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【息の根を止めにきた男、降臨。 ゲーム業界お仕事マンガ】『チェイサーゲーム』第35話 ラストリコード(2)感想!

更新日:

https://www.famitsu.com/serial/chasergame/202009/28206485.html

いやあ、今回もチェイサーゲーム飛ばしていますね!

とんでもないキャラクターが登場しました!

結構なリスクを負ってお話を展開しています。

CC2さんは実際にデベロッパーとしてゲーム開発されているわけじゃないですか。

そんなつもりがなくても仕事を依頼したことがある人が、「ひょっとしてこれ私がモデル?」とか思われるとつらいわけですよ

でもそれが起きないようにおっかなびっくりやっていれば、話が面白くなくなりますからね。

そのあたり振り切っているのでしっかりと面白いです!

それではさっそく感想スタート!

■デベロッパーからの企画提案

さらっと書いていますが、これ簡単なことではないのです。

パブリッシャーにいたときはたまにデベロッパーさんからの企画提案が来ましたが、通したことはありません。

そりゃそうですよ。

内部で自分の企画を通したいというメンバーはいくらでもいます。

大体自分自身もそうですしね。だれしも自分の企画でゲームが作りたい!

会社の規模により年間予算は決まっていて、リリースできる本数はそれにより制限を受けます。

要は枠の取り合いなのです。

外部からその枠を取るというのは、内部からの企画よりよっぽど優れていないとできないことです。

■ゲーム化権の取得

ゲーム化権というのはわかりにくいかもしれませんね。

まあ文字通りゲームを作る権利です。

これがないと大体は作れません。

漫画やアニメなどのゲームを作る時にこのゲーム化権を得る必要があります。

これを得るためにはパターンがあります。

一番の王道はアニメの製作委員会に入ることですね。

アニメの製作委員会に入るということは、アニメ化させるために何らかの出資を行うということです。

アニメ制作にはお金がかかるので、グッズやゲーム化の権利をもらう代わりにお金を出すのです。

ゲームの場合実際にお金は出さないけれども、ゲーム化した時の売り上げを製作委員会に計上するという形で出資するパターンもあります。

また製作委員会のゲーム化権を持っている会社さんから、制作業務を引き受けるということもあります。

これは正確にはゲーム化権を持っているわけではないですね。

また版元と交渉してゲーム化権を得ることもあります。

版元とはいわゆるジャンプの漫画のゲーム化だったら集英社さんですね。

版権管理の部署などがあるので、そこの方と交渉します。

ライセンスアウトしてもらえれば売り上げの一定の割合や、決まった金額を払うことでそのIPのゲームを作ることが出来ます。

ただしどれだけライセンスアウトするかは版元さん次第なので、他社にもライセンスアウトしていれば似たようなゲームが同時に出てしまうこともあります。

製作委員会に入るには資本力と、会社の実績が重要です。

会社が倒産しました、今期は売り上げが悪いので出資できなくなりました、ということが出てくると最悪アニメ制作がとん挫します。

なので主に大手パブリッシャーにゲーム化権が与えられることがほとんどです。

それもほかっておけば向こうから話が来るわけではなく有力な原作のアニメ化であれば、どのようにゲームを作り売り上げを上げるのかというプレゼンをおこない獲得します。

これだって取り合いなんですよ!

■何故こんなことになっているんですか?

うむ。この魚川さんのセリフ割とよく言いますし、よく聞きます。

傍から見るとなんでこんなことになっているんだ、ということはよくあるんですよね。

でもチームの中にいる人たちにも事情があり、いったんそこにはまると抜けられないんですよね。

「7回作り直している」

うーん、これはだめなパターンですね。

1か月で作ったプロトタイプだけで、ボツかどうかを決めるには早すぎるのではないですかね。

とりあえず作り直してみよう、というのは悪くない手なんですが7回もただ作り直しているだけならやり方がおかしい。

1か月に1パターン、3個作ってその中で一番いいやつをクリーンアップするとか、どれかをベースに他の要素を足すとかいろいろできたはず。

まあこの辺りは何か理由があるかもなので、お話の詳細を待ちましょう。

魚川さんの「決めればいいだけの話でしょう」というのはしびれますね。

まさにこれが本質。

仕様を決めるときに「これで作れば絶対にユーザーに受け入れられるんでこれでやります。」と言い切れるかどうかは大事な要素です。

言ったところで実績がないと認められるのは難しいですけどねー。

■更木さん

来ない責任者、遅れる会議。

そしてキャラの濃いプロデューサー!

よく見た光景だ!

いやあ明らかな悪役として更木プロデューサーが登場しました。

さっそく更木さんアイコン作りましょうよ!

