CGWORLD 2020年9月号まとめ

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CGWORLD 2020年9月号の読後レポートです!

■第1特集:どこまで使える? Blender

6月初旬に長期安定版となる2.83LTSがリリースされたBlender。その進化はとどまるところを知らず、CG初心者や学生だけでなく、プロの現場にも試験的に導入される例が増えてきている。本特集では、本誌お馴染みのトップアーティストやプロダクションでの活用事例を通じて、そのポテンシャルを改めて探る。

9月号の第一特集はBlender。ゲーム開発の現場では使っているのを見たことはないのですが、最近のwebでの取り上げられ方を見るに使っていることろは少なくなさそうな印象です!

・COVER MAKING:適当&簡単でも大丈夫! コンセプトアーティストのユニークなBlender活用 by 富安健一郎(INEI)

表紙の風景をBlenderで作成されたとのことで、その作成工程を紹介。
昔からやっていることはあまり変わらないと思うのであるが、トライアンドエラーにかける時間が格段に短くなっているように思う。それを前提に作業効率をアップしていくということを考えて効率化しているように思う。
基本3Dグラフィックスであっても書き込みのほうがいい場所はPhontoshopで作成。
解像度を高く保ったまま制作作業ができるのであれば、この辺りはやりやすい方法で行えばよいのであろう。
フル3Dで作成する場合は、他のアングルになったときでも対応できるが質感的なものを調整したいのであれば2Dで描き込んでいったほうがきれいにまとまるかと思います。
個人的に日本人はこの表紙のような3Dと2Dの間のようなグラフィックスを作っていくところに特化していくとよいのではないかと思います。

・PRODUCTION CASE 01:ほぼBlenderのみでつくり上げた360度CGアニメーション

『はれるんウェザーアドベンチャー』プロジェクトでの進行を踏まえて解説。
36度体感シアターが売りということで、ビジュアル的に特出するものは感じられなかった。
しかしながらBLENDERの使用は初とのことで、新しいツールを使用してプロジェクトの進め方という点では参考になったところがたくさんあった。
出来るだけリスクを回避し、別のツールを使用することになってもそれで分かりやすくできるのであればその対応を行う。一見当たり前のようにも思えるが、ライセンス管理や手間などを考えると煩わしいもの。それが対応できているということはプロジェクトの進め方そのものも適切に行われているのでしょう。
上映会場が特殊、キャラクターはすでにイメージが固まっているもの、というのも何も考えずに作業を進めると破綻しやすいところ。やはりこういう作業はちゃんとした経験知がないと難しいだろうなと思いました。

・ADVANCED TIPS 01:アドオンや他ツールとの組み合わせでつくるリアルな動物たち

最初に書いてくれているBlenderで作業を行う上でのメリットが非常にためになる。
やはりツールを導入するための敷居(金額など)が低いのはよい。
Unityとは若干事情が異なるが、どんどん独自で改良されていくという部分を見ると、今後はMayaより伸びていくかもしれない。

紹介作品はフォトリアリスティックな生物たち。
ちゃんそれぞれの生物を見ているからリアルに落とし込めるのであろう。
デザインの基本は「見ること」といわれるが、これを見るとよくわかる。
実際のデザイン対象を見て、この部分はこのツールのこの機能を使うと表現できる、というのが頭の中で出来あっているのだろう。
素材の良さ、自分の表現力の良いところも把握している。こういう方の作品は観ていて楽しい。

・PRODUCTION CASE 02:アジャイル×リモートワークの制作フローをBlenderが後押し 

『泣きたい私は猫をかぶる』VR MUSIC VIDEO ~SONG BY ヨルシカ『花に亡霊』、パンケーキ株式会社の開発事例。
こちらもUnityとBlenderを使用している。
プロジェクトの進め方もアジャイル×リモートワークということで旧来の制作とは違ったもの。
もっとアニメ業界は作品制作をプロジェクトとして考えたほうが良い、と書いたことがあったがこちらは十分以上にそれを満たしている。アニメ?といっていいのかわからないが、映像作品はツールにこだわらなくなってきたなという印象。
ゲーム業界もうかうかしているとおいていかれる、ヤバイ!
コンテンツに時間を使ってれる人の時間の奪い合いをするわけなので、すべてのコンテンツが同列。
見栄えが良いものをガンガンに作っていって、それが短期間にリリースされていくのであればゲームはなかなかそれに勝てない。
絵が上手、というものを超えてこの表現はこのツールで的確に表現できる、という所のほうが重要になってきそう。

・ADVANCED TIPS 02:社内でのオリジナル作品制作から見えてきたBlender活用のコツ

これまで3d stadioMaxで作成していたフローをBlenderに置き換えていくという挑戦を本号で紹介されている「DEEP HUNTER」で行っているとのこと。
こういう取り組みは素晴らしいし、ノウハウを紹介してもらえるのは非常に助かる。
オブジェクトの管理方法、モデルやカメラのMayaからのインポートなど、実作業で気になるようなことがしっかり紹介されています

■第2特集:ワンランク上の建築ビジュアライゼーション

・Manners in the “PBR”:PBRにおけるマテリアルとシェーディングの基礎知識

フォトリアリスティックな建築のCGを取り上げる際に、最初にPBR(Physically-Based Rendering)を取り上げている。
昔のCGWORLDはこういった技術に対する説明に紙面を多く割いていてくれた雑誌であった。
今ではネットの普及があるのでなかなかこういった説明に紙面を使うことは難しいと思う。
けれども今回の説明はわかりやすく、他の人にも是非お勧めの解説であったと思う。

https://entry.cgworld.jp/terms/%E7%89%A9%E7%90%86%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0.html

