職場の問題地図を読みました。
こちらの記事に影響されたからですね。 ここに書いてある本は順に読んで行きたいかなと思っています。
POがいま押さえておきたい マネジメントのトレンド
PO祭り 2019 Autumnで発表させていただきました「POがいま押さえておきたい マネジメントのトレンド」のスライドになります。 参考になれば幸いです。
この本は割と話題になっていて実際に会社でも紹介された記憶があります。
確かに考え方を勉強するということでは良い本なんですが、ゲーム開発の現場で考えるとあんまり問題を解決できないんじゃないのかなあと思います。
ゲーム開発の現場だと、ここに書いてあるような普遍的なことでうまくいってないってことあまりなくて、ゲーム開発力そのものに問題があったり、特定の誰かが嫌いとかいう人間関係でうまくいってないことの方が多いと思います。
そういった開発に関する本質的にうまくいってない原因は、この本の内容では解決できないかなあと思います。
なので順番としてはこういった対応するよりも先に、ちゃんとゲームを作る能力上げることの方が先だと思います。
この本に書いてあるようなことができていたからといって、ゲームを作る力がある人でこの本に書いてあるようなことができない人を下に見るようなことがあるとしたらかなりの本末転倒です。
まあそれでも考え方という部分では 参考になるところは多いので、 レポートしていきたいかなと思っています。
■第1章 手戻りが多い
私のブログの他の記事でも書いているのですが、手戻りが起きるのはこまめにチェックしないからですよね。最初の指示出しを頑張ってやりすぎると指示を出す量が足りなくなったりしますし、早めに出して早めにチェックするというルーティンを作って行った方がいいかなと思います。
でここで問題になるのが、各担当で仕事ができる人は意外にそう言った早く指示出しをして細かくチェックをして進めていこうとやり方を嫌う傾向があるということです。
プログラムしかやってない人から「もっとちゃんとした指示を出してよ、そっちの方が効率がいいだろう」 という意見が出るのは分かります。
ただディレクター目線で一度考えてみると、全部の支持をちゃんと出すことが時間的に難しいので次善の策として簡単な指示出して進めていくほうがいいということがわかります。
仕事ができる人の意見だからみんなは割と細かい指示を出していく方の意見に流れていくんですが、ディレクターとして困るところは割とこういうところだったりします。
■第2章上司部下の意識がずれている
まあズレるもんですよね。 私が後輩なんかにアドバイスする時には、ちゃんと伝えることよりも相手が安心できるようにしましょうという話をします。
みんな事実を伝えようとしすぎるんです。問題が起きそうなところをあらかじめ説明するというのは気持ちとしては分かるのですが、上司であったりお客さんであったりというところがその部分の知識に明るくなかったとしたら無駄な報告になります。
大事なのは「危険なことを理解していますよ」ということと「それに対しての対処はちゃんとしていますよ」ということを説明することだと思います。
それをやるだけでも全然変わると思いますよ。
■3章 報連相ができていない
個人的には報連相させている時点でダメだと思います。リーダーが自分から聞きに行けばいいんじゃないのかなあと思いますね。マメに聞くことです。マメに聞いていないから問題が大きくなってから発覚するんです。
どうしても溜め込んじゃう人はいますから、そういった人に対しての対策を考えるのはあまり建設的ではないですね。であれば聞いちゃう。物事が大きくなっていない時であれば報告だって割と気軽にできるのです。
■第4章 無駄な会議が多い
個人的に会議が無駄なと思うことってあんまりないんですよね。
特定の会議に出た後に「レベルが低い」みたいなことを言い出す人がたまにいるのですが、本人の能力の問題で必要な発見ができてないんだけなんじゃないんでしょうか。
私の場合はグダグダな会議であっても、組織の抱えている問題や個人がどういった感情を持ってるかということが理解できることが多いので 無駄だったなということはあんまりないです。
個人的には私が必要だと思ってる会議は2種類しかないです。 私の情報を伝達する会議と、私に情報伝達してもらう会議の2種類です。
なんかどこかのホストの人のセリフみたいになってしまいましたが、ディレクターであったりプロジェクトマネージャーであったりという人には、それが重要でそれ以外は重要じゃないです。
なので言いたいことと聞きたいことをまとめておくことが重要で、それをちゃんと会議で消化する。
それができていたら無駄な会議なんてないと思うのですが。
■第5章仕事の所要時間を見積もれない
所要時間を見積もれないというところが問題になるより、いつになったらそれが見積もれるのかのかという話ができないところの方が問題になることが多いと思います。
この本の内容で書いてあることよりも、実際にどういった手順でその作業を進めたらいいのかということがその人の中ではっきりしていないのではないでしょうか。そういう技術を伸ばしたいと思ったら常日頃から、どう作ればいいのかっていうのを考えてないといけないですね。
