制作

風呂敷をたたむ人の作り方

更新日:

下記のリツイートに反応していただけた方がたくさんいました!

言われてみれば確かに③が得意な人は珍しいですよね。

私のキャリアが少し変なので必要に迫られてという感じなのですが。

興味があるかどうかはわかりませんが、ちょっとやってきたことを語っていきます。

これを読むと分かる人は私がだれかわかると思いますが、特定ダメ、ゼッタイ!

■大変だった仕事シリーズ

・インターンのプログラマーなのにメインプランナーになってしまう

これが自分の経歴を決定づけましたかね。
某スポーツゲームを担当することになったのですが、ミニゲームの絵素材だけできていてそれ以外の仕様は全部自分で作らないといけなかったんですよね。
まあ、訳が分からない、と思います。もう20年以上前の話なので…。
ミニゲームの内容は決まっているけど、ミニゲームが本編のゲーム与える影響が決まっていない。でも素材だけはどんどんできていく。
ゲーム仕様を考えて、ミニゲームがどのように影響を与えるかを考えて、つじつまを合わせることに必死でした。
初めての現場だったので「実際のゲーム開発はこういう風なんだ!」と思っていましたが、後にも先にも見たことないですね。
リーダーが重鎮だったのでリーダーさえ納得していればどう作ってもよかったので、そういった意味では楽だったのかもしれません。

・PC版ゲームの開発環境一式を渡されてコンシューマーに移植しろと言われる

PC版ゲーム自体は別会社だったのでほぼ質問とか打ち合わせとかなしでした。
ゲームをプレイしてゲーム内容を把握して、ソースを見て挙動を確認する。で移植する。
このプロジェクトを担当していたプログラマーがすごい人たちばっかりだったので完成しましたが、普通はこのやり方だと無理ですよね。
ほぼ一年間他人のソースを読みまくるという経験をした結果、ソースを見れば何のための処理か大体わかるようになるという特技が身に付きました。

・あたる競馬予想エンジンを作れと言われる

そんなものできたら会社辞めますよね、競馬で食っていけばいいんだから。
要望を出した人にヒアリングした結果、その人が実際に欲しいものは「自分が勝つと思っている馬に勝たせることができるシミュレーター」だったのでそれを提案したら企画が通りました。
予想エンジンだけ作る予定が、結局全部の仕様を考える羽目に…

・上海で開発スタジオ作ったからそこを使ってゲーム作成してね!

15年くらい前ですかね。 スタジオができているのに誰も使わないから無理やりやらされました。命令だからそこにある地雷を踏みなさい!という感じですかね。
2Dデザインを任せたんですが、ある意味楽しかったですよ。
キャラクターイラストの顔を紫で塗ってくる人がいましたね。画像に統一感がないと文句を言ったら個性が出ていないと自分が作る意味がないと反論されたり。
この経験があるので遠隔で作成する際のノウハウが身に付きました。国境を越えても話せばわかるというのも実感しましたし。

・PCのパッケージゲーム作って

これ何気に大変なんですよ。
パッケージ発注して、その工程を管理したり、流通を考えたりしないといけないので。これはいろいろと面白い話があるので、そのうち細かく書きたいと思います。

・ゲームポータルサイト作って

規模の大きさでは一番の無茶ぶり。ハンゲーム全盛期の話ですね。
ゲームポータルとそこに乗せるゲームを合わせて作成。
どうにか完成はさせたのですが採算がとれなさそうということでリリースせず。
これが一番勉強になりました。この時の経験があるのでオンラインゲームも作れるし、ソーシャルゲームへの移行も問題なくできました。
ゲーム会社さん以外への仕事のお願いする方法とかも身についたのはよかったですね。

・とにかくたくさんリリースして

ウェブソーシャルゲームの売り上げが落ちてきたころ、売り上げを担保するためにとにかく多くのプラットフォーム対応をしました。
最終的に3タイトル、9プラットフォームを同時に運営していましたかね。
自分はプロデューサー兼ディレクター。正社員のプランナー一人とバイトが二人で企画関連を回すという。
あの時の作業のスピードを常に出せれば何でもできると思います。5年くらいで死んじゃいそうですが。

■短期納期シリーズ

・ミニゲームの企画が通ったから担当して。ミニゲームは100本作ってね。プログラマー2名とデザイナー1名の2か月でお願い!

