今回は「猫物語:黒」の書評を行っていきます!
今回の書評は結構ネタバレしますのでその前提でお願います!
■本編のテーマ その1
いくつかあると思うのですが、以前の物語シリーズの書評でも書いたのですが
「なんで阿良々木は羽川と付き合っていないのか」
というところなんだと思います。
西尾先生は男と女がくっつくか離れるかみたいなところで引っ張って面白さを出すのはあまり好みではない様子。
というか本シリーズではそれをやりたくなかったのか。
もうすでに阿良々木は戦場ヶ原と付き合っているのですが、羽川と付き合っていないことに理由付けがないと話に矛盾があるように思えて気になって仕方がありません。
シリーズ化を続けるにあたりそこをはっきりしておかないと話を進めにくかったのでしょうね。
そのテーマに対してちゃんとした決着をつけています。
■本編のテーマ その2
もう1個のテーマがある程度ネタバレしている話をどうやって魅力的に書くか。
当初の予定だと、あまりこの話の詳細は描きたくなかったのかなと。
書きそうで書かない粋みたいなところを出したかったのかな、と思っていました。
でも書かないといけないとなるとネタバレしているものを面白く終わらせないといけません。
シックスセンスの落ちを知っている人に対してもおもしろい、新しいシックスセンスを作るのは大変じゃないですか!
それをやるのは面白いかな、というところがモチベーションだったのかもしれません。
本編らしいところが始まったのが半分過ぎてから、という部分はあるにしてもかっこよくやり遂げた感じがします。
話を面白くするだけでなく、「本編のテーマ その1」をやり切ってこっちのテーマも終わらせたところが素晴らしいですね。
■月火
裏テーマとしてここまで月火があんまり活躍していないなあ、というところがあったのではないでしょうか。
前半1/3において月火が出っぱなしです。
恋愛トークであり下着トークだったりするのがシリーズの特徴というか。
名前を冠した前作よりよっぽどセリフが多いのでは?
この前半1/3までで、メイン登場キャラクターの紹介が終わった、という感じですかね。
私は下の兄弟がいないのでよくわからないのですが、こういった掛け合いは面白いですね。
女友達との会話って面白いじゃないですか?
恋愛関係に発展しない異性との会話は、そういった面白さがあると思います。
物語シリーズにおける男女のぶっちゃけトークを展開するポジションですかね。
次回の活躍にも期待度大です!
■羽川
そうですね。
キャラクター論的に言うと羽川は面白くないんですよ。
弱点がないと魅力が出にくいんです。
破綻していない人はつまらない人であったりもします。
そう考えるとヒロインとしてはいまいちなんですよね。
ただいつでもとってかわることができるジョーカーとしては最適だったりもします。
ライバルが強いのは名作の証ですしね。
そういったポジションに羽川を置いて、ここからさらにシリーズを展開していくわけですね。
■次作は
「猫物語:黒」です。
なんで!なんでここまできれいに話がまとまったのにもう1回羽川さんの話をやるの?
そのあたりは非常に楽しみですね。
この書評を書き終わった後すぐに読み始める予定です!
こちらの書評もすぐに上げられるかともいます!