コンテンツを作ることとプロダクトを作ることは違います
■コンテンツとは
web上で一番わかりやすい説明がこちら
第22回 コンテンツ | 10分でわかるカタカナ語(三省堂編修所) | 三省堂 ことばのコラム
映画・音楽・ゲームなど「情報の中身」のことです。 もともとコンテンツ(contents)とは「中身」を表す言葉です。しかしながら現在この語が登場する多くの文脈では「情報の中身」のことを表します。つまり、CD-ROM やインターネットやデジタル放送などの電子媒体を通じてやり取りされる、映画・音楽・番組・ゲームなどの情報やサービスのことをさすわけです。 ...
でも、もう少し深堀してほしい感じです。
「表現のビジネス」という書籍が出ていて、ちょっと古いですがこれが一番ちゃんと説明されている文献です。
ゲームプランナーの新人の子にはこの本を一番最初に読んでもらいますね。
「コンテンツ」という言葉の定義がずれると、かなり作業がやりにくくなりますので。
■プロダクトとは
こちらの定義がわかりやすいですね。
プロダクトの意味や使い方 Weblio辞書
「プロダクト」| 製品のこと。Weblio辞書では「プロダクト」の意味や使い方、用例、類似表現などを解説しています。
製品のことです。
■コンテンツとプロダクトの違い
※ここからは私個人の解釈の側面が強いです。
製品のスペックで優劣が決まるのがプロダクトです。
スペック的な優劣で決まらないのがコンテンツです。
車で何馬力でます、という部分はプロダクトですし、見た目の面白さの部分はコンテンツになるわけです。
なのでこの商品はプロダクトでこの商品はコンテンツ、という分け方は難しいわけです。
一般的に優秀なプロダクトの作成はゴールがわかりやすいと思います。10万馬力を目指して10万馬力でたら成功です。
逆にコンテンツの優秀さはわかりにくいですね。優れたデザインであっても大衆の目鼻を集めないものはたくさんあります。
特にその時代時代に即してものが求められるものが変わるのが、コンテンツの特徴な気がします。
■コンテンツを作っているのか、プロダクトを作っているのか
ゲーム制作においてこの違いを考えるべきです。
何ポリゴンでます、というのはプロダクトの部分だと思います。
なのでプロダクト的な作り方をするべきです。
3Dのキャラクターを作るときに、素晴らしいプロダクトであれば10万ポリゴン使用できるかもしれません。
そうでなければ1万ポリゴンかもしれません。
ただし、1万ポリゴンの方が高い評価を受ける可能性があります。
それでも10万ポリゴンの方が高い評価を受ける傾向があるとはいえるのではないでしょうか。
■ゲームを作るときに
ベースの部分はプロダクトとして作成するべきです。
決まったスケジュールで淡々と作る。
大体競合他社の上位2割くらいに入っていれば問題ないのではないでしょうか。
特にこだわりたいところだけコンテンツとして作るべきです。
こちらは100人いたら1番にならないといけないです。
1000人なら10番目までには入る感じですね。
なのでこの部分はプロダクトとして作る、この部分はコンテンツとして作る、と分けて考えてスケジュールを組むべきです。
プロダクトの部分は作り直すべきではなく、ちゃんとした予定を立てて実装する。
コンテンツの部分は何度でも作り直す予定で作成する。
ということはコンテンツの部分の割合が大きくなるとスケジュールが破たんするわけです。
それを考慮して予定を立てないといけないですね。
■職種による特徴
デザイナーさんは全部をコンテンツと考えがちです。
作る、差し替える、が頻繁になりますよね。
悪くはないのですが、プロダクトとして最低限の機能を果たすものを最初に作成して、残りの時間でコンテンツとしての価値を高めるべきですね。
プログラマーさんは逆にプロダクトと考えすぎ。
ちゃんとして仕様書が用意されてて、変更が少ないものを望みます。
ただそのやり方だと、コンテンツを作るという観点では適していません。
100人の中の1番を狙うのであれば、試行錯誤は必須になってきます。
作業分担のところでコンテンツ部分ばかり引き受けていると、作業が破たんしてしまうのでバランスが大事です。
ディレクターとかプランナーさんは、どこをコンテンツとして作成するか、どこをプロダクトとして作成するかを考えて作業割振りを作らないといけません。
そしてそのバランスで作成したら、市場にとってバリューがあるというめどを持って取り組まないといけないです。
そのバランス取りがゲームデザインなのではないでしょうか。
働き方改革で今までよりもより計画的な制作体制が求められます。
コンテンツを作る部分だけを見ると、ブラックな印象が強まることが多いです。
それでも市場で価値を生み出すのであれば、こだわり所でしょう。
大事なのはその部分をちゃんとチーム員に説明することで、納得いくような内容であることでしょう。
黙っていてもわかってもらえる、という時代ではなくなってしまったのでちゃんとやらないとですね。
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