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【売れるゲームとは……。 ゲーム業界お仕事マンガ】『チェイサーゲーム』第23話 ファントムクラッシュ(3)感想

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徐々に話が動き始めましたね。

私もゲームの専門学校の学生だった時期があるので、自分だったらああする、こうするって考えながら読んでいます。

今回はタツヤたちが松山社長に自分たちの作ったゲームのプレゼンをするところからスタート!

■プレゼン

まずプレゼンをお願いするというところがいいですよね。

学生さんというのは自意識が肥大しがちです。

否定される、低い評価されるということを避けたがる傾向があるでしょう。

でもプロの人が来ているのであれば積極的に意見を聞いてみる方がいいです。

一口にプロといっても意見は人それぞれで、どれも参考になる意見が多いはずです。

■プレゼンの仕方について

まあ悪くはないんじゃないのー、というところなんですが一つ大きな問題が。

正直高校生のころに作ったゲームを持ってこられてもなー、って思います。

作中は何月の設定なのかはわからないですが、今まさに作っているものとかを持ってきてくれればより良いアドバイスができるのにと思います。

コンテストに出すような完成度でアドバイスもらわなくてもいいんですよ。

アドバイスをもらうのであれば未完成のものでもいいので、最新のものの方がいいですよ。

じゃないと何をアドバイスるべきなのか、する方がわからなくなってしまうので。

改善点はもう技術的に克服してたりもするじゃないですか。

専門学校に入ってひと月くらいたっているのであれば、簡単なモックくらいできててもいいですよね。

そういった制作のスピード感も含めてアドバイスがもらえるとおもうので、出すのであれば最新のものです!

実際話の中の松山社長もプレゼンしたゲームの内容を知っていたので、意味のない感じになっています。

■もし『売った』としたらどれくらい売れそうですかね?

タツヤは無礼な質問だと言っていますが、いい質問じゃないですかね。

こういうことが聞けるのは学生の特権ですし。

でここで出てくる松山社長の答えが「0本かな」なわけです。

ゲームを売るということは”責任”を伴うんです。

ダウンロード販売オンリーならハードルは下がるのですが、店頭に並べるのであればそれなりに責任が生じます。

営業や広報の人は少なからず時間をとられるでしょうし、売り場の人たちにも影響を与えます。

売れれば喜ばれますし、売れなければ迷惑をかけるだけの存在になってしまいます。

ブランドイメージに与える影響もありますしね。

まあ、学生さんのうちはそういった責任に対して無頓着で問題ないのでいいんですけどね。

実際に何本売れるとかいうことではなく、そういったことも教えたかったのではないでしょうか。

実際は物好きが多いので1000本くらいは売れるんですよ。

1000本だと1本5000円として500万円の売り上げ、利益が40%くらいだとしたら200万円かな

5人で作成しているのであれば2週間くらいで完成させてやっとトントンです。

そんなのやる意味ないですよね。だから実際0本なわけです。

■一度でいいから『羊飼いの少年になって羊をゴールまで導きたい』と思ったことはあるかい?

いやあ、わかりやすい良いセリフですね。

専門学校の生徒さんの作品をプレイしていると思うのが、「もっと普通でいいのに」っていうことです。

何か変わったことをしよう、他人との違いを出そう、として面白さが伝わらなくなっている作品が多いです。

自分自身でそのゲームがやりたいかどうかは、作っているうちにわからなくなりますよね。

なのでメンバー以外に意見を聞いてみるのがいいですよ。

■専門学校生はこういうものを作ろう

私はゲーム制作をよくお弁当に例えます。まずはちゃんとしたお弁当にしましょうって。

まずはご飯を詰めましょう。

ゲームにおいてのご飯は、タイトル画面、ゲームオーバー画面、など他のゲームでも同様に作る部分ですね。

お弁当箱の半分をご飯で埋めたらもう50点のお弁当です。

あとはサラダをつくって、メインディッシュを入れればお弁当としては完成です。

サラダはどんなゲームにでも使えるようなUIシステムを想像してください。

で、次のゲームを作るときにメインディッシュだけを取り換えればいいのです。

メインディッシュがから揚げならから揚げ弁当でしょうし、ハンバーグならハンバーグ弁当でしょう。

ただ専門学校の学生さんは、ご飯がないとか、から揚げもハンバーグも入っているのにサラダがないとか、そういうゲームを作りがちです。

周りでみんな同じようなものを作っているので、何か変わったことをしないといけないという気持ちはわかるんですよ。

でも「ユニークである」こと、その物には価値はないですよ!

「ユニークでかつ面白い」物には価値はありますが。

ありきたりでもいいので、他人と同じようなものを作ってもいいので、それでも他の人より面白くすることを考えたほうがいいです。

松山社長が言っている「第一欲求」って、そういうものがちゃんと存在していることを言っていると思うんですよ。

ちゃんとみんなが面白いと思うことを面白いと思ってもらえるように形にしなさい、っていうことです。

■言い訳はみっともない

みっともないねえ。

私はちゃんと言い訳聞きますけどねー。意外に面白いことが多いし。

言い訳の中に最初からそれを中心にゲームを考えたほうが面白かったのにっていうものが潜んでいることが多いですから。

それを自分で見つけることが大事、なのですができる人に指摘してもらった方がいいことの方が私は多いと思います。

あとはたから見てバカにしている生徒さんが作中に描かれていますが、こういった自意識がおかしい子たちは絶対に成功しません!