・Technique:”感情を動かす”フォトリアルを導き出すLITdesign

カメラアングル…ゲームでいうとレイアウトの部分。かっこよさと説明をつかさどるところ。被写界深度もゲームに活用できるようになってきているのでそれも踏まえた開設はためになります。

ライティング…照明の種類もさることながら内部だけでなく外光のことも考えること、というのは非常にためになる。

床・壁・天井…ゲームでいえばどういった絵作りにしたいのか?ということで壁や床の素材を決めることになりそう。計算通りになれば素材のパラメーターを正しく言えれるだけで狙った絵になるはず。最近でそのあたりがうまかったのは「どうぶつの森」でしたよねえ。

ディテール表現…鏡や照明器具に関して気を付けることが記載されている。大切なのはそれぞれを暗記するのではなく、それぞれの物体がどのように構成されていて、どのように見えるとよいのかという部分を考えること。それを考えるためのコツをつかむにはこのような記事を読むしかないと思います。

いやこの特集はゲームと関係ないかなと思っていたのですが、ものすごくためになった。というか他人に説明するのに使うのに最適ですね。最近読んだ特集の中で一番秀逸だと感じました。

■特別企画&連載記事

・HOT STUFF:TVアニメシリーズ『おばけずかん』

効率よく映像作品を作るには?ということで考えると参考になる記事。
ゲームで「ムービー入れたい」→「予算がない」ということが起こりがちなのですが、こういった表現でもよいかと。
何も考えずにつくるとちゃちいものになるので注意しないとですが

・TVアニメ『炎炎ノ消防隊 弐ノ章』ED

アニメのエンディングをUE4を使って作っているのか。
ゲーム制作だからAfterEffect使えません、みたいなこと言ってたらおいていかれそうだな。
目を見張るような映像ではないもののセンスがいいので十分視聴に耐えうる。
回数を重ねるうちにゲームでフル活用しているところに近づいてくるような気がする。

・豚×京都 ~UE4でなろう破壊神~

こちらは逆にゲーム業界の人がCG表現の方で評価されている内容。
先を進んでいる人たちがたくさんいて焦るばかり。
破壊シーンの作り方、という所で非常に参考になる。
ひと手間をかけるところも素晴らしい。絵作りをするときにちょっと足りないな、と思うことも大事だし何を足せばいいのかわかっていることも大事。

・アニメCGの現場

モデルとして秀逸というわけではないけれども完成系は見栄えが良い。
完成系の映像を理解して作成してればこのようにできるのか。
今時点で技術的に稚拙だといっても、デザインセンスが素晴らしい人はどんどん改善されていくのでやはり大事なのはデザインセンスの方ですね。
構図がいいだけで見た目が一気によくなりますね。ゲームはそのあたりが苦手な人が多いのでカメラアングルもちゃんと勉強しないとなと思いました。

・VFXアナトミー

「Fly with me」のMV制作の記事
うーん、かっこいいかなあ?
技術的には素晴らしいと思うけど、もろもろありきたりで退屈。
かっこいいと思えないものは頭に入ってこないねえ。

・Phenomenal Things

モデリングは秀逸。
でも色合いがどうかなあ。せっかくの良いモデルが全然生きていないような。
表現したいものとしては正しいのかもしれないけれども見栄えが場割ることは確か。
すべてのCGが鮮やかな色彩である必要はないけれども、もう少し目を引く要素がないと見過ごされてしまうかと。

・画龍点睛

航空写真的なものから作る工程としては参考になった。
でもこれ見栄えがどうもなあ。
なんかセンスの悪い邦画のCGシーンを見せられているみたい。
リアルであっても見栄えが良いという要素が足りないのであればあんまり価値がないですよね。
見せたいところがどこだったのかが全然わからない。そこを描き込むだけでも随分変わったかと思う。

・アニメーションスタイル

オリンピック競技編④ということでやり投げのアニメーション解説。
頭の位置の上下であったり、腰の位置の上下というのはかなり印象が変わるので参考にしたほうがいいかと。
後指先も作りこまれていると一気にクオリティが上がるポイント。
この動作をコンテンツとして表現するためには、このような動作を実現する必要がある。そのためにはこのようなモデル、ボーンが必要、という所まで考えて作らないといけないですね。
運動曲線関してプログラムは便利なんですよ。こんな感じで動かすと見栄えが良いのでは?と考えていろいろいじっているうちに良いものができることが多い。絵を描くよりも早くトライアンドエラーができるので。
映像の方でもそういった試行錯誤がやりやすくなってきているように思います。

・ACADEMIC meets INDUSTRY

CEDEC2020でスクウェア・エニックスと講演をしているとのこと。
https://cedec.cesa.or.jp/2020/session/detail/s5e81c8d40191c

こちらのセッションですね。残念ながら私は未受講です。うーん紹介記事などが見つけられない。
確かにゲームに利用できそうな研究を行っているようです。
常日頃から学術の方にも目を向けていたほうがいいですよね。大学で研究しているような人が採用できるとその表現を一つの売りとしてゲームを作ることが出来ますし。

今回は映像業界でゲーム業界的な工夫をしている、またその逆、といった記事が目立ちました。
自分の業界がどういう所であれ、あのツールが使えないこのこの表現については知識がない、ということを言っているとあっという間において枯れる状況になっていますね。

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