CGWORLD 2021年1月号のまとめを書いていきます!
■第1特集:Unreal Engine ここが好き!
そのフォトリアルな表現力が映像コンテンツ制作者から多くの支持をあつめる、Unreal Engine。そもそものところで、彼らはなぜUEを選んだのか? バーチャルプロダクションや多画面プロジェクションマッピングなど、ノンゲームにおける導入事例を中心にUEを活用するメリットを聞いた。
UE4の特集ですか。もう今となってはCG界は右を向いても左を向ていもUE4ですから。
昔は使いにくいゲームエンジンだったんですけどねえ。
どうしてもゲームで求められるリアルタイム処理が、他の分野でも必要になってきて求められているという感じですかね!
・検証! LEDウォールを組み合わせたバーチャルプロダクション
バーチャルプロダクションって何のことだって思いましたがグリーンバックで後から背景を合成ではなく、背景をスタジオで表示しながら撮影することですか。
確かに演者さんはわかりやすいしポスプロの手間も省ける。昔だと必要な解像度が出せなかったのですが、今の技術なら比較的高価な機材を用意しなくても可能ですねえ。
でもってリアルタイムに背景を動かしたいとか、さらにインタラクティブなどうさをさせたいのであればUE4を使うのが最適と。確かにそうだなあ。
・高解像度&多画面プロジェクションマッピング
DEJIMA by 1→10『The Heart of ZIPANGU』においての活用事例の紹介。
ダンス映像の背景に使用されているという理解であっているのかな。
修正要望が多い、という要件に対して、だったらリアルタイム処理で作ったほうがいいというのは確かですね。
一度描きだしてしまったものは修正が大変だから。
とりあえずできたものに対して細かい修正を入れたいというのはあるあるなので、今後はリアルタイム処理で作成して細かな修正に対応するというのが主流になるかも。
そう考えるとますますUE4の独壇場になるのか。
まだできていない会場をとりあえずで作成しておいて、実際の会場の方に変更が入ったら対応する、というのもやりやすい。
クリスマス時期だからツリーを足そう、というのもリアルタイム処理なら対応できるしねえ。
唯一の欠点はAfterEffectなどのプリプロ対応ができないことか。クオリティの担保をそれで補っているような状態だとつらいか。
・中井 翼オリジナルキャラクター『Crow』
プリレンダーによるフォトリアルをUE4で再現、中井翼さんの『Crow』の紹介。
中井さんは11月号でも『Iroha』が紹介されていましたね。
何というか中井さんの作品は「変なところがあるのに美しい」ところがすごいですね。
どんな美女だっておかしいところはあるじゃないですか。でもそれでも美しいし、さらにそこがその人の特徴になる。
それを人工物として作るのは大変だと思うんですよ。ここはこれでよい、という基準をどこで判断しているのか知りたいなあ。
そういう点でかが得るとリアルタイムルックが実現できるのは大きいのか。
例えば髪が風になびいているのを第一印象として出したいのであれば、リアルタイムルックで確認できるほうが良い。
第一印象が良ければ、その後見た目に微妙なところがあっても「美しいもの」として認識されますから。
「リアル系のデザインではあっても、よりキャラクター化されたデザインになるように心がけています。写真のようなリアルなキャラクターではどうしても愛着がわいてこない気がして。きちんと物語が見えるようなキャラクターとして成立させるのが難しい」
というお話をされているので、同じように考えておられると思います。
100年以上生きた魔女なので肌が荒れているけれども美しい、という所が特徴になり魅力になりキャラクター性につながっているんですね。
アンシンメトリーにしているところも素晴らしい。Vtuberとかみててあんまり出来が良くないと思うものは完璧なシンメトリーになっているものなんですよね。いわゆる不気味の谷にはいってしまうし。
何も考えずにアンシンメトリーにするだけだと見栄えが悪くなるので、これなら大丈夫という判断が出来て行っているのがすごいです。
・「Avator Generator」が可能にする機械学習の教師データ生成の高効率化
教師データというのがいまいちわかっておらず。
機械学習をさせるためにその画像解析用の素体をアバターとして作成して効率化かつ多様化させよう、という話なのですかね?
