こちらの記事はわかりやすくためになりますね。
私が見てきたゲーム会社の人事と合わせて話を書いてみます。
■人事評価制度の目的は「ちゃんと評価すること」じゃない
確かにそうですね。
ひどい話をするとですね。
Aさんの年俸を1000万に設定して毎年10万ずつ落としていくとします。
Bさんの年俸は500万に設定して毎年50万ずつ上げていくとします。
10年の満足度でいうと絶対Bさんのほうが上なんですよ。
もらっている総額は
Aさん 9550万円
Bさん 7250万円
なのにですよ。やっぱり人間って右肩上がってたほうが気持ちいいんですよ。
ゲーム制作は完成するまでに3年くらいかかるのはざらです。
その間に急に年俸を上げるのも難しいですし、認められている感がないとモチベーションが続きません。
計算して”右肩が上がっている状態”を作っていくことが重要です。
■ ローパフォーマーは”画一的”、ハイパフォーマーは”個性的”
個人的な見解としては、ということもある、という程度ですかね。
ローパフォーマーで個性的な人もハイパフォーマーでも画一的な人もいます。
それぞれに違う価値観があるので、そちらのほうが注意です。
本当に会社が好きでとか、会社にいる人たちが好きで、働いてくれるという人が一番助かります。
ハイパフォーマーがたくさんいる状態もあまりよくなかったりします。
全員4番打者なのはバランスが悪いし、若手も育ちません。
会社に必要な人数よりもすこしだけ少ない人数で維持できると若手も育つし、会社も効率よくなります。
一つのチームに描画周りが得意な人が固まっていてもいいことはありません。
あとハイパフォーマーが効果を発揮するのは、会社の時期にもよるんですよ。
設立時のようなどんどん成長するときに活躍する人もいれば、安定期に適した人もいます。
そう考えると必要でなくなった人は、別の必要とされる会社に移るほうがいいですよね。
そういった転職に関して、まだまだ日本はネガティブな印象を持つので残念な結果がついて回るのだと思います
■転職した時の年俸
これ転職したことがない人はわかってないと思うのですが、あなたの能力に対して金額が設定されるわけではありません。
雇える金額で設定されるのです。
1000万の価値があると分かっていても500万で雇えるのであれば500万で雇うんですよ。
雇う側から考えればそりゃそうですよね。
まあそれがいいか悪いかは置いておいてです。
なので別の会社に移るときには、ちゃんと元のところに在籍したまま転職活動をしたほうがいいです。
在籍がない状態だと買いたたかれることがあります。
サイバーコネクトツーさんのようにそれを奨励しない会社さんもあります。
でも残念ながら少数派であるとは思います。
それが業界全体、ひいてはその会社の損失に結果なっていくのは確かなんですが。
■ゲーム会社特有の話
うーん、どれだけいい人事評価が出ていたとしても、開発者としての能力を上げたいのであれば転職したほうがいいです。
会社が好きで会社の価値を上げたいのであれば別なのですが。
私は何回か転職をしています。結果いろいろなことに対応できるようになりましたし、個人的には成功だと思っています。
最初の会社は素晴らしいところでしたが、ずっとそこにいたら今のような能力はなかったかと思います。
ただもらえている給与に関しては最初の会社に居続けたほうがよかったと思いますね。
やれること、に関しても最初の会社にいたほうがよかった可能性が高いです。
ただやりたくもないことを高い給料をもらっているんだからとやらされていた可能性も高く、これはどっちもどっちですね。
時折ブログにも書いているのですが、私はゲーム開発はフリーの集まりに近い形態で多国籍な形で作るのがデファクトスタンダードになると思っています。
10年以上前にそうなると思って、それで活躍できるように逆算しつつキャリアを積んでいます。
早くそうなってくれないと、ちょっと損しつつあるんですが(笑)
それを考えると人事制度自体意味がないかもしれませんね。