークが終わっていたとしても、もう後は衰退していくだけだよねという対応は取らないですよね?

何かが終わっても別の何かで輝くことがあるはずで、コンテンツにおいてはそれをあきらめない人のことろに訪れます。

それこそが「ゴールまで走り続けること」だと思うんですけどね!

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