CGWORLD 2020年5月号の感想を書いていきます。
あくまで自分的メモという位置づけなので、独断と偏見がありますがそのあたりはスルーしてもらえると助かります!
■第1特集:CGキャラクターLAB
・Case 01 TV Animation 『ヒーリングっど?プリキュア』エンディング映像
プリキュアは子供がもっと小さいころに見てました。
エンディングはすごくよくできているなと思ったものです。
現バージョンは7万ポリゴンくらいですか。
アニメーションがつけにくいから抑えめということですが、それがなかったらもっと使うんですかね。
こういうムービーはいまだにレンダリングなんでしょうか?
動的にポリゴン分割とかやっているのかが気になります。
ハイライトを設定どおりの形に固定したいのでオブジェクトにしてしまう、というのは何気に参考になるポイントです。
そういった細部がちゃんとしていると公式感が増すんですよ。
スカートの形状の工夫、髪の線の抜き用にマテリアル単位でラインを生成するようにしている、表情にニュアンスを出すためにまつ毛に色のついたグラデーションを入れる。
かわいく見える工夫だったり、参考になるところがてんこ盛り。
角度ごとの表情を設定どおりにするのはリグで調整。これリアルタイムでゲームに活用できるかな。
絵としてよい状態がわかっているので、表現であったり動きの修正ができるわけです。
そう考えると、やっぱりデッサン力って重要だと思う。デッサン力+見栄えのいいポーズや動きがわかる、が正解か。
どのカットでキャラクター性を魅せる、特徴的なカットの作成、カメラワーク、背景の効果的な設置にポストエフェクト。
いやあ、これ実現するのにどれくらいの技術や知識が必要なのか。
・Case 02 Short Animation『0.2秒の物語』
まずはちゃんとした絵コンテが切れることとAfter Effectの効果的な使い方がわかっていると一気にクオリティが上がる。
After Effect触ったのももうかなり昔なので、もう一度最新機能を見てみる必要があるな。
モデル形状、デザインは普通だけど高い水準で普通をそろえるのは、何気に大変な作業。1個でもチェックに手を抜くと一気にクオリティが下がる。
この手のショートムービーを作るには、どうしたら工数が少なくて見栄えの良い映像になるかがわかってないとですねえ。
1個1個のチョイスが工夫にあふれている。
・Case 03 Indie Game『ジラフとアンニカ』
正直クオリティとして厳しい。インディーで作る人はこれくらいはやらないとという指針にはなるか。
デザインやモデル、動き、あんまり参考になるものなし。
・TIPS VR「ボーンデジ子」for バーチャルマーケット
ハイポリからローポリへの移行するときの参考になる。
PS2くらいでゲーム作成していたころを思い出します。
このやり方を参考にするというよりも、当時作成していた人を連れてきてどうすすればいいのか確認しながら作業したほうがいいですかね。
こういった技術が失われつつあるのかも、というのがちょっと面白い。昔の3Dモデル技術書とかもういらないから捨ててしまおうかと思ったけど、残しておいたほうがいいな。
■第2特集:デジタルの強みを活かすイラスト制作
・Illustration Making 01 3DCGを取り入れて描くキャラクターイラスト
確かに武器とかは3Dツールで作成したほうがよさそうではありますね。
パースを確認するのにも適している。
エフェクトを入れるなどのレタッチもやりやすいでしょうし、カードイラスト系だとこの作成方法のほうがよさそうですね。
・Illustration Making 02 3DCGならではのディテールやレイアウトを活かしたイラスト
イメージボードとか見るの好きなんですが、使いまわすなら3Dのほうがいいですね。
設定資料として使用するにしても、隠れたところがどうなっているかとか、時間帯によっての光の当たり方なんかも考えるとこっちのほうがよいことが多そう。
建物とキャラクターの大きさの比率もわかりやすいし。
こういうベースがあると、版権イラストとか作りやすいかと
・After Effects TIPS イラスト制作で使えるAfter Effectsテクニック