確かに同じ身長でも手足の長さは人によって違います。全パターンの実在する人を用意するのは大変です。
そこをCGで補填するというのは、いろんなコストを下げることが出来そうですね。
・リアルタイムCGの今を知る「UNREAL FEST EXTREME 2020 WINTER」レポート
表題イベントのレポート。特筆する内容だけ描きだしていきます
NPR(非写実的レンダリング)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%9E%E5%86%99%E5%AE%9F%E7%9A%84%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0
エンジン改造のメリットデメリット、比較的簡単にシェーディングモデルをカスタマイズできる一方でノウハウが独自の物になりがちで、他のアニメ・ゲームへの応用や外部制作会社との共有には不向き
『ニンジャラ』は60fpsなのか。switchで実現しているのはすごいこと。みんなswitchはスペックが出なくて困っているのに。
ダイナミックシャドウを全パーツに落とすと負荷が大きくなるので影sン用のモデルを用意して対応。素体用+武器用の二つのみで構成することで、1体あたりキャストシャドウするパーツ数を最大10コアラ2個に削減できた、という情報は非常に参考になるノウハウ。
■第2特集:映画『STAND BY ME ドラえもん 2』
フル3DCG映画として記録的な大ヒットとなった前作から6年、モダンなワークフローと表現技術によって大幅にスケールアップした本作。本特集では八木竜一監督、山崎 貴共同監督へのインタビューをはじめ、正統進化のポイントとなる各制作工程のメイキングを紹介する。
・INTERVIEW 八木竜一監督・山崎 貴共同監督の作品に込めた想い
映画作成に関してのお話。
映画好きとしては面白く、作品作りの参考になるが特にCG的なところで記載するものはなし。
・INTRODUCTION 前作から大きく改変されたワークフローと制作環境
ワークフローとしては丁寧にまとまっていて素晴らしい。
ACESの採用のところなんかは非常に参考になった。
ACESに関しては下記のページの説明がわかりやすかった。
https://www.jagat.or.jp/20160420aces_report
・CHARACTER&RIGGING 表現力と作業効率がアップしたキャラクター&リギング
前作と同じように見えているがプロポーションや髪の毛の表現がクオリティアップされている。
髪の毛なんかはクオリティを左右するところなので重要。
ここが進化していないと同じものでも多作品との相対評価で「今作はクオリティが低いな」と感じられてしまう所なので。
おばあちゃんのモデルは苦労が多かったとのことで、腰が曲がっているわ着物だわ正座するわ目を瞑って異様な表情だわで、そりゃ大変ですよね。
・BG 現代・過去・未来の広大な世界を構築したBG
「前作よりも広く見せたい」というコンセプトがあったとのこと。
いうのは簡単なんですけど、単純に作業量が増えますよね…。
6種類の家屋のモデル×5つのカラーバリエーション、4種類のマンションを組み合わせている、というのはいい定規になります。
・LIGHTING 徹底的に自動化を推進したライティング
・COMPOSITE 作品世界の画づくりを統括するコンポジット
ライティングに関して、本作の私の印象はちょっと暗くないかなと思っています。
なんか日本のCG作品って全般的に暗くなりがちなんですよねえ。
子供向けなのであればピクサーのようにパキッと明るいほうがいいと思うのですが。
実際の高原のことを考えすぎなので会ないでしょうか。嘘でもいいので見栄えがいい光源のほうがいいかと思います。
ポスプロはきれいに見栄えよくされていると思うのですが、ライティングのせいで微妙な気が。
それでも日本で作成されているものの中では最高峰だとは思うのですが。
・映画に関して
前作は評判が良かったですが見ていません。今作はいろんなところで酷評されているのを目にしてます。
静止画を見ているだけですが、クオリティは高いですよね。制作工程も素晴らしいと思います。
でもまあ、息子(9歳)が観たがらないのですよね。
ちなみに息子は通常のドラえもんの映画はもう何年も観に行っていますし見たがります。
大人向けということであれば正しいのかもですが。
もう少し見た目が子供受けするような作りになっていれば見るんですけどねえ。
■特別企画&連載記事
・キャラつく! 【新連載】
バンダイナムコスタジオのキャラクター「ミライ小町」の紹介。
個人的にはあんまり興味が持てないなあ。単純にかわいく見えない。特徴がなさすぎというか…。
コンペ案だったらCのやつとかが良かったように思います。
私の周りではあんまり話題になっていないのですが、一緒に展開するキャラが追加されたりすると化けたりもするのでそうした展開に期待です!
・WALK THIS WAY 【新連載】
セミナーやイベント、動画チュートリアルなどCGWORLDを軸に展開しているスキルアップに役立つサービスを取り上げ、その美味しいところを紹介するコーナー、とのこと。
今回は現時点でのサービスの紹介。
実際CG関連でこういった動きができるのはCGWORLDというかボーンデジタルさんだけだと思うんですよね。
ここが陥落するとどうなってしまうのか…。ネット社会の中だといろいろありますけど、初心者のとっかかりを考えると書籍的アプローチも取れたほうがいいと思うんですよね。
セミナーなどはぜひ参加してみたいなあと思っています。
・HOT STUFF(Review)
Houdini 18.5の注目の機能をピックアップ。
Houdiniに関しては下記のサイトの説明がわかりやすかったです。
https://visual-shift.jp/11427/#:~:text=%E5%89%8D%E7%94%B0%E6%98%82%EF%BC%88%E4%BB%A5%E4%B8%8B%E3%80%81%E5%89%8D%E7%94%B0%EF%BC%89,%E6%A9%9F%E8%83%BD%E3%82%92%E6%9C%89%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
個人的に参考になった機能はなかったです。
まあ私の職種的にあんまり親和性が高いツールではないので。
・VFXアナトミー
映画『無頼』で使用されたVFXの紹介。
うーん見栄えはいいんだけど、特に参考にしたい感じではないですね。
ポスプロ頑張ったなあという印象。
■軽く総括
本記事で1年分のまとめを書くことが出来ました!
今年は急に仕事が忙しくなることが何度かあって、停滞している時期が多かったのが痛かった…。
もう少し早く1年分を消化するつもりだったのですが。
最初は1年分読むことで最新の情報をキャッチアップできるのか?という所に不安があったのですよ。
昔に比べて必要な知識は多くなりましたし、CGWORLDの本は薄くなったし。
でも杞憂でしたね。確かにCGに関して網羅されているものは昔ほどではないかもしれません。
ただCGWORLDを読むことによって得られた知識が、随分とその他の情報を得る上での助けになりました。
用語を知っている、見たことがあるという状態で未知の技術にあたるのと、そうでないのとでは結果は大きく変わりますから。
これからも定期的に読んでレポートを上げていきたいと思います。
2020年は網羅的にレポートを上げていきましたが、2021年からは気になったところだけを取り上げていきたいと思います。
CGに関してはもっと突っ込んだ専門書にも取り掛かりたいなあー、というのが目下の目標ですかね!