第二部完結、ということで専門学校生編の最後です!
タツヤやユーキは就職などの結論をどうつけるのか!
前話でアキラ先輩が出てきましたが、お話とどう絡んでくるのか!
では早速感想をはじめます!
■一度ついたイメージは簡単に取れない
確かにその通りですね。
ゲーム開発でも格闘技ゲームやシューティングゲームなど、一部のコアなユーザーに熱狂的に求められるゲームジャンルがあります。
確実な売り上げが見込める半面、市場が小さくなりがちです。
就職や転職で来る人たちもそれを求める人が自然と多くなりますしね。
専門性も必要なんですが、それ以外のものも作れるようになっておかないと窮地にはまってしまうことがあります。
■飲食店に圧倒的な人気はいらない
あくまで作中のアキラ先輩の意見です。
確かに確実な手かと思います。
大手ファミレスのサイゼリアはまずいものを出さない、というコンセプトを打ち出していたことがありました。
「『長く愛される店』ってなにかわかるか?」
アキラ先輩の問いにユーキは『普遍的なお店』という答えを出します。
ユーキは本当に頭がいいですね。私だったらどうでしょうねえ。
お店ではなくゲームであれば、『シリーズタイトル』だったりしますかね。
世界観とか、ゲームの根底にあるルールが気に入っているのであれば、大きく外すことはありません。
確かにそう考えると、大きく外していないということは『普遍的なもの』を提供しているのかもです。
欲しいものが欲しい程度で提供される。好みのものである。なんとなく居心地がいい。
お店にしてもゲームにしても、望まれるものは何となくなんですよ。
提供する側がそれをくみ取るしかないから、なかなか大変なのです。
だから専門学校の食堂でそれを学んでいる、というのはいいアプローチですね。
あとあと彼の思っているような成功をしたアキラ先輩が再登場するかもしれません。
■カナンが養成所に入ることを承諾
カナン大喜びですね。
そしてユーキも東京へ行かず、家族と離れ離れになってもサイバーコネクトツーを受けることを決心します。
アキラ先輩の話の後すんなりと決めたように見えるかもしれませんが、結論に至るまでに考えている総量は結構あるのではないでしょうか。
『身の丈に合った適切な場所と適切な素材がマッチしていないと不幸になる』
これが本当に正しいかどうかは不明です。でもその時のユーキにとってはこの選択をすることが適当であったのでしょう。
決断というのは最適なものを探すことでもあるのですが、最も妥当なものを選択したことを納得することでもあります。
判明させることができる最適解なんて、そうそうないですからね。
この決断でユーキもまた一つ大人になったのではないでしょうか。
アキラ先輩は物語の中に出てくる数少ない社会人、いわゆる大人です。
そういった大人に接することで、良い影響を得ているのですね。
ゲームを作るということは自分の知らない人たちに作品を届けるということです。
であれば自分の知らない人たちと交流して、影響を受けるということは非常に有意義なものであると思います。
■就職活動
そして、採用通知が来たのはユーキだけ。
うーん、現場にいる私としては「だろうね」っていう感じです。
賞を取ったような人たちがチームで自分の会社を受けに来てくれる。
それはそれでうれしいのですが、全員まとめて採用するメリットは少ないです。
何度か言及したのですが、「なんで毎回同じメンバーで作ってるの?」という疑問があります。
せっかくの専門学校なのですから、もっといろんな人と作ればいい。
それこそ、学校の枠を外れて活動したっていいんですよ!
就職相談に乗った学生の子たちでそういう活動をしてる人たちはたくさんいました。
採用する側からするとそこで何を成し遂げたかというのはさほど重要でなく、どんな経験があってそれをどう過ごしたのかということのほうが重要なのです。
賞を取るようなチームであればその人たちの経験は会社にプラスを与えてくれるでしょう。
でも一人で結構です。
会社としてはもっともっと大きなものを成し遂げないといけないのですから。
タツヤたちにとってもいいと思いますよ。
独立するというのなら別なのですが、新卒として会社に入るのであれば知らない人たちばかりのところに入るほうが成長があります。
ゲーム開発は何十人、へたすれば何百人と一緒に仕事をすることになります。
新しい関係を築く経験なんていくらあっても足りないくらいです。
■第二部の終了にあたって
第三部は2017年が舞台。私のお気に入りのキャラクターである黒田君がちゃんと入社してますね。
タツヤもチーフになって時間が経っている。
そういえばタツヤはどうやって入社したんでしょうね?
1浪したのか、中途で入社したのか。
そのあたりはおいおい明かされるのでしょう。
プロになって20年以上たちますが、いまだに専門学校生だった時のことは思い出します。
あの時の経験に助けられたことは数え切れません。
経験が勝手に活きた、ということでなく手持ちの武器がそれしかなくて、どうにかそれで生き延びることができた、というだけですが。
タツヤたちもそんなことがこれからもあるのでしょう。
あとモノローグの背景でカナンがコンビニでアルバイトしているところが描かれてますね。
これからも出番があるようで楽しみです!
第三部の開始をワクテカしながら待ちたいと思います!