私が持っている変な特技を紹介します。
その特技は「全然知らない人と内容がわからない打ち合わせをすることができる」です。
なんじゃそりゃ、お思いでしょうが下記のような事情からこの特技を得るに至ったのです。
15年くらいに前の上司がよく打ち合わせをダブルブッキングしてしまう人でした。
自分が働いているとロビーの受付から上司宛に内線が入るわけです、「上司さんを訪ねて打ち合わせにA社さんがいらっしゃいました。」みたいな感じで。
私は「さっきロビーに降りて行ったのでそちらにいると思いますよ」、というと、受付嬢もわかったもので「上司さんすでにB社の方と打ち合わせで会議室に入っています」と。
で、どうしましょうなわけです。
知らな~い、というわけにもいかないので私の出番と相成るわけです。
最初は面食らいましたね。でもまあ3回目くらいになると慣れたものですよ。
最初の挨拶は「上司は今前の会議が押しておりますので私の方が承ります」みたいな感じでとにかくごまかす!
「でどのようなご用件だったでしょうか、私の方で分かる範囲でお話しできると思います」と続ける!
で適当に話を進める、解決しないといけない問題で分かるものは対処、上司に決めてもらわないといけないものはメモとしてまとめる
あとは時間稼ぎの世間話。
で上司が別の打ち合わせを終えて出てくるところを捕まえて会議室に来てもらう。
で決めてもらわないといけないところだけ伝えて結論を出す
まあこれだけなんで経験さえ積めば誰でもできるとは思います。なかなか経験を積む機会はないと思いますが。
当時の上司から学んだのは「良い打ち合わせが入ったら遠慮なく入れる、ほかに約束があっても!」ということです。
誠実さからは程遠いですが、仕事のレベルが上がってくると必要なんですよ。
大事なビジネスチャンスであれば、それよりプライオリティの低い案件を優先させちゃダメなんですよ。
まあ、ちゃんと回りがフォローしないといけないですけどね。
この対応のおかげで打ち合わせうまくなったと思いますし、人脈も広がったと思います。
で、なんでこの話をしたかというと下記のツイートを見たからなんですね。
マンガの編集者さんに問いたい。僕は大学でマンガを教えていますが、多くの学生が悩んでいます。担当がついたあと、何回かのネームをやりとりした後、編集者からの連絡がパタっと来なくなる。催促メールを出しても返信なし。見切りをつけるにしても「担当を降ります」みたいな連絡が必要ではないの?
— はぁとふる倍国土@若ゲのいたり発売中 (@keiichisennsei) October 14, 2019
この学生の漫画家さんはかわいそうだなと思うんですが、この編集者の気持ちもわかるわけです。
編集者さんの優先順位から外れてるんですよね、この学生の漫画家さんとのやり取りが。
他に優先させないといけない仕事があるのであれば、私は致し方ないのでは?と思ってしまいます。
特に田中先生は出版社に頼らず自己プロデュースで成功されている方じゃないですか。
田中圭一先生や樹崎聖先生が見据える「これからは作家が自発宣伝して売る時代の到来」。1話まるっと流す漫画家の流行との関係性を感じる
オリジナルがバズって書籍化することもある時代だ
そういう方が増えてきましたが、そうなるとどうなるかっていうと既存出版社の地位が下がるわけですよ。
地位を下げてしまっている方の田中先生が言う話じゃないですよね。
田中先生を批判しているわけではなく、既存出版社の地位が下がってきているのはもはや必然なんですよ。
そうなれ出版社の編集者の方が、一人の漫画家の方に使える仕事量って減るんですよ。
この状況はこれからどんどん加速していくでしょうね。であればそういった編集者にこだわるべきじゃないです。
プラスもう一個、この編集者さんが仕事の過多で精神的バランスが崩れているんだとしたら不誠実でも返答をしないっていう選択肢は全然ありだと思うんですよね。
そういったことにも田中先生は理解があると思うので、このツイートでの「編集者悪い!」みたいな流れは少しもやもやするわけです。
せっかく多様化な社会になっているわけですから、学生の漫画家さんのほうももっと自由でいいのでは?
漫画家はマンガだけ描いていたい、描いていてほしい、という考え方はわかるのですが自分で食べていけるような環境を作れない人は早晩クリエイティブな仕事を続けていくことは難しくなっていくかと思います。
良い機会なのでこの学生の漫画家の方には、既存出版社に頼らずどう道を切り開いていくか、ということを考えてみてほしいですね。
単純に漫画を描いているだけの人よりも、もっと深みのある作品が作れるようになると思います。