マンガ

マンガレビュー:2019年12月

投稿日:

マンガソムリエのコーナー、4回目です!

面白い漫画はたくさんあるので紹介したい本が多すぎて困ります!

■おおきく振りかぶって(32)

おおきく振りかぶって、好きなんですよ。

この作品が出てきたときに、ここまでしっかりと高校野球を検証して描いてある漫画は珍しくて本当に感心したんですよね。

それでも、展開が遅すぎる!

連載開始が2003年で、16年たってまだ高校1年の秋にしかなっていない。

取材したものを全部出したい!という気持ちはわかるのですがこれ本当に終わりますか?

スポーツゲームは展開を早くしてほしい、ということをたびたび言っているのですがこの作品の終わりが見れないのではという気持ちからなのです。

風呂敷を広げすぎてたためないのも問題ですが、最後まで書けないのも問題だと思うんですよ。

10年たてば世情も変わりますし、作者本人の体調も変わります。

面白い作品だからこそ三橋君がどういう形で高校野球生活を終えるのか見たい!

どうなるんでしょうね。かなりやきもきします。

■響~小説家になる方法~ (13)

これで最終巻ですか。

響は最初に読んだときにかなり感心したんですよね。

話がしっかりと練られている感じがしました。

ただ、直木賞と芥川賞を取った後が、そういう練られた感じが消えてしまったんですよね。

おそらくそこまでの話は決めていたのだと思いますが、それ以降が連載をやりながらだとうまく凝った話にできなかったのでしょう。

響というキャラクターに頼った感じではなく、ちゃんと話を計算しないと描けないタイプかもしれません。

そう考えると13巻で終わったのはいい終わり方かもですね。

個人的には響と幼馴染の椿涼太郎の関係をもう少し見たかった。

こういう話だと響のほうは椿のことはなんとも思っていない、という展開にしがちなのですが、ちゃんと響の方も椿君のことを好きそうなところが面白さを深めていたかと思います。

響のキャラクターの好感度も上げていましたかね。

私は「響」は何かに似ているなと思っていたのですが、「今日から俺は!!」に似てるんです。

絵柄も似ているのですが、「響」って小説家の才能がある女の子の話なんですが基本的に話の文法がヤンキーマンガなんですよ。

舐められたら倒しに行く。でやり口が容赦がないってそれは「今日から俺は!!」ですよ。

私はヤンキーマンガは結構読むのですが、最近は受け入れられない層が増えましたよね。

小説家の才能がある女の子、というガワをかぶせたことでヤンキーマンガっぽくならなくなったのでこうやり方はありなんだと思いました。

柳本先生の次回作にも期待です。

■ブルーピリオド(6)

「アル」のサイトで今年読んだベストマンガに選ばれていましたね。

確かにぐいぐいと引き込まれる漫画です!

矢口君は東京藝大に受かりそうでしたね。

職業柄美大、芸大に行っていた人たちと接することが多いのですが、ちゃんと絵に向き合っている人達ばっかりですよね。

漫画の内容とはあんまり関係ないのですが、作品をちゃんと作る人、大学にトップで受かる人、大学で結果を出す人、社会に出てから良い評価を得る人、大体これ全部違う人になるんですよ。

美術というのはそれくらい評価軸がたくさんあるのです。

そして何かでトップを取った人でも、それを望んでいるかどうかはあまり関係がない。そういう残酷な世界です。

芸術というのは誰にでも手にできるもので、だからこそ素晴らしく、だからこそ成功というものがわかりにくいのです。

ゲームだと売り上げとかで判断されることが多いのでわかりやすくていいのですが。

ブルーピリオドは今後が課題ですよね。

読者の創造のしやすさや、直観的に結果がわかりやすいというところで受験が話のピークになりがちです。

今後の芸大に入ってからどういう話の展開になるのかが非常に楽しみです。

■君は放課後インソムニア (2)

オジロ先生の作品は「富士山さんは思春期」が大好きで、「猫のお寺の知恩さん」も面白かった!

