こちらの記事が趣深いですね。
CEROを通さなくても日本国内で配信ができるということは、非常に有益です。
テレビゲームが好きな人たちであればCEROとかCESAいう単語はなんとなく聞いたことがあるかと思います。
今回はこういった団体の嫌な側面の話をしたいと思います。
■こういう団体って何なの?
御幣を恐れずに言うと、こういった団体はお役人さんの天下り先なんですよ。
エビデンスがあるわけではないのでどこの団体に何人、どれくらい入っているということはわかりませんが。
大まかに考えてそう思っていてもらっていいかと思います。
何か産業が立ち上がってくると、それに合わせて社会的な問題が発生します。
テレビゲームであれば「過激な表現で子供に悪影響」などが一時問題になりましたよね?
まあ娯楽に限らず新しい仕事が出てくれば、それに伴って問題が発生するものなのです。
そうなってくると企業間で共通のルールを設けて、問題の改善をしていきましょうという風潮が現れます。
それが自然発生的に起きてくるのではなく、どこかのお役人さんが旗を振ることが多いということなんですね。
お役人さんとは○○庁とか○○省で働いている人たち、官僚とよばれる人たちのことです。
社会的な問題が起きると警察が出てくるわけじゃなく、こういった官庁が調査や改善対応に出てきます。
表向きはそういった問題が起きないようにするための、対応をするために団体を作りましょうということで主要な企業に働きかけます。
そして団体ができ、めでたく天下り先が出来上がるわけです。
こちらの団体の言うことを聞いていれば官庁からにらまれることがないので安心ということなんですね。
■どんな団体があるの?
ゲームだけでもいくつかあります。
コンシューマゲームならCEROレーティングを決めているCECAだし。
オンラインゲームならJOGAというのがあります。
ソーシャルゲームならJASGAというのがありました。
※2015年4月にCESAと合併。
ほかにも私が知らない団体もあるのかもしれません。
何が違うのか?
監督官庁が違うんですかね?
大きな産業が立ち上がると、監督官庁がどこになるのかということが重要になります。
大きなお金が動いたほうが、世の中に与える影響力が大きくなりますからね。
これから伸びてお金が動く産業にはどこも絡んでおきたくなるものです。
■そういった団体は癌なのか?
いやそうでもないですよ。
ゲームばっかり作ってきた人たちに、一般社会に受け入れられるガイドラインなんて作れるわけないじゃないですか。
そういったものを考えてくれるので非常に助かります。
また天下り先、と断じてしまうとなんですが、その業界の未来を考えて真摯に対応してくれる方が多いです。
その業界が好きだから、ということで頑張ってくれる人もいます。
まあその産業の発展が自分たちの今後にかかわってくるので、それはそれで必死ですよ。
まあ持ちつ持たれつということですね。
■以上を踏まえて
これらのことを踏まえると任天堂がCEROをないがしろにするのは、ちょっと大ごとだとわかるのではないでしょうか。
でもゲーム会社にいる身として考えると、国際基準に合わせたほうがいいだろうなと思います。
日本国内だけで通用するルールに縛られて効率が下がるのも、世界基準での対応ができないのも困りますから。
日本人はルールを守るのはちゃんとできるのですが、ルールを作るほうに回ることを苦手としています。
国内の団体しかないのであればいいんですよ。
国内の大きな会社の意向が大きく反映されます。
それはそれで多くの日本国内の開発員に良い影響を与えるでしょう。
国際基準に対応していくということであれば、そちらのルール決定に積極的に介入してく必要があります。
HTML5の仕様を決めるときは、アップルやGoogle、マイクロソフトが大きな影響を持ちました。
どうしてもブラウザを作っているような会社の影響力が強いわけです。
日本はどこも作っていないですからね。
当然影響力は少なくなります。
他人の得意な土俵で戦うことを余儀なくされるわけです。
日本独自のブラウザをどこかの企業が作成していてくれたらなあと思います。
ソフトバンクとかやればいいのになと思いますけどね。
ゲームに特化したブラウザとか!企業価値が爆上がりだと思いますよ!
任天堂は国際基準のルール作りに介入できるめどが立ったのかもしれませんね。
逆にこれがスタンダードになると、ルール作りに介入できていないプラットフォーマーは不利になっていくわけです。
この動きにかんして任天堂がどこまで考えてやっているのかわかりませんが、興味深く見ていきたいと思います。