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あさひなぐレビュー前、最近のスポーツ漫画の成功条件

更新日:

最近「あさひなぐ」を全巻一気読みしました!

正確には1巻を1年くらい前に読んで、あまり興味がわかず読み進めていなかったのですが改めて読み進めて「これは面白い!」となったわけです。

で、いかに面白いのかという話をしたいのですが、その前にいろいろと説明しないといけない前提が多いのでそのあたりの話をします!

■最近のスポーツ漫画の成功条件

最近のスポーツ漫画で成功するためにはいくつかのクリアしないといけない点があると思います。

  • ①主人公の活躍に理由がないといけない
  • ②主人公が活躍できないといけない
  • ③展開が早いこと

何となくわかる人もいるかと思いますが順を追って話をしていきます。

■主人公の活躍に理由がないといけない

一昔前の漫画では大して重要視されなかったんですよ。
タッチなんか上杉達也の方は中学で野球やってないですよね?
それでも天才上杉和也の兄であれば優秀だろう、ということで納得してもらえたんです。
ドカベンでも力持ちならホームラン打てるだろう、という理論ですね。

これが今は納得感が得られない。本人が適切な時期にちゃんと努力していないといけないわけですね。

「弱虫ペダル」なら秋葉原に行くためにずっと自転車をこいでいたから活躍してもいいわけです!

スポーツ物の舞台は高校生が多いと思いますが、高校で活躍できるのに中学で何も努力していない、というのは受け入れられにくくなっているわけです。

それこそ「スラムダンク」のように「背が高くて身体能力が高い」、という条件であれば受け入れられやすいですよね。

それでも「背が高くて身体能力が高い」という面以外では活躍していませんでした。

素人が高校でそのスポーツを初めて大活躍!みたいな漫画の方がキャッチーだったりするわけですが、①の条件を無視するとそもそも受け入れてもらえません。

しかしながらそのあたりをうまくごまかしている漫画もあります。

「ダンスダンスダンスール」、「ボールルームへようこそ」。

上記2点はともにダンスの漫画ですがうまくごまかしています。

  • 「ダンスダンスダンスール」の方はもともとダンスに興味があってこっそり踊っていたことがあった。
  • 「ボールルームへようこそ」の方はやり始めるとものすごい量の練習をする、表現力がすごい。

というような理由つけができています。それでもともに中学から始めていますし、単純な人気競技だとこんな風には進められなかったと思います。

ごまかし方がうまい作品として「ハイキュー!!」があります。

この主人公164cmなのですが、エースアタッカーとして頑張っています。

私に170cmなのに高校バレーでアタッカーとして活躍していた友達がいました。

本当に空中で止まるという感じです。垂直跳びで100cm飛んでいました。

それでも「 ハイキュー!! 」の主人公のような動きはできません!

164cmと170cmで差がないように思いますが手の長さを加えて、横尾動きまで加味すると120cm位飛ばないとあの動きってできないはずなんですよ。

120cmってマイケルジョーダンなみです。

高校バレーで160cm台で活躍している人はいると思います。「 ハイキュー!! 」の主人公のような動きができる人もいると思います。

でも164cmであの動き、高さは無理なんですよ。

にもかかわらずそれぞれ実現可能、というリアリティがあると組み合わせても大丈夫になるわけです!

こういうテクニックはゲームにも生かしたいですね。

同じようなテクニックとして「バキシリーズ」や「喧嘩稼業」でも、怪我をしているのだけれども実際の連載期間が長いのである程度回復しても不思議がられない、という工夫もあります。

とくに「喧嘩稼業」のワンデートーナメントは時間の進み方をうまくごまかしていると思いますね。

逆にそのあたりが下手だった漫画もあります。

■主人公が活躍できないといけない

「背すじをピン!と」という漫画がありました。

高校から始めるダンス漫画だったのですが、非常にキャラクターが魅力的で期待していたのですが9巻で終了してしまいました!

「主人公が活躍できないといけない」が実現できていなかったからだと思います。

主人公は高校から始めたシロート。なので大会で活躍できるような能力を身に着けるまで時間がかかる、というところで読者がついてこれなかった感じですね。

同じようなながれでもテニス漫画の「ベイビーステップ」ではうまく活躍するところまで持って行けていました。

テニスクラブ内で勝たせる、小さな試合で勝たせる。徐々にでいいので主人公が勝利する、活躍するという展開がこまめに入らないと読者がついてきてくれません。

この「主人公が活躍できないといけない」は連載の途中でも失敗する漫画がありました。

「ハーレムビート」とというバスケ漫画なのですが、こちらは途中まで強い高3の先輩と、1年2年でインターハイを戦っていて面白かったですし、人気もありました。

ただ3年が卒業した後、勝てなくなっちゃったんですよね。たしかに強い3年が抜けたら普通に考えたら勝てなくなるのですが、そんなもんフィクションなんだからうまくごまかせばいいのに。

「シュート」は「大久保」さんが死んだあと速攻で穴を埋める「馬堀」が転校してきます。そんなんでいいわけですよ!

作者さんがその競技に詳しいほど、そういった傾向があるような気がします。

「はじめの一歩」とかもこれくらい打たれていたらダメージがあるはずだ、ということで一歩の引退になったんですかね?

「はじめの一歩」はまた違う理由があるような気もしますが。

■展開が早いこと

昔のマンガに比べて今のマンガは展開が遅いです。
「タッチ」は3年間で26巻で終わっています。

詳細を詳しく描かないと差別化が図れないのでしょうがないのですが、あんまり長いと実際の状況が変わってしまいます。高校野球であれば10年たつと投手が投げる急速が変わってきます。

練習の仕方も変わってきているので、序盤と終盤で矛盾が生じちゃったりするのです。
あと読者がついてこれない。

高校生時代に読んでいた漫画、いつまで追えますか?せいぜい10年だと思うんですよね。
で、10年前に始まった漫画、リアルタイムに部活をやっている高校生読みますかね?

後作者さん年齢が上がってくるとどうしても描けなくなってきませんか?

「ドカベン」の例があるので必ずしも言い切れないのですが、最長でも15年くらいで終わるのが見えていないと読む方がしんどくなっちゃうと思うんですよね。

  • 丁寧に競技の展開や準備を書かなくてはならない
  • 早く試合を展開させないといけない

この矛盾した課題をクリアした漫画が、大きな期待値をもってもらえるのだと思います。

■「あさびなぐ」は?

なんでこんな話をしたかというと「あさびなぐ」の主人公の旭は特に運動ができるわけではない初心者なわけです。

うまくやらないと失敗する要素満載なわけですよ。

特に序盤は上記の失敗するほうの特徴が色濃く出てきていました。

結果そのあたりをうまく乗り越えているので「すごいな!」と感じました。

次回はそのあたりを踏まえて「あさひなぐ」のレポートをやりたいと思います。

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