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FINAL FANTASY XI の思い出

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当時の私はFF11にはまっていて、いわゆる廃人と呼ばれる類のプレイヤーだった。

仕事の時間以外は全部FF11。

学生時代真面目に部活をやってこなかった身としては、遅れてきた青春時代だったように思える。

そこで一人のプレイヤーと仲良くなった。

人懐っこい性格で、ゲーム内の街中で会うとよくチャットをしたものだ。

お互いに廃人だったのでプレイペースがあっていたのも仲良くなった一因だ。

実は彼台湾人。プレイヤーネームをUとしておこう。名前は有名な日本の漫画の主人公から取っていた。

私のサーバーは台湾のプレイヤーが多数いることで有名なサーバーだった。

一部は対立したり、もめたり、仲良くなったりして楽しんでいた。

大体の台湾人プレイヤーは日本語があまり得意ではなく、日本人プレイヤーとはなかなか一緒に遊ぶことが困難だった。

ただ彼は異常に日本語が上手で、台湾人であるといわれるまで絶対に日本人だと思っていた。

日本語はアニメや漫画で覚えたとのこと。

好き乗じればここまで行くのかと感心したものだ。

何年経過したある日、彼に言われた。

さよならしないといけないと。

ゲームを引退したくないけれども、徴兵されたのでもうFF11がプレイできなくなるとのこと。

恥ずかしながら私はその時まで台湾に徴兵制があるのをよくわかっていなかった。

最後にたっぷりチャットをしてさよならした。

ゲームをこんな形でやめないといけないことがあるんだなと思った。

兵役が終わったら帰ってきたい、と言っていたがそれまで自分がプレイを続けているかも実際に彼が戻ってくるかもわからない。

その1週間後、ゲームの中で元気に手を振る彼と再会した。

「いやあ、ノートパソコン持ち込みOKだから全然プレイできるよ!」

俺の感慨を返せ、とも思ったが再会を祝った。敢えてない期間全然短いけどな。

台湾の事情をいろいろと教えてもらった。

徴兵されるときは会社を辞めないといけないし、終わった時も自分で新しい仕事を探さないといけない。

徴兵といっても戦争がなければ訓練と、機動隊みたいなことをやっている。

※実際に銀行強盗の制圧に出動したそうだ

なんやかんやで彼の徴兵期間が終わってもまだ私たちはプレイしていた。

それだけ日本語がうまくて日本が好きなら日本に来ればいいのに。

そういう提案もしてみたが、ゲームのチャットで日本語がうまいのと仕事で使うのは違うからなあ、ということを話していたのを覚えている。

その後私は結婚し息子が生まれたところでFF11をやらなくなってしまった。

彼は今でもプレイしているのだろうか。

まあここまで書いておいてオチらしいオチはないのだけど、こちらの記事を読んだらそんなことを思い出してしまった。

オンラインゲームで過ごした時間を無駄だという人たちがいるが、私はそうは思わない。

野球に青春をかけたけどプロ選手になれなかった人たちなんてたくさんいるだろう。

そういう人たちだって意味のない時間を過ごしたと思わない。

何よりその時間は楽しかったのではないか?

野球にそれを見つける人もいれば、ネトゲに見つける人、ソシャゲに見つける人もいるというだけである。

誰かにとってそうやって時間をかけてよかったな、と思ってもらえるようなゲームを作りたいと思ってつくっています。

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