東京ゲームショウに行ってきました!
ショウ全体の感想もあるのですが、本日は一番注目していた『DEATH STRANDING』の感想をレポートします!
PVなどの映像を見て最初の感想は、佐々木さん健在だな、というところです。
「METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAINで世界の頂点を狙う!」小島プロダクションが求めるクリエイター像とは | インタビュー | CGWORLD.jpメタルギアシリーズから3Dモデリングは佐々木さん担当なのですが、ちゃんとリアルなんだけどゲームっぽいすっきりしたデザインはさすがだと思います。
これがあるから海外の方も、日本の方も受け入れやすいんだと思います。
UIもかっこいいですね。この辺りがきれいに作られているとハイエンドっていう感じがしますね。
『DEATH STRANDING』全体に関して言えば、おそらく下記の3点がゲーム制作上のコンセプトになっているかと思います。
・リアリティ
・つながり
・冒険性
では1個ずつレポートしていこうと思います。
■リアリティについて
リアリティというところは一番力が入っていると思いますね。
欧米のユーザーに受け入れられるために一番気にしないといけないことがこのリアリティだといわれています。
海外で受け入れたられるためには、なんでそうなっとんねんというところがあるとダメ。
日本人が好きな細い美形のキャラクターがすごい技を使うとか受け入れてもらえないんですよね。
すごい技を使うのであればマッチョ、マッチョだから強い、というのがリアリティになるんです。
荷物を持つと見た目も変わるというところなんか、まさにリアリティを追及していますね。
FPSでいろんな武器を手に入れるのはいいけど、どこに持っているの?というのはリアルでないし没入感を失う要素だったりします。それがちゃんと視覚的に変更されて、さらにゲーム性にも影響を与えるのはさすがのゲームデザインと言わざるを得ませんね。
梯子で登る、というのもリアリティがある要素。オープンワールドでは自由に移動することがだいご味なんですが、その移動方法にリアリティがないと楽しみが半減してしまいます。ところどころブレスオブザワイルドの影響というか、アンチテーゼ的なところが感じられるのですが、『ブレス オブ ザ ワイルド』のようにがけをよじ登るのは面白いですがリアルではないですね。
サクサク上らせたいのであれば梯子のほうが正解ですよね。
■つながりについて
つながりの必要性に関しては特に語ることもないかと思います。
個人的に小島監督は、『DEATH STRANDING』で動画実況を見るだけの人たちに対応しようとしているのではないかと思っています。
ゲームの各所に動画で見て終了、ではない自分も参加しないとつまらない価値を出そうとしている気がします。
ゲーム上の通信経路をつなぐと他のプレイヤーのプレイの痕跡が見えるという仕様があるのですが、これとてもいいですね。
自分だけがやっているわけではない、と感じさせるのはとても大事なんです。
重ねて言いますが流行っているというのは、とてもコンテンツとしては重要なんです。
野球だってサッカーだって世界大会がなければ読まらなくなりません?オリンピックから外れた競技はすたれてしまうんです。
流行っているという感じを出すのはソーシャルゲームのほうが有利なんですが、それに対してうまく対抗できていますね。
敵と戦っているときに他のユーザーが助けてくれる要素もいいですね。
「一人で戦っているけど一人じゃない、それがストランディング!」と小島監督が言っていましたが、実際これはプレイ時にとても面白く感じると思います。
最近ブログをやるにあたってtwitterを始めたんですが、楽しいですね。
とくに「いいね」や「リツイート」してもらえるのがいいですね。
これがもらえると脳内麻薬がすごく出るそうなんですが、よくわかります。
小島監督は結構twitterをやってますが、そういった活動が活かされていますね
あと『Metal Gear Solid V』でやりたかったことを回収している気がします。
『Metal Gear Solid V』では自身がプレイしているプラットフォーム のサーバー上で、すべての核兵器が廃棄され、総核兵器数がゼロになると発生するエンディングがあります。
バグで出たことがあるみたいですが、通常あり得ない状態なんですよ。
そういったものを目指して、成し遂げた時のカタルシスは確かにすごいものがあるでしょう。
それを見届けられなかったことに関して、やり直したい思いもあるのではないでしょうか。
また裏テーマとして孤立が大丈夫なのかという問いかけがあるかと思います。
各人の自由だと大きなコンテンツは作れない。協力してより良い未来を望むものと、それより個人の自由が大切だというものがいるが前者を望むものが少なくなりすぎていないか?それは破滅を招かないか?
