昨日に引き続き、父の最後までの記録を綴ります。
■地域包括ケア病床
父以外の周りの患者さんは本当に末期のような感じで、まだまだ希望を持てる感じでした。
入院初期は受け答えもしっかりしており、不満等を口に出すこともありました。
そして病状が安定し1ヵ月くらいたったところで一時退院の提案を受けます。
私としては入院したばかりの印象で、どうにか落ち着いたという感じのところだったのですが2か月で退院ということを考えると1ヵ月くらいのところで次にどうするかを考えないといけないということでした。
- 家で療養する
- 別の施設(ホスピス)などに移る
という選択になるのですが、家で療養するとなると
- ケアマネージャーを決定する
- 担当医を見つける
- ベッドなどをレンタルする
といった対応が必要となります。
確かに1ヵ月くらいで検討を始めないと間に合いません。
それ以外にも要介護認定を受けないと医療器具レンタルの補助が受けられなかったりします。
また調子が良い時に移動しないと、移動で容態が悪化するということも考えられます。
病状が安定していたので家で見とれるとよいねということで急いで上記の対応を行いました。
一番早く行わないといけないのが要介護認定になります。
対応してくれる人がすぐ来てくれるわけではないですし、その時の状況によって介護認定のレベルが変わります。
元気な時期に来てもらってそこで認定を受けると、必要な補助が受けられなくなります。
だからと言って後回しにしていると退院に間に合いません。
このあたりは一番の懸案事項になるかと思います。
ちなみに治療費以外にテレビがテレビカード(千円で10時間くらい見れる)、アメニティ(寝間着やおむつなど)などで結構な金額が飛んでいきます。
後はお見舞いに行く時の交通費も結構かさみましたね。入院費を検討する際には、これらに関しても用意しておいた方がいいかと思います。
■家での療養について
正直大変でしたね。
本人の体の自由が利かなくなってきているので、おむつを替えるのも大変になります。
父は人工肛門になっていましたので、大の方の対応は楽でしたが、そうでない患者さんはおむつの対応が一番のネックになるかと思います。
自分が参加できればいいのですが、平日は難しく土日の対応になりました。
点滴、おむつ、痛み止めの交換は家族での対応を求められます。
定期的に看護師さんは来てくれるのですが、土日であったりは家族が対応しないといけないです。
痛み止めといっても、一種の麻薬となります。
扱いも大変ですし、徐々に痛みが増えてきて強いものに移行させていくと錯乱などが起きるようになりました。
程度は低いものでしたが、点滴は医療会社の陰謀だから止めてほしい、ということを真顔で言うようなことがありました。
本人は本気で訴えますし、なんでわかってくれないんだと嘆かれると、心が痛みました。
痛み止めを強くする、錯乱する、徐々に落ち着いてくる、というサイクルを繰り返していたのであまりそういう状況が長く続かなかったことが救いでした。
■病状の悪化について
それでも家での看護を続けることができ、このまま家で看取れるのではないかと考えていたところ病状が悪化します。
夕方くらいまで普通にしていたのに夜になりたんが詰まると訴えるようになります。
その晩はどうにか寝ついたいのですが、寝るまで1時間以上目を閉じることがない状況でした。
だからと言って呼びかけに答えるでもなく、寝ているのか寝ていないのかわかりません。
夜中に起きて確認したのですが、その時は寝息を立てていたので安心して私も眠りました。
朝様子を見ていると反応が芳しくありません。呼吸も荒い感じになっています。また手足も冷たくなっています。
急いで看護士さんを呼んだところ、痰吸い機を持ってきてくれました。
痰吸い機で痰をとっても呼吸が回復せず、酸素濃度測定器で調べると数値が60以下になっています。
こういう機械があるということを初めて知ったのですが、呼吸がしっかり行われていないと酸素濃度が下がります。
これが60を下回ると救急車を呼ぶ状況とのことです。
ここで看護士さんに忠告を受けます。
救急車を呼んでもいいが、たぶんここで入院するともう戻ってこれない。家で看取りたいなら救急車を呼ばない方が良い。
救急車で運び込んでも、本日持つかどうかはわからない。
悩みはしましたが、再び入院することにしました。
■延命治療
救急車で病院に入り、再度病院の医師に確認を受けます。
「どこまで延命治療を行いますか?」
「酸素は入れますか?」
「血圧を上げる薬は使いますか?」
とりあえずともにイエスという返事をしたのですが、このあたりは任意になります。
この段階になるとすでに延命治療ということになるのだと思います。
結果この治療を受け入れることで体調は若干持ち直し意思の疎通ができるところまで回復します。
ただ口から水分をとることはできないようになり、日中をほぼ寝て過ごすことになります。
ここで延命治療を選択したことは、今でもよかったのかどうかわかりません。
家ではなく病院で身体の自由がきかない状態で、辛い痰取りを毎日行うこととなります。
本人のためということではなく、家族としては心の準備ができた良い期間でした。
いきなりいなくなるとつらいですが、最後に入院したことでいない状況ができこころの準備ができました。
覚悟もできましたし、病院で長時間一緒にいることで最後の時を過ごせたのもよかったです。
家であればなかなかこうはいかなかったかと思います。より身体の自由が利かなくなっていたのでおしめを交換するのもできなかったかもしれません。
床ずれのために4時間ごとくらいに体勢を変える必要があるのですが、そちらも難しかったと思います。
夜中の痰取りの対応も難しかったと思います。
痰取りは家庭で対応される方もいらっしゃるようですが、非常に難しいと思います。
ある程度覚悟をしていたつもりでしたが、思ったよりも終末対応というのは難しいと感じました。
■最後
この入院は思ったより長引きます。
結果1カ月ほどの入院になったのですが、その間にしっかりとした発言は数えるほどです。
ある日の午後に痰の色がありらかに変な色になり、その夜になくなりました。
血圧や酸素濃度は入院直後の方が低く、なかなか数値からはわからないと思います。
病院から連絡が10分後には駆けつけたのですが、すでに息を引き取っている状況でした。
とりあえずつらつらと書いていきましたが、何かしらの参考になると幸いです。
また亡くなったあとのお通夜、お葬式に関しても記載していきます。
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