まあガラケーの案件だったのですが無茶でしたよね。ミニゲーム案は別の人にもヘルプを頼みましたがどうにか完成させました。
自分が60本の仕様を組んで40本のゲームを作成、相方が40本の仕様を組んで60本のプログラムを作成。
大変でしたが自分の開発したゲームの中では一番うまくいった開発だった気がします。

・来月windows mobileのプラットフォームが来月立ち上がるからローンチ用に何か作って

簡単なミニゲームしか作れませんね、っていったらじゃあそれでいいから作ってと言われた案件
でもまあ正直楽でしたが。windows mobileでリリース経験があるのは必ず笑われる鉄板ネタ

・3か月でiPhoneのネイティブアプリを出して

iPhone3Gのころですぜ、旦那。某人気ゲームのキャラクターを使っていいとのことで。
当時はUnityも使いにくかったし、企画立案からフルスクラッチ、3D対応も含めて3か月で作成したのは大変でした。

・3か月でウェブソーシャルゲーム作って

このままだと今期の売り上げ足りないからお願い、っていわれて始めた案件。
企画から。ゲームのエンジンは会社の奴好きにに使っていいから、という条件でした。
大変だったー。一度こう作るって決めたものは絶対変えない!迷ったら間に合わなくなるので自分も開発メンバーにも絶対迷うなと言ってやってましたね。
完全オリジナルをやれたのでいい思い出にはなりました。

■人がいなくなったシリーズ

・先輩が明日から来なくなるけどバグがあるみたいだから直して

プログラマーの先輩、職場に不満があったようで急に退社。
アセンブラの開発だったのですが、なんかわからないけど止まるので直してということでヘルプに入る
結果8ビットの桁の繰上りを考慮しないで作っていたので1/256の確率で止まる現象でした。膨大なソースの中から該当箇所を見つけた時は、自分天才かもと思いましたね。

・担当者が急に来なくなったので完成しているかわからないけど、リリースしたいからどうにかして

担当者が心の問題で来なくなったと。管理はその人に任せてたのでどこまで完成しているかわからないからそこから調べて、という話。
こういった案件は投げだしがちですが、順を追って確認していけばどうにかなったりするものです。

・元開発者がいないけど既存エンジンでソーシャルゲームを開発してほしい

以前作ったソーシャルゲームがあるのでそれをもとに短納期でゲームを作成して、という依頼。
担当者は別案件で忙しいので極力質問しないでください、という条件
php my adminからテーブル引っ張ってきてどの値がゲーム上のどのパラメーターかを予想して作るという、どんな罰ゲームなんだろう状態。
ちゃんとリリースできたから良かったですが、どこかで問題が起きるんじゃないかと気が気じゃなかったタイトル

~ここまで!~

振り返ってみるととんでもない経歴ですな。
書けないこともあったりするので、ここにあるのがすべてではないんですよね。

まあそれ以外にも、ゲームショウのステージをワンオペでやる(会社から行くのは自分一人、台本も司会も自分、チラシ、PVの用意、出演してもらう声優さんのアテンド、当日の送り迎え全部)とかもありましたかね。

なんでこんなことになるかというと、仕事を断らないからですかね。

あと仕事のスキルを上げるジャンキーなんですよ。

こういった煮詰まった案件は大変ですが、確実に経験値が上がっていくんですね。メタルスライムなんです。

結果その後も、そういった案件が出てきたとき割り当てられる、という感じ。個人的には嫌いじゃないんで良いのですが。

他人の風呂敷をたためるということは、自分が広げた風呂敷は簡単にたためるということにつながります!

ただ以前の記事でも書いたのですが、このあたりの経歴って転職の面接だと全然評価されないんですよねー。

開発者同士の飲み会だと、話題としてかなり盛り上がるんですが。

評価が低いから変な仕事を押し付けられた人、みたいな印象になるんですかね。

なので他の人にお勧めは致しません!

いつかどこかで飲み会でご一緒した方には、詳細全部お話ししますよー

-制作

Copyright© ゲームプロマネのブログ , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.