こういう人は普通に開発現場を知らない読者さんたちには嫌悪感しかないかもしれませんね。

実際にこんな人いないですよね?という疑問があるかもしれません。

現場にはもっときっつい人がいますよ、というのが私の答えです!

更木さんから失礼要素を薄めた人が上司だったことがあります。

あと私自身が更木プロデューサーに近い感じだったこともあります。

なんでそんなことになったのか、なんで成り立つのかというあたりを私視点でお話します。

■普通の人だとつまらない

普通の人が普通にゲーム作っていも面白くならないですよ。

あとちゃんとした人は残念ながら人間的な魅力に欠けるのです。

ちょっとだけかかわりあう人なのであれば、破綻している人のほうが面白いですよね。

自分が漫画家で、作品をアニメ化することが決まっているとしましょう。

ここに二人のプロデューサーがいます。

一人は「このアニメのゲームは10億の売り上げが見込めるので10億の売り上げのゲームを作ります。」といいます。

もう一人は「このアニメのゲーム、私が作れば100億の売り上げを出します。」といいます。

どちらに仕事を任せますか?

そりゃ100億のほうは怪しいですよ。でもどうせゲーム化されるのであれば100億だっていう人にかけてみたいと思いません?

明らかに100億のほうに人間的な魅力があるんですよ。

でもまあそういうことを言う人は、傍若無人だったりするわけです。

失敗することや嫌われることを恐れない。

100戦100勝は無理でも、自分だったら1回の勝利で何回かの敗戦なんて吹っ飛ばすことができる。

更木さんがこのタイプかどうかは定かではないですが、私が知っている更木さんタイプはこう言う考え方をしている人が多かったですね。

■誰でも最初がある

また別のパターン。

あなたが盲腸を切らなくてはいけない状況になったとしましょう。

出てきたお医者さんが、盲腸切るの初めてだって言ったらどうします?

不安ですし嫌ですよね?

でもどんなお医者さんでも最初があって、その後経験を積むんですよ。

ゲームではない別の業界からきて、最初のプロデューサーの仕事である場合もこんな感じになることがあります。

え、そんな人いるの?とお思いでしょう。

例えばアニメ業界で何本もヒット飛ばした人がゲーム業界のプロデューサーになることがあります。

その人と組んで何度も大儲けしてきた人たちは、「その人がプロデューサーならば」ということでIPを預けてくれることがあります。

このタイプの人は最初失敗することが多いのですが、流石に他の分野で成功しているだけあってその後修正してくることが多いです。

新規に雇ったゲーム会社もそれを見込んで最初は好きにやらせてみようとなることがあります。

■上司がこのパターン

私自身が更木さんっぽかったのはこのパターンですね。

上司が広告代理店出身の人でした。

ゲームはIPや仕掛けがほとんどで、ゲームの内容はさほど売り上げに寄与しない。

という感じの人でした。

それはある意味正解だったりもするのですよ。

有力IPを使ったゲームをAAAのようなゲームとして作成することは、実際問題難しいのです。

有力IPのゲーム化は高い売り上げが見込めます。

反面早めにリリースできないと旬を逃すことがあります。

AAAのゲームなんて開発期間が5年くらいかかるのはざらですからね。

まあたたき上げの開発者の私としては若干思うところもあったのですが、結果を出している人でもあったので試しに上司の真似をしてみました。

これが、割とうまくいくんですよ。

できるかできないかを考えずに無責任にただ自分のやりたいことを言う。

たいした指示を出さずにとりあえずプロトタイプを作ってもらって、それに対して改善要求を出すスタイルで作成を行う。

やられる方としてはたまったものではないのですが、良い開発会社さんにあたるとこれだけで仕事が進んでいくのです。

私はこのスタイルを試していた時は、年間4本のコンシューマーゲーム作成を抱えていました。

それだけでなく新規案件の企画も考えないといけない状況。

リリース時には雑誌や広告対応なんかもしないといけないし、版元への確認も必要。

そういう状況だとこのようなスタイルでしか対応できなかったりもします。

1本1本親身になっていると年間4本のゲーム作成はまず無理です。

※今ならできるような気もしますが、当時は無理でした。

■更木さんはどのタイプか?

優秀なキャラクターが一人はいると途端に物語の面白さがアップしますね!

次回が非常に楽しみですねえ。

本当にこのタイプはいるんですよ。

独立してゲームを作るという覚悟がない場合は、こういった人たちとうまく付き合っていかなくてはいけません。

更木さんのこれからの行動及びタツヤの対応がどうなるのか、わくわくが止まりません!

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