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コミュニケーションツールの落とし穴

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近畿大、全学生に「Slack」導入へ 絵文字もOK、教職員と気軽にやりとり目指す

近畿大、全学生に「Slack」導入へ 絵文字もOK、教職員と気軽にやりとり目指す

近畿大学は11月20日、Slack Japanが提供する法人向けコラボレーションツール「Slack」を25日から一部の学生に導入すると発表した。2020年3月まで試験運用を行い、4月から理工学部情報学科の学生、大学院生(約830人)が使えるようにする。その後、全学生へ順次拡大する計画だ。学生が教職員からサポートを受けやすい環境をつくり、教育・研究の質向上を目指す。 「Slack」の活用イメージ

いいニュースですね。

他の大学と差別化を図るのは重要だと思いますし、生徒と教職員との間に壁がありそこが問題であれば良い対応だと思います。

ただ若干やなことを思い出したので記載しておきます。

こういう良い取り組みに冷や水をかけたいわけではないですが、物事には良い面も悪い面もありますので。

チャットツールの導入に関して私は慎重派です。

なぜなら2回ほどひどい目に合っているからですね。

そのあたりの話をしていきたいと思います。

■チャットツール被害1回目について

最初は入社した直後。20年以上前の話。IP Messengerが採用されていて情報のやり取りがこちらで行われていました。

個人的には便利なものがあるものだと思っていたのですが、いくつか問題を引き起こしました。

1個目はこれで異性を口説く人が多かったことです!

表向き業務でだけ使うようにって導入されたツールなんですけどね。

ちなみに私は当時新人だったので真面目に使用していましたー。

当時の部署は150人位社員がいたのですが、ほとんどが20代。一番上の部長が35歳とかだったので相当若い職場ですね。

まあ若いところでみんな仲が良かったですし、口説くと言ってもさほど問題が起きたわけでもないです。

PCを落とした瞬間にツールが落ちて帰宅することがわかるので、狙って一緒に帰ろうとする人がいたりとか、同期のカップルの男の方から「彼女が別の同期の男とずっとIP Messengerでやり取りしてるんだけどどうしたらいい?」という相談を受けるくらいの被害でした。

2個目は陰口が横行していたことですね。

まあそれもあることだと思うので私は別にいいんじゃないの?って思っていました。

しかしながらあるとき会社がログを収集しているという噂が流れたのです。

どうも本当だったようなのですが、とれるもんなんですかね?手元にログが残るくらいですからサーバー管理者だったら取れたのかなと思います。

当時のサーバー管理者は部長たちと同期で仲が良かったので、そういうことは頼まれればやってそうというところもその噂を加速させたかと思います。

で、割とみんな部長の悪口や愚痴なんかをIP Messengerに流していたので、そのことに関しての不満が爆発しました!

会社からするとログをとっていることは認めないですし、仮にとっていたとしても業務でしか使わないように言っていたので問題はないはずなんですがね。

その後部署統合があった際にIP Messengerの使用は取りやめになりました。

連絡がある人はメールで、ということになりその後しばらくチャットツールを業務で使うことはなくなりました。

■チャットツール被害2回目について

まあ1回目の方は被害といってもそんなにという感じだったのですが、2回目は似たような話なのに割と深刻です。

当時とある会社の開発部長に声をかけられてマネージャー候補として転職することになりました。

その開発部長が、この部署には問題があると言っているわけですよ。

みんな仲が良く、オープンな職場だったので何が問題なのかよくわからずに3か月ほど時間が経ちました。

やり取りはSkypeで自由にできましたし、最新のツールを採用することにも積極的な良い職場でした。

その3か月後、開発部長が「やめて別の会社に行きます!」と宣言しました。

理由を聞いたら「表向き仲が良いがチャットツールで陰口が横行している」、「その相談を受けてばかりで全然仕事がはかどらない」という感じで完全に嫌気がさしてしまっている状況でした。

自分が辞めるのに代わりの人として私を採用したみたいですね。

その後私の体制になることもなく、辞めた人が採用した人だからと冷遇され、ゲームのラインもなくなるということで退職することになるのですが…。

その人が、「過去に戻ってやり直せるなら絶対チャットツールの採用は行わない!」と言っていたのが忘れられません。

■結論ではないですが

本当にコミュニケーションツールの採用は慎重になった方がいいと思うんですよ。

よく切れるはさみは危なかったりしますから。

上記の2例はどちらもダイレクトメッセージが招いた問題なので、ダイレクトメッセージは抑制した方がいいかもですね。

それでもオープンな場所で会話をしていると、特に問題ないことを問題視する人が必ず出てきます。

大切なのはそこを解決することだと思うんですよね。

無駄話をしないとコミュニケーションの質が上がらないしツールを使わなくなる、使わないツールは効果を発揮しない。

チャットツールを使わないようなコミュニケーション不全の現場は機能しなくなる。

これはもう確かなことだと思うんですよ。でもそれを会社的に認めてリスクや無駄も許容するという方針まで握っておかないと、善意で足を引っ張る人が必ず現れます。

そういったこととセットで考えないといけないですよね。

Slackでも必要のない人はチャンネルに入れたくないんですよね。それでもセクションのマネージャーの人はとりあえず入りたがります。

で、必要な情報をchannelで流すと嫌がったり、流す人が遠慮したりが起きるわけです。非効率ですよね!

あげくそういった情報に埋もれて大事な情報を見ていないとか。

ツールのことに関しての話はみんな好きなのですが、その手前の「会社としてどう考えるか」という部分の話は嫌いですよね。

近畿大学の話はもう大学生なので問題ないと思いますが、もっと若い子供たちであれば色々な問題が発生するかと思います。

だから辞める、のではなく、そういった問題も起きるけど使ってみよう!

で、そのような問題が起きたらこのように対処していこう!という部分まで話し合われることが大切なのではないかと思います。

問題も起きるけど使ってみよう、という決断をするのが今の日本社会は本当に下手だと思うんですよねー。

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