今回は「囮物語」の書評を行っていきます!
さあ千石撫子はどんな活躍をするのか!
■千石撫子というキャラクター
物語シリーズを読む前から、なんとなく人気のキャラクターだということは知っていました。
「恋愛サーキュレーション」は好きな人がたくさんいますよね。
正直『化物語』を読んだだけの後だと、なんでそんなに人気があるのかよくわかりませんでした。
かわいいだけのキャラクターかなと。
それがその後のシリーズで暦には積極的だったり、悪い子の発言をしたりというところで意外性のあるキャラクターであるということがわかってきました。
そんな千石がどんな活躍をするのかというのが『囮物語』の一番の注目点です!
■本作のテーマは何だったか?
千石というキャラクターを活躍させるということはそうなのですが、『他人から見た自分と自分自身のギャップ』というあたりがゲーマになっているのではないでしょうか?
ぱっと見で「こういう人だよね」って思われてその役割を期待されることのめんどくささは何となくわかります。
私は見た目結構優しそうなので、やっぱりそのようなキャラクターでいることを望まれたりするのです。
私は同調圧力に屈しないほうなので、割と怒ったりするのですが、それでも期待を裏切ったかなと思ったときはそれなりにストレスを感じます。
自分で「優しいですよ」、「怒りませんよ」、って言って回っているわけではないのですから、ストレスを感じる必要はないんですけどなんなんでしょうね。
そういう他人の期待との付き合い方が本作のテーマです。
■序盤から中盤、そして衝撃のラスト!
序盤から中盤はそんなに大きな動きはなかったですね。
もっと千石のはっちゃけぶりに期待していたのですが、大変な目にあっているところでそんなに活躍していません。
内面、内面への千石の想いが深堀されていきます。
月火との絡みが面白かったくらいですかね。
『囮物語』は月火が大活躍です。
そして衝撃のラスト!!!
こういう展開になるとは正直全く予想していませんでした。
いったいいつからこの展開の構想を考えていたのでしょうか?
詳しくはネタバレしませんので、ぜひ読んでみてください。
これはどうしてもこの先が気になります!
■裏テーマを深読み
ここは完全に個人の主観、思い込みによるものです!
もともと表に出すつもりがなかった『化物語』、人気になってアニメ化されるのはいいのですが西尾先生的に書くのがつらくなっていたのではないかと思うのですよ。
アニメ2シーズンやるために結構な刊行スピードを求められていたみたいですし。
『勝手に期待して勝手にがっかりしてんじゃねー』というのは、先生の周りやファンに対しての想いだったのかもしれません。
暦が出てくる分には筆も進むし、面白い話にもなると思うのですが、他のキャラクターが全然輝かなくなります。
戦場ヶ原くらいなんですよね、立ち向かえるのって。
第二シーズン分のお話に関しては、それでも各キャラクターを活躍させようとして苦戦しているような気がします。
そんな状況で『囮物語』は「お前らの思った通りの展開になんかしてやんねーよ」といわれているようです。
それが悪いことばかりじゃないですよね。
伏線をちゃんと回収できるのであれば風呂敷は広げたほうがいいのですから。
第2シーズンの終わりに向けてあと2作。次は『鬼物語』で忍がメインなんですかね?
『囮物語』の展開も踏まえて考えると、どういう展開になるのかまたまた楽しみです!