定期的に創刊される「ぼくらのチェイサーゲーム」、早くもVol.3ですか。
本ブログでも取り上げさせていただいている『チェイサーゲーム』の副読本ですね。
毎回、漫画を出版するということにおいても、チェイサーゲームの裏側に関してもより深く知ることのできる内容となっています!
それではさっそく内容の紹介&感想です!
■わたしはカナン
本編で登場するカナンちゃんの子供の時代のお話!
詳しくは内容を見てほしいのですが、良く動いていますねー。
松島先生はアクション得意なんですねー。
チェイサーゲーム本編だと喧嘩のシーンは出てきたのですが、こういうアクションも行けるとは!
子供のころのカナンちゃんはかわいかったですからねー。
松島先生描き足りなかったのですかね。
話の詳細はあえてぼかしておきますので、ぜひご一読を!
このまま連載の第一話だといってもいい出来かと!
実はネームも好きで毎回載せてくれているのでうれしいです!
どこをどう見せるかという参考になりますので、こちらも是非!
■チェイサーはチェイサーに出会うの縁
いやあ、爆笑しました。
内容としては松山社長がうかつなことをやって、ミヨシさんがひどい目に合う話です。
他人がひどい目に合う話は本当に面白いですよね!
ゲームに限らず創作をやっている人というのはギリギリを攻めることが多いので。
まあこういう厄介ごとに巻き込まれることはあります。
特にまだネットが黎明期のころはこの手の話は多かったのですよ。
私はネットゲーム系の部署にいたのでそのころのことを思い出しました。
これもネタバレはやめておきますので、ぜひご確認をー
■黒田のチェイサーゲーム
チェイサーゲームのキャラクター黒田君が「絵描き合宿」に参加するという半分フィクションな内容。
「絵描き合宿」は「ぼくらのチェイサーゲーム」を製作するための合宿です!
今回の合宿の内容や、雰囲気を黒田君の目線でレポートしてくれています。
割とザクザクとテンポよく描かれていますけど、わかりやすくて面白いですね。
こういう方に説明書やUIを頼むとすごくいいものを上げてくれるんですよね。
次回はぜひ池脇さん編を読みたいなー
■僕のチェイサーゲーム筆を折った話
ナンバーナインの「くに」さんのお話。
くにさんがどのようにしてデザイナーになったかということが描かれています。
学生時の話というだけでなく、物を作るというのはどういうことか。
物を作ることを仕事にするということはどういうことかということが描かれていますね。
これからデザイナーとして就職したい、と考えている人は一度読まれるといいのではないですかねー。
私はあまり他人に褒められるような特技がない人で、たまたまゲーム作ったらうまくいった人間なのでくにさんの苦悩はあまり実感がないです。
大人になる前に評価されるというのはそれはそれで大変なのでしょうね。
それでも周りの期待にこたえたい、という気持ちがあるというのはクリエイティブの現場においては素晴らしい特性を持っているということなのではないでしょうか!
だからこそ辛かったりするのですが、だからこそ喜びもあったりすると思うのですよ!
■チェイサーゲームZERO#3 黎明編
松山社長の若かりし頃のお話。
かなり踏み込んだ内容ですね!
サイバーコネクト2さんに関してはあちこちでお話を伺うのですが(リアルな人からとかネットや雑誌の記事など)、サイバーコネクトさん時代の話はあんまりなのです。
なので非常に興味深いですね。
松山さんの開発初期の苦悩はよくわかります。
私は少し下の年代なのですが、当時の状況は何となくわかりますね。
3Dでゲームを作るということの初期で対応できないプログラマーやデザイナーさんもたくさんいましたので、当時の松山さんの苦悩はレベルの高いところの苦悩のように思います。
それでもできることが限られていたからこそ、ポリゴン数を削っても荒く見えない、テクスチャーの描き方次第でクオリティにかなりの差が出る、という状況でした。
この時代は技術うんぬんよりも、いかに時間をかけて気を配って作るかが肝でしたね。
いまではあんまり実感がないでしょうが、日本の開発が世界一だといわれていたころです。
仕事時間が膨大になっているところには眉をしかめる人がいるかもしれません。
でも足りないのであればやるしかないんですよ。
いくら効率よくやっても、効率よく長時間やっている人には離されていく一方です。
そういう状況を「辛い」と思うのであれば辞めておいた方がいいですし、「楽しい」と思える人が才能がある人なんだと思います。
あと社長が逃げた、という所は苦笑ですね。
業界では割とよく聞くことだったりします。
当事者の人たちはとても笑えないと思いますが。
いくら頑張っても売れないときは売れないですから。そうなると莫大な借金が肩にのしかかります。
逃げてしまってもしょうがないかなあ、と思ったりしますね。
まあ何はともあれ、これは次回が非常に気になる引きで終わりましたね。
■最後に
エラそうな描き方で恐縮なのですが、Vol.3はエンターテインメント性が上がっていますねー。
前の2巻はチェイサーゲームの裏側がわかるという部分が面白かったのですが、Vol.3は単純に読み物として面白い!
ゲームは1本完成させるのに時間が掛かるのが難点です。
完成させると大きく能力が上がるのですよ。
こういう本を製作されることで、1冊1冊を上げるところで同じような経験を得ているのではないでしょうか。
巻き込まれている人は大変だと思いますが、結果かなりの力がついているのでは?
私も何冊か本を作るのに携わらせてもらったことがあります。
※攻略本だったり、親分クリエーターの本の作成であったり
やはりその時は大変だったのですが、そこで得た経験は本当に役に立ちます!
ゲーム開発とは別の角度からクリエイティブというものを見ることにもなりますので。
この作品にかかわっている方はよい経験されていてうらやましいなー、と思っている制作者がここに一人いるということを書いて今回の感想を締めたいと思います!