After Effectsを使いますか。道具はなんだっていいですよね、それでクオリティが上がるのなら。
スマホで書く人も筆ペンで描く人もいるわけですし。
簡単そうにみえますが、彩度明度のバランスが重要だったり、色合いの選び方次第でありきたりになってしまうので基本的なデザインセンスがないとできないと思います。
■特別企画&連載記事
・TVアニメ『神田川JET GIRLS』
ゲームで出てきてた時はかなり見栄えのするキャラクターだなと思いました。
個人的に好きな体形でないので、モデル評価は見送ります。
結構リッチなつくりなんですね。お金がかかっている感があります。
ベースをしっかり作ってあると、後になって楽なんですよね。
・TV番組『超人女子戦士 ガリベンガーV』
批判を恐れずに言えばVTuberって全般的に作りが「安っぽい」のです。
まあ企業で作るような時間や金をかけたものではないですから、しょうがないのですが。
そういったところより、バリエーションを出していくほうが大事なのでしょう。
昔のイラストも同じ感じで、顔はかけてるけど身体がなあと思うことが多かったのですが同じですね。
そのうちできる人は残って、そうでない人は消えていくのも同じ流れになるかと思います。
・Game Graphics Studio
Cygamesはすごい能力の高い人たちがどんどん入っています。
コンシューマ参入してからなかなかゲームが出なかったのですが、プロジェクトマネジメント的なところで詰まっていたのかと思っていたところでリリースされた作品ですね。
正直ソーシャルゲームほどの売り上げは出せていないかと。
良いものであるということだけだと売れないですからね。
グラフィック的には正しいと思うし実際良いと思うのですが、ゲームとしてよいかどうかは別の話。
ここまで見栄え優先だとプログラマは作りにくいかと。動きを作ってから見栄えを対応させたほうがいいと思うのですが。
・アニメCGの現場
うーん、すべてにおいて古臭いな。
別に古いことをやりたいなら古い技術でやればいいと思うのですが。
新しいことをやるのに古いものを引きづっているからかっこ悪い。古いものでもかっこいいものはたくさんあります。
・VFXアナトミー
これも古臭いな。
映画の中で効果的に使われているのであればまあいいと思うのですが、正直こういう映像が出てきたときにがっかりしちゃうのは事実です。
・世界大諸説史
かっこいいですね。テクニックとしてすごいという感じはないですが、作ろうとしているものがかっこいい。
世界観作るのは苦手なので、ちゃんとこういった絵作りのディレクションができるようになりたい。
・Phenomenal Things
クリーチャーって元がないから実は作るの大変です。
こういった作り方をいくつも見て、どう作るといいのかをストックしておかないといけません。
・画龍点睛
こりゃまたかっこいいな。
花一つとってもライティングや見せ方で見栄えが全然変わるという良い例。
CGの技術も大事でしょうが、頭の中にあるものがよくないとどうしようもないのでしょうね。
・アニメーションスタイル
この連載いいですね。本にまとまってほしい。
3Dキャラクターのアニメーションを、アニメの文法に沿って見栄えよく動かすには、という技術を教えてくれる人は少ないと思います。
プログラマーとして自分で動きを付ける分には気持ちよく動かせるのですが、他人に作ってもらう時には言語化できてないといけません。
一瞬動きを止めるとか、早めるとかでかなり気持ちよさが変わるのでこの辺りは試行錯誤しないと身につかないかもですが。
・ACADEMIC meets INDUSTRY
関節ジョイントの理論に関しては、かなり参考になります。
すでにゲームで採用されているものあるのか?
こういった理論をいち早くゲームに組み込んでいくことで、そのゲームの技術的売りを出すことができるのです。
■最後に
好き勝手感想を書かせてもらいました。
今回は固いのも柔らかいのもためになる特集が多かったですね。
技術的側面で参考になるものもありますし、デザインとして参考になるものもあります。
徐々に知識レベルが最新ゲームを作るレベルに戻ってきた気がします!