本日はゲームデザインの話を。
まず見てほしいのはこちらの記事。
これを読んでもらったのちゲームデザインとして有効な手段の提供の話をします。
■調整不足なの?
調整不足ではなく単純にゲームデザインです。
おそらく「あつまれどうぶつの森」は効率よくゲームさせることを排除する、というゲームデザインで制作されています。
しずえさんが役に立たない放送しかしないのも、何度も同じことをさせられる割には狙ったアイテムが取れないのもゲームデザインです。
その割には攻略法も存在していて、それに気が付くと感心させられるます。
しかしながらどの攻略法も効率よくできない方法で実装されているのです。
※花の交配方法がそのままですよね
「今のままでもある程度面白いけれども、こうなっていたらもっと面白いのに」という状態があって、「それを実現することが可能」というゲームデザインは非常に有効なのです。
■具体例を
一番すごいなと思うのは、島のデザインが一筆書きで回れないように設計されているところです。
高低差や川を絶妙に配置することでそれを実現しています。
島デザイナーや橋やスロープをかけることで、その状況を打破することはできます。
しかしながらゲーム中のお金を集めるのが一気に実現するのが困難であり、それが実現できたころには「あつまれどうぶつの森」をプレイすることが習慣化されている状態になっています。
100日間プレイを続けていたら「飽きる」よりさきに「やらないと気持ち悪い」になります。
その状態にすることができたら勝ち確定なんですよ。
実現させるためにクオリティの高い家具を豊富に用意して、簡単に揃えられないようになっているのです。
なので「簡単に家具をそろえられない」のが正しいのです。
多分ですがジョニーにしてもゆうたろうにしてもジャスティンにしてもレックスにしても、決まったルートで島を回るということをさせないためのキャラクターなのです。
調整不足であるわけがありません。
■習慣化する前にゲームが作業になったらおしまい
ある意味島が思った通りに作り終わって、家具がそろえられたらもうゲームが作業になります。
そうなるとゲーム体験としては価値が下がってしまいます。
最初から家具がそろえられるようになっていて、島の巡回が決まったルートでしか行われないようになっていたとしたらそれはゲームプレイではなく作業ですよ。
「FGO」もそうなんですよ。
宝具演出のスキップができないようになっているじゃないですか。
あれは作業にならないようにしているのです。
・宝具演出を見ることによって作業ではなくゲーム体験にする。
・そのため宝具演出作成には一番労力を割く。
ちゃんとゲームデザインとして理にかなっているわけです。
今はネットを見ると攻略法がたくさん出てきます。
昔に比べて「やり切った」と思えるまでにかかる時間が短縮されている。
なので昔に比べて揃えないといけないものを高クオリティでたくさん揃えないといけないのです。
※当然ただ作ればいいのではなく価値がないと駄目ですが。
そう考えると「あつまれどうぶつの森」と「FGO」、ともに売れているのにしかるべきゲームデザインになっていると思います。