ちなみに「カテキン」はダメでした…。

不眠症の話というところは知っていたのですが、どういう話になるのかさっぱり想像できなかったのですが、話のスパイスになっているだけで基本恋愛ものですよね。

オジロ先生の描く女の子は本当にかわいいんですよね!

「富士山さんは思春期」も「猫のお寺の知恩さん」も「君は放課後インソムニア」も正直ヒロインは同じような感じです!

でもいいんです!だって魅力的なんだから!

ちなみに「カテキン」は違う感じでした!

話が面白いだけではなくて表情がいいんですよね。

そういったもので読者にキャラクターに恋をさせる力がありますね。

■ダンス・ダンス・ダンスール (15)

ダンスマンガ好きなんですよ。

ダンス自体はあんまり興味がないんですけどね。

この巻は潤平がコンテンポラリーダンスと向き合う話となっています。

ここまで読んできたものとしては面白いですし、必要な内容だと思います。

でも連載でここから読み始めた人は全く引き込まれないですよねえ…。

話の深いところはダンスの内容で、ライト層は恋愛要素でひきつけるマンガだと思います。

わたしは夏姫との関連性が気になり、そこが読みたかったので少し消化不良でした。

1巻のうちの1話だけでもいいのでそういった話を入れてくれたら最高だったのになと思いました!

■アオイホノオ(22)

島本先生って一見無茶苦茶な作風に見えて、構成とかがかなりしっかりしている漫画家さんだと思います。

一度アシスタントさんが描いた漫画の構成に対してアドバイスするという同人で出された漫画を読んだことがあるのですが、こんなに的確に分析ができる人なんだと驚愕しました。

※この本後輩に貸したらパクられてしまったんですよね。本当に返してほしい。

基本ができているから崩すことができる。そういう能力があるからずっと一線で活躍できるんですよね。

漫画家として軌道に乗ってきたホノオくんの話と、タッチの話が中心ですね。

庵野監督関連の話があんまり出てきてませんが、それでも満足感がある内容になっています。

島本先生のことは好きで知っているので、ホノオ君の話よりそのほかの話の方が面白かったりするんですよねー(苦笑)

漫画家になるという縦軸が達成されているので、読者の興味の行き先が難しい状態なのですが、毎度予想つかない話が入ってくるので目が離せないんですよね。

かわいいアシスタントさんを出してライト層の興味も引いていますし。

庵野監督のその先も気になるし。

こういったところは老練だなあと思います。

■ワールドトリガー

21巻ではないです!まだそこまで読んでいません!

いまkindleで9巻まで無料のキャンペーンやっているんですよね。

2020/1/6までです!絶対損はしないので急いで!

私もこのキャンペーンから読み始めたのですが、こんなに面白かったとは。

ちょっとわかりにくい話をします。

現在の状況だとマンガはたくさんキャラクターを出した方がいいわけです。

読者さんの興味が多様化されているのとSNSなどで話題になったときにキャラクターが多い方がいいからですね。

あと読んでいる人の情報処理の応力もかなり上がっています。

なのでアイドルでも多人数のほうがうけているんですよ。

初期のワンピースとかブリーチとかラブひなとかは、そういった需要にうまく答えられていたと思います。

ただ、それをやると人気が出ていないキャラクターを排除したり、本編の話がうまく進まなかったりしがちです。

そのあたりのマイナス点をしっかりと対策しているのがワールドトリガーですね。

3~4人一組のユニットで出てくるので、キャラクターをたくさん出しても混乱しにくいですし個々の活躍をさせやすい。

本来の敵とランキング戦を同時進行で行えるので、おなじみのキャラクターが見たい人にも本編を進めてほしい人にも答えることができます。

しかも全員を活躍させても大丈夫、というのは言うことがないです!

今後の人気漫画のテンプレートになる可能性がありますね。

ハイキューの展開の良さも良いと思ったのですが、それ以上ですね。

編集さんがどれくらい介在しているのかはわかりませんが、個人的にはこういったものを成り立たせている編集者さんがいるということはジャンプの編集部の能力は高いんだろうなと思います。

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