ゲーム制作であればそこが一番の本質なので、それが出来ていないのであればその技術を磨くしか解決方法はないです。
■第6章 属人化
仕事ができる人の作業を仕事ができない人に割り当て直す時の問題点は、どちらかと言うと感情論になることの方が多いんです。特に本人同士よりも傍から、仕事ができない人に対しての文句と相まって茶々が入ることの方が多いです。
そういったことの方の解決方法を示したらいいのになあと思いますね。
仕事がうまくいくかいかないかということはものすごく細かいところにかかってることが多いと思います。 100仕事ができる人は100与えていると満足なんですか101与えるとすごく負担になるんです。であればその余分な1を仕事ができない人に割り当てることができるかどうかが肝になります。
で1しか与えてないと、他の人があの人は1しか割り当てられてなくておかしい、みたいな話をしだすわけです。
属人化で解決しないといけないのは、そういった意見をちゃんと抑制していくことだと思います。
■第7章過剰サービス
まあどこまでやるかということを決めるということは重要ですよね。
そもそもそこに意識が向いていない人がいますからそういった意味ではこの章は良い提案であると思います。
■第8章何をどこまでやればいいかが曖昧
これも 第7章と同じですよね。 あとは決めるだけではなくて伝える方法であったりっていうのも重要かと思います。 2章でも書いたのですがまずは安心してもらうことそこが重要ですね。
■第9章仕事をしない人がいる
これ本当に問題だと思うんですよ。仕事をしない人がいるのが問題なのではなくて、仕事をしない人がいるって言うことが気に入らないと人がいるということが問題です。
6章の話の続きだと思ってください。
作業を効率化していったら仕事をしていない人が一時的に出るのは当たり前じゃないですか。採用なんていうのはある程度重複を見越して取るのでやはりその点でも、 一時的に作業がない人が出るのは当たり前なんです。
なんか実際の仕事とミスマッチした能力しか持っていない人も同じです。10年単位でみれば仕事内容が変わっていかないことの方が珍しいわけですから、その時点で能力がフィットしていない人なんていて当たり前なんです。
そういう人は手が空いてても妥当だと思うのですが。そういう人がいるとどうしても許せない人がいるわけです。
手が空いている人がいる状況を解決しようと思うと、採用レベルでの調整が必要となります。そんな改善なんてそれこそ効率が悪いですよ。
仕事をしていない人に対して文句を言ってる人は本当に会社にとって、迷惑をかけているという認識を持った方がいいです。
できない人に一人前の作業をやってもらうためにできる人の手がかかるのであれば、それが一番効率の悪さを生んでいるんです!
ということで仕事をしない人がいる、のであればそれを気にしないようにする、ということのほうが重要です。
■第10章誰が何をやってるのかわからない
これも問題なんですよね。誰が何をやっててもいいじゃないですか。リーダーが分かっていないのは問題ですが。で、気になる人がいたら、その気になる人が聞きに行けばいいんです。それだけの話ですよね。それを問題だと言い出す人がいることが問題です。
情報の共有なんて1回を手順を作れば、それ以上の手間なんて発生しないじゃないですか。各人の「お気持ち」までどうにかしようと思うからおかしなことになるんです。
何度も言うようですが、自分が必要な情報は必要とする人が聞きに行けばいいのです。
■第11章 実態が上司や経営層に伝わっていない
これもしょうがないと思いますね。 経営に近いところやっていたこともありますが、 経営的なところは多様なことを考えないといけません。 各開発を気にするところなどはミクロな話になりますから。
偉い人なんて言うのは大体問題は分かっているんですよ伝わっていないのではなくて。それでもそういう判断をしてるというだけのことです。わかってても現場の意向と違うことをやっている、それがバレると色々問題なので分かっていないようなふりをしてることの方が多いと思います。
経営層に自分たちの意向を伝えてそれを事業に反映させたいのであれば、タイミングが必要ですよね。 事業計画を立てる段にしっかりとそれを組み込んでもらうことが重要です。それがどこなのかいつなのかということを気にしていないと、なかなか実現は難しいですよね。
とまあレビューとしては以上です!
なんかいろいろと文句をつけている内容になってしまいましたが、総論としてはいい内容が多い本だと思います。
この本に書いてある内容を意識するということでスタート地点には立てる、そういう本だと思います。
実際はそこからもっと踏み込んで実際に解決していく経験を得ないと、職場の問題の解決は難しいでしょうね。
この本だけを読んでどや顔していると若干恥ずかしいので、それは気を付けないといけない。
実際の問題は解決しないといけないというよりは、気にすること自体をやめた方がいいことが多いです。
またこの本の内容はあくまで理論なので、実践を経た人のやり方を理論だけの人が否定することがないように。
そういった行動が一番の職場の問題なのですから。
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