興味深い内容が多かったので、ところどころを引用しつつ、独り言をつぶやいていきたいと思います。
■世界累計販売数5500万本を超えるゲームソフト『メタルギア』シリーズの生みの親。
メタル3が出た後に1500万本くらいだった記憶があります。
2007,8年くらいかな。そこから4000万本増えているのか。
やっぱりマルチ展開であったり、HD対応なんかをやっていくと詰みあがっていくんですね。
プラス、総数で売れる数が増えているのでしょう。
■「作家性」ですか? う?ん、でもモノづくりをする人間であれば、誰しも必ず「作家性」って出てくるものだと思いますけどね。
以前インタビューで、なんでゲームの最中にふざけるシーンを入れるんですか?という質問に「それが自分の作家性だから」と答えていましたね。
小島監督は作家性という言葉をよく使うのですが、表現しないと気が済まないもの、という意味で使っているように思います。
それが世の中に受け入れられているからヒット作家なのか、そういうものを隠せない人に魅力があるからヒット作家になるのか、どちらなんでしょうね。
■いや、めっちゃ大変でしたよ。僕のようなプログラマーでもデザイナーでもないド新人が言うことなんて、まず誰も聞いてくれませんから。
これMSX版のメタルギアのプログラマーさんって、すごい人だったみたいですね。
MSXは結構スペックが低いんですよ。それでいてあのゲームを作り上げるのって本当に大変なので、そりゃそうなんでしょう。
先輩で能力が高くて、あれだけのものを作っていたらそりゃ新人の言うことなんて聞いてくれないでしょうね。
それでも何とかしようとしていた経験が、小島監督の能力の底上げをしていたのかもです。普通だったらあきらめたり妥協したりしますから。
■だからこそプロデュースから自分でやりたいんですよ。デル・トロやレフンだってそうです。要は自分で財布を管理することが大切なんです。
これ本当に大切です。
財布の管理をするということは管理だけすればいいということじゃないんですよ。
モノの値段を知って選ばないと駄目です。金の価値がわかってない人に出資してくれる人はいませんよ。お金がらみの交渉は本当に大変ですし。
管理職を嫌がるクリエーターは、この能力で躓くことが多いので気を付けたほうがいいです。
■現場に立っていないと十分な体制を整えることができない。結果、失敗する。直近の成功例がないから、こういうインタビューでも昔の成功談ばかりになるんです(笑)。
そうですね。
私はくしくもずっとディレクターをやっています。
私くらい長いことやっている人は少ないです。
成功していればプロデューサーになっちゃうし、失敗していると外されますから。
結果論ですがプロデューサーの時もディレクター兼任しないといけない状況ばっかりだったので続けられているのです。
これ確かに続けていなかったら、どこかで大きく間が空いていたら、できなくなっていると思いますね。
■ロクでもないプロデューサーや代理店が世の中にはうじゃうじゃといるんですよ。むしろいいプロデューサーなんていないと思ったほうがいい。
そういう人たちがどこからともなく寄ってきては「君には才能があるからこれをつくりなさい」ってどうしようもない企画を渡してくる。これは海外も同じです。
まさにそうですねえ。そういう人が多い。
でも私はゲーム開発って大喜利みたいなもんだと思っているんですよ。
プロデューサーが出してきた変なお題で、面白く作るのもディレクターの腕の見せ所だと思います。
そう考えると小島監督と私の作家性は、大きく違うと思いますね。
■『デススト』は見た目のリッチさに対して開発陣は100人弱と、とてもコンパクトなことに驚きました。
オープンワールドなのに人はほとんど出てこないでしょう? そこに開発コストを割かないためですよ。敵(ゲイザー)が目に見えないのもそうです。
この辺りはデスストの感想を書くときに詳しく描きます。
今はラスト手前で止まっている…。
■『デススト』に限りませんが、僕の作品はいくら説明してもだいたいみんなわからないんです。
これは大なり小なりどのディレクターも抱えている問題です。
これで面白くなると確信した仕様があっても、プログラマが思った通りに実装してくれないことが普通にあります。
ディレクターやったことがない人は理解しにくいでしょうね。そういうことがあるから私はいまだにプログラムもやるのですよ。
いざとなったら自分で実装する。それがないと面白さを担保できないのです。
■コンシューマーでも加速していくと思います。だって隅々までプレイするのに50時間や100時間もかかるゲームを、一度にまとめてリリースする必要性が本当にありますか?
そうですよね。というかもっとベースのところを多種出すべきなんですよ。
最近冒険したような仕様のゲームが少ない。
常に一定の新しいものが受け入れられている、そういった状況にないとゲーム業界自体が縮小再生産になってしまう。
おそらく小島監督はこのやり方で売れそうなネタがすでにあるんでしょうね。小島監督が未来予測ができるわけでなく、そういった市場を切り開いていくから未来が見えるように見えるのだと思います。
とまあ、インタビューの感想はここまで!
■小島監督マニアなんですよ
小島監督のインタビューはためになることが多いですね
ちょうど10歳年上なので、常に自分の10年後の目標になっています。
小島監督もあと10年たつと66歳。さすがにそこまで現役かどうかは謎ですよね。
ちょっとでも差が縮まるように、私も精進したいです。