ゲームコントローラーについて気になる記事が二点ほどありました。
Steamコントローラ特許裁判でValve敗訴―4億円以上の支払いへ
https://www.gamespark.jp/article/2021/02/04/105815.html
ゲーム開発者としてはコントローラーに関して知識があったほうがいいですね。
なぜか?という所を書いていきます。
■PCのゲームプラットホームとコンシューマゲーム機
PCのゲームプラットホームがありますよね。
Steamとかが一番メジャーかと思います。
正直コンシューマゲーム機のプラットフォーマーは自分のプラットフォームで発売したソフトが、PCのゲームプラットホームで発売されることを快く思わないでしょう。
自分のプラットフォームでのみ遊べるのが理想です。
でもそうもいっていられません。
別途契約でも結ばない限り独占は難しいです。
コンシューマで売れたゲームをPCのゲームプラットホームでも発売して利益を得るのは、ゲーム会社にとって少なくない売り上げ確保の方法です。
コンシューマプラットフォームで出すよりもライセンス料が低く抑えられますから、PCのゲームプラットホームのほうが安く流通することが多いです。
そのあたりもコンシューマゲーム機のプラットフォーマーが頭を悩ます問題です。
■差別化を図りたいのであればコントローラー
正直本体の中身はコンシューマ機とPCで、そんなに差が付きにくくなっています。
似たようなな機材が似たようなスペックで提供されています。
じゃあどこで差をつけるかと言ったらコントローラーでしょうね。
だからこそコンシューマ機はコントローラーにこだわります。
個人的感想として、コントローラーの作成がうまくいったコンシューマ機は成功しているイメージですね。
PCで遊ぶ用のコントローラーっていくらくらいかわかりますか?
コンシューマー機と同等のものを用意しようと思うと、大体1万5千円くらいはかかります。
コンシューマ機のコントローラーは6千円~8千円の間位ですよね。
コンシューマ機のほうが大量生産することで価格に差をつけることが出来ているのだと思います。
■コンシューマプラットフォーマーはPCで使用してほしくない
実際どう考えているかわかりませんが、特定のPCプラットフォームで快適に使えることは望んでいないでしょうね。
せっかく安く原価を抑えて制作したコントローラーが自社プラットフォーム以外で活躍していたら、結果的にかなりの損失になります。
なので実際問題PCプラットフォームでかくコンシューマ機のコントローラーに対応するのは大変だったりします。
逆に言うとPCプラットフォームは、全部のコンシューマ機の特徴を持ったコントローラーが作れると有利だったりします。
同じような操作感でプレイできるなら、価格を抑えることが出来るPCでプレイする人が増えますから。
こういった背景があるので多少無理してでもPCプラットフォームは独自のコントローラーを作りたがりますし、各コンシューマー会社はそれに対して目くじらを立てます。
■結果どうなっていくのか
うーん、個人的にはPCプラットフォームとコンシューマ機は住み分けされていくと思います。
そのゲームを遊びつくしたい人はコンシューマ機、そこそこでいい人はPCプラットフォーム。
結果的に大ヒットゲームの恩恵を受けるのはコンシューマ機の方になるでしょうね。
どうせ遊ぶなら最大限楽しみたいですから。
あとPCプラットフォームは増えすぎたかと。
参入が簡単な反面、競争が激化していて割に合わなくなるのではないかなあ。
インディーズゲームに関してはPCプラットフォームのほうが有利だと思うんですよ。
しかしながらPCプラットフォームでインディーズゲームとして成功したタイトルは、次作はどこかのプラットフォーマーに囲われてしまうことがほとんどになるのではないかと。
コンシューマ機本体が持つPCで実現しにくい独自機能も増えていく気がしますし。
ちょっとPCプラットフォームの方の先行きが暗い気がしますね。
あとドリフト問題のようなことももっと起きていくかと思います。
コントローラーはより複雑になっていくのに費用は押さえないといけないですから。
実際PCの安いコントローラー買って試してみるといいのですが、アナログコントローラー部分はあっという間にバカになりますよ。
それを考えるとよくやっているほうだと思いますが。
でも消費者としては壊れないコントローラーに越したことはないですからね。
そういった問題が無くなっていくことを望みはします。