最近島国大和さんのツイートに影響を受けることが多いなあ。
反対意見を書いているように思う人もいるかもしれませんが、基本自分の心を読まれているのではと感じるくらい発言とかブログの内容は共感できる物が多いです。
ただこういった見方もありますよ、ということもどうしても言いたくなっちゃうので吐き出します。
それができるのが自分でブログを持っていることの良いところ♪
ゲーム開発に置ける
— 島国大和 (@shimaguniyamato) September 28, 2019
「偉い人の安心材料、説得材料のために、目に見える所ばかり作っているから終盤に全体のクオリティが上がらずボロボロになる問題」
自分は現状あんまりこういったことに巻き込まれないというか、ちゃんと回避できている…と思う!じゃあどうやってやるんだ、ということを書いていきましょう。
立ち位置としてはデベロッパーでかき回される立場も、パブリッシャーでかき回す立場も経験あるディレクターだと思ってください。
■最初にやるのは
まずこれを論じるときには、開発を立ち上げる時期にどのような行動をとるべきかというところから話さないといけない。
悪い癖で何の話か分からなくなる人続出だと思いますが、おいおい収束するのでしばしお付き合いを。
頼まれ仕事であれ、自分の企画であれゲームを作るにあたっては実際の実装×10倍くらいの仕様を検討します。
その上でチームメンバーにヒアリング。
「何を作りたいか」、「何が得意か」を聞いて回ります。
なんでって、開発者は作りたいものか得意なものかしか自走で作れないからですよ。
でもってそれが「実際の実装×10倍」の中に入っていないか話しながら考える。でもってあたかも自分のやりたいこととあなたのやりたいことが一致していますよという話にしてしまいます。
「実際の実装×10倍」も考えていれば大体のものは入っていますよ。多少変更やアレンジが必要だとしても。
逆にあんまり入ってこないなあ、ともうのであれば「実際の実装×10倍」の量が考えられていないんですよ。
全員のやりたいことを聞くと、自分がやりたいことも大体話し終わっています。
正直あんまり統一感のない感じにはなってしまうのですが、一旦はそれを全部ぶち込んでまとめてしまいます!
実際2時間の映画だと統一感のなさは顕著になるのですが、クリアまでに20時間以上かかるようなゲームはそんなに目立ちません!
この作り方だと、大体迷走せずに各担当者が勝手に作ってくれます。
開発途中で都度確認をしないといけないのと、その間をつなぐようなところは自分で考えて作らないといけないですが。
とまあここでようやく「偉い人の安心材料、説得材料のために、目に見える所ばかり作っているから終盤に全体のクオリティが上がらずボロボロになる問題」を避けるための方法になります。
■偉い人対策
これは私の経験則からいうと、自分の作りたいものを作っているから起きちゃうわけですよ。
まあ当然そうしたくなるのはわかるのですが。
それは少し置いておきましょう。チーム員にやったように「何を作りたいか」、「何が得意か」を偉い人にも聞いて、チーム員がやりたいことの総合したものから切り出して「こういう話ですよね」という形に持って行ってしまう!
そんなうまくいくか!と言われそうですが、ここで時間を取るのは問題ないはず。いくらでも話し合ってそういう形に持っていけばいいのです。
で、それを実現するためにこういった手法で作っていきます、ということを説明するんです。
ここに時間を使わずにうまくいかないっていう人が多いんですが、そりゃそうですよ。偉い人からしたら自分が「こうなっててほしい」が実現できているかどうか不安ですもん。
作り方を説明しないから、それに納得がいかないから、「とりあえず○○を確認させてくれ」という話が重なってツイートのような状況になるわけです。
コツは相手に考えさせないことです。どんどん「こう作りますよ」というのを先に説明しちゃう。
ある程度のところまで自分の作り方で「こう作っていきます」というやり方で固めてしまうと、相手はそこから自分で考えるのがおっくうになります。
偉い人も大体素晴らしいコンテンツ制作者であることが多いと思います。そういう人は口を出したくなる。最初から作り方も含めて制作方法を構築していたらちゃんとややこしいところも自分で考えられるでしょう。
でもそういった人であっても、ある程度のところを他人にまかせた状態だとそこから急に自分で考えるのはしんどくなっちゃうんですね。
そこに至るまでに、ちゃんと偉い人の意見も聞き入れて、だったらこう作ります、という話をしてあるのであれば、「じゃああとはまかせちゃおうかな」となるわけです。
それを実現させるためには、考えてもつまらないところを先に自分で考えて確定させていっちゃうことが大事!
そりゃ世界観やゲームの売りの部分なんてみんな考えたいですよ。でもあなたがディレクターでそのプロジェクトを成功させたいなら、みんなが考えたくないところを徹底的に考えるべきです!
で外堀をほとんど自分の考え方、作り方で固めることができれば、そのあとのみんなが意見を出したいところを作る手法に関してもあなたの意見がちゃんと通ります。
そう行ったところの面倒を見てくれる人は外れられるとチーム員も偉い人も困りますしね。
■結論
まあ長々と説明してきましたが「偉い人の安心材料、説得材料のために、目に見える所ばかり作っているから終盤に全体のクオリティが上がらずボロボロになる問題」を解決するためには
①偉い人のやりたいことを聞く
②偉い人のやりたくないところをどう作るかから考えてそれを固めてしまう
③「②」を作る手法に沿ってそこから「①」をどのように実現していくかをしっかりと説明する
となるわけです。
考えたくないところをあなたが考えてくれるなら、大概の部分は任せてくれますよね。
その作り方なんてこっちの言い値で決まっていきます。
で、それが決まると偉い人が作りたいものもその手法で作ることになるわけです。
そうなった場合はこういった順番でつくります、この段階だとこれが確認できるけどこれが確認できません、という説明もできるはずです。
となっていれば「偉い人の安心材料、説得材料のために、目に見える所ばかり作っているから終盤に全体のクオリティが上がらずボロボロになる問題」なんて起きないわけですよ。