やって失敗して、それでも前に進んでいく。プロになって技術が上がって、成功しているような人たちでもそれの繰り返しです。

■なんて『凄い奴なんだ』

ユーキ君はタツヤが玉砕覚悟で松山社長にプレゼンしたことを評価していますね。

いいセンスだ(オセロット風)。

私の専門学校時代もそうだったんですが、いい仲間に囲まれていると自分も成長します。

専門学校に入る人は、付き合う友達は選ばないといけないですよ。

厳しいことを指摘してくれる、甘やかさない、そういった仲間を見つけないと高いお金を出して学校に行った意味がありません。

そう考えるとタツヤ君たちも、ちょっと問題ですね。

彼ら以外にも優秀な生徒さんはいるのではないのですかね?

そういった人たちを巻き込んで、影響を受けて、与えて、という部分でも頑張らないと。

仲のいい仲間にだけに囲まれてやっていると成長が遅くなりますよ。

■自己効力のミスマッチ

自己効力ってなんでしょうね?

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%B7%B1%E5%8A%B9%E5%8A%9B%E6%84%9F

うーむ、wikipediaの説明だとよくわからない。

自己効力感とは? 自己肯定感と何が違う? 測定方法・高める方法

自己効力感とは、ある状況の中で必要とされる行動のこと。 たとえば、 といった結果を出そうとする際「自分がうまくできるかどうか」という予期のことをいいます。 自己効力感は、 といった特徴を持ちます。また、自己効力感が上昇した結果、必要とされる行動を実感できるのです。 自己効力感とは ある状況下で結果を出すために適切な行動を選択し、かつ遂行するための能力を自らが持っているかどうか認知するための言葉

結果を出す
目標を達成する
といった結果を出そうとする際「自分がうまくできるかどうか」という予期のことをいいます。

ああ、特定の課題に対して「できる」と思うことができてる感覚、ということでいいのかな。

それがミスマッチしているということは…

①できると思えていないができている

②できると思えているが実際はできていない

のどちらかですね。

まあ、②の方でしょうね。今のタツヤは独立してやれるのではないか、と感じているのかもしれませんが、実際はできないでしょうから。

でもなんですかね。勘違いしているという状態はゲーム開発においては悪いことではないと思います。

勘違いで会社を興しちゃって、他人からお金集めて、実際はできなくて、ヒーヒー言いながらどうにかしようとしているうちにできるようになっているものです。

できなければいろいろなものが破滅したりするのですが。

さっきの「はたから見てバカにしている生徒さん」と一緒で、やってみない人がやってみた人に勝てることはほぼないですよ。

だからやらないよりも失敗してもいいのでやった方が断然いいです!

でもまあ、知識も技術も足らないだろし、先ほども指摘したのですが視野もまだ狭いですよね。

■どうでもいい自分語り

ここからは少し私のお話し。

自己効力について、まあこのブログを読んでいる人はわかると思いますが、私なんかはこれ異常に高いですね。

他人が「できない」ということを「できる」っていって実際やれているので。

実際現場に上がって「なんで周りの人たちこんなにできないんだろう」って思ってました。

事実どんどん出世できたし、正直世の中をなめていましたね。

で、超ヒットメーカーの人の下について仕事をすることになって一気に叩き落されることになります。

自分の能力が飛びぬけているのも事実だったとと思いますし、それでも全然太刀打ちできない人たちがいるのも事実なんです。

上には上がいる。それは事実なんですが、そこであきらめていいわけではないんですよ。

実際にゲームを作るということはそういう人たちと相対していかないといけないわけです。

総合格闘技のリングに上がるのと同じ。相手が全盛期のヒョードルだろうと、リングの上で手加減してもらえるわけではないです。

リング上で死にたくないのなら自分でどうにかするしかありません。

自分一人だったら逃げればいいですよ。でも大概はチームで作品は作っていて、チームメンバーの時間だって背負っているわけですから。

相手がヒョードルでもちゃんと戦えるようにしておかないといけないのです。

タツヤが高校生でコンテストで賞をとった。専門学校で順調に成長している。

それはそれで事実でしょう。でももっともっと力を付けていかないと叩き潰されてしまうような人たちがゲーム業界には山のようにいます。

松山社長だって怖い、辛い状況であってもCC2のメンバーのために戦って、実際に勝っているのだと思います。

自分より強い敵に勝てる力が必要なんです!

そういったことを教えたいのではないのかなあと思うんですよね。

まあ、これはあくまで感想というより自分語りなんで適当に流していただければ。

■最後に

チェイサーゲームは大体3話構成で一つのまとまりのようなので、次の話は新しい展開ですかね。

専門学校の話になるのかなー。個人的には学生の新キャラクターとか出てほしいですが。

あまり気にしていなかったのですが、"チェイサー"ゲームというタイトルなんですよね。

何を追うのでしょうか?

そろそろそのあたりが顔を出してくるのかもしれません。

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