先週チェイサーゲームの感想で声優さんにまつわる話を書いていたら、あんまり本編と関係ない話が多くなってしまいました。
本編に関係ない話をこちらに切り分けました。下記の内容を先に読んでいただけると話が分かりやすいかと思います。
それではゲーム制作と声優さんの関係について書いていきます。
■一番うまいと思った声優さんは
・ゲーム → セリフは繰り返し聴くもの
・アニメ → セリフは流れの中で1回だけ聞くもの
といいうことを書きました。
この観点から行くと私的にうれしい声優さんは「よどみなくセリフを話す方」ということになります。
この点でいうと日高のり子さんが最高でしたね。
いやあ、ほんとうによどみがないんだっていうことはこういうことなんだ、って思いました。
詰まったり、リズムが変わったりすることがない。一切濁らない。
全部一発OK。あとから聞き直しても全く直したいことろが出てこない。
子供のころか知っていた声優さんですが、収録に参加させていただいて本当のすごさを思い知らされました。
■音響監督さんについて
ちょっとここからは私の偏見が入ることを前提にお願いします。
声優さんはあくまでアニメ業界の人だという感覚があると思います。
それはどうしようもないことだと思うんですよね。
音声収録にあたり音響監督の方に入ってもらうことが多くなりました。
昔はゲームディレクターがそのまま対応していたような時期もあるのですが。
実際アクセントをどうしますか?というような質問になると普通のゲームディレクターだと対応できないんですよ。
同じ単語であっても地方によってアクセントを置く位置が変わります。
以前の収録がどれで撮っていたか、がわからないと後でつじつまが合わなくなったりします。
後一度あったのが、アニメのほうでキャスティングは決まっているけどまだ未収録の方。
キャラ設定とかどう話をするかとか、ゲーム側で勝手に決めることができません。
そういったときに音響監督の方がいらっしゃると、対応できる範囲が一気に広がります。
ただいいことばかりでなくて、求められる演技がアニメ寄りになってしまいます。
もっとクリーンな音声が欲しい、という場面であってもアニメなどでOKが出ているような演技であればそのままOKが出てしまうことがあります。
ゲームディレクターとしては取り直したいのですが、もうその方がOK出してしまうと、こちらは口をはさみにくくなってしまうんですよね。
そのあたりは、あらかじめ収録の前に打ち合わせをしておいたほうがいいかもしれません。
■若手声優さんとゲーム制作者について
「色がついていない」方がいい時がある、ということを書きました。
これかなりマイルドに書いてあるんですが、今のゲーム制作者は若手声優さんを使い捨てみたいに扱っていないです?
アイドルっぽいことをしてもらうのはいいのですが、育てるとか声優さんとして成長してほしいとかいう観点が抜けているような気がします。
「声優さんはあくまでアニメ業界の人だという感覚があると思います」というところとの対になるのですが、あまり自分たちの業界の人だと思っていない感じがするんですよ。
確かにしょうがなくて、アニメだと割と頻繁に声優さんと顔を合わせるでしょうけど、ゲームだと売れている作品でも続編の収録が3年後とかになってしまいます。
でもだからと言ってぞんざいに扱っていいとは思いません。
本当に声優さんとして頑張りたいと思っている方、声優さんとして活躍してほしい方を選んで、ともに成長してほしいです。
それがないといつまでたっても声優さんはゲーム業界の人であるという感覚になっていかない。
それがないと本当にいいゲーム作品を作るということにつながらないと思います。
■いいなと思ったこと
最近2点、声優さんでいいなと思ったことがありました。
羽海野先生の素敵なイラストを見ていたらうずうずして、関係者の皆さまの許可をいただき、ひなたちゃんの呼びかけに家から音声をつけさせていただきました。いかようにもしてくださいませ!健やかに過ごすためのお力になれますように…!
— 花澤香菜 (@hanazawa_staff) April 21, 2020
#てをあらおう pic.twitter.com/ljlAn9gAbU
「のだめカンタービレ」
— 二ノ宮知子 (@nino0120444) April 22, 2020
Caesurae(チェズーラ)
声:関智一 川澄綾子 pic.twitter.com/Cc6i5FEkWJ
見ていたらうずうずしてきて、というのがいいですね。
そういう人が天職の方なんだと思います。
動画の力ってすごいんですよ。
ゲームだとなかなかこのスピード感って出せないし。
ゲームもこういった対応ができないと、置いていかれちゃうという危機感があります!