というメッセージを伝えたいのではと考えています。
■冒険性
以前某ビッグタイトルに、ニューヨークからロサンゼルスまで全部マップとして作っているといううわさが流れたことがありました。もう結構前ですし、実際はそんなことなかったのですがそんなもの作られたら絶対かなわない、と思った記憶があります。
『DEATH STRANDING』でやりたいことはそれなんじゃないんですかね、アメリカ大陸を全部作る。
まあ実際にはそこまでできていないとおもいますが、それを感じさせるよなスケールになっているのではないかと思っています。
そういうマップが実装されて何がすごいって、冒険したいっていう気になるところですよね。
誰も行ったことがないところに行く、って本当に面白いと思うんですよ。
ゲームがはやり始めた頃って、そういう体験がそのうち実現されるんだってみんな思っていたかと。
『DEATH STRANDING』は最初に荷物の整理をして、どれを持っていくか考えて決めるのですが、これは冒険している感じが出ますよね。これを持っていったらいいのではないか、でも全部持っていくと重くなるしって考えている最中はプレイしている時間と変わらないですよ。
良い形で滞在時間が増えるのは、ゲームにとってとてもプラスだと思います。
またマップシステムが秀逸ですよね。
小島監督はメタルギアソリッド3まで固定カメラで作成していました。
これには理由があって、3Dだと迷う人がいるからなんですね。
迷うことがゲーム性になっていればいいのですが、ストレスになる人も多い。
メタルは基本北に向かって進めば良い作りになっていたので迷わないんですよ。
『DEATH STRANDING』でもこの「行きたいところに行くのに迷わせない」というコンセプトは継続しています。
基地を出るとき暗いところから明るいところに出るのもいいですね、心理的開放がある。
谷を梯子で渡るとかでドキドキするのが良い。
緊張と緩和のサイクルが非常に良い。
敵がひっきりなしに出るわけではないので移動が多い、それが作業にならないようにしている。それういうのが冒険なんですよね。
個人的にブレス『ブレス オブ ザ ワイルド』の影響がでかいのかなと思います。
あれが出たときはたぶん驚愕したと思うんですよ。それを超えないとだめなんじゃないかと対策を練ってきてると思うんですよね。
マップのリアルさ、遊ばせ方にそれが垣間見えるような気がします(あくまで個人の感想です)
『ブレス オブ ザ ワイルド』はゲームとしては面白いけど、ファンタジー要素が強くて欧米人が喜ぶものではない。
これが世界から求められるものだ、と言っている気がするのです。
■懸念点
いろいろなところが『Metal Gear Solid』のままなんですよね。
通信が特にその影響が強いと思います。
にもかかわらず本物の武器で戦うというところをやめてしまっているんですよね。
戦争ゲームだったんだけど、リスクが大きいと見たか単純にゲーム性に合わないからなのか。
メタルギアを求めている人にもメタルギアじゃないものを求めている人にも、少しずれている可能性があります。
あとマップがどれくらいの広さがあるかも懸念点です。
オープンワールドのマップは広く作れないんですよ。チェックが大変だから。
広いように見せるだけ。
あれだけきれいなマップであるということは量産ができないということ。
自動生成マップとかで対応していた場合、こっちはチェックが甘くなるので花という部分が気になります。
中ボス的なものの紹介がない。プレイヤブルもないところで進捗が気になります。
2015年からスタジオを立ち上げたわけですが、今のハイエンドのゲームに4年は短すぎるかと思います。
■最後に
いろいろなことを好きかって言いましたが、間違いなく発売日に購入するでしょうね。
これからは大作を作るなら大手デベロッパーではなくゲームスタジオが必要である。『DEATH STRANDING』はそれを示す転換期になるのではないでしょうか。
コナミからの離脱騒動には思うところがあったりするのですが、結果こういう優れたゲームが出てくるのであれば正解だったもかもしれません。
発売日をワクテカして待っていようと思います。