ティール組織:第2部
お正月休みにどうにか読み終わりました。
本書についての全体的な感想はあるのですが、それは最後にまとめます。
現状各章の特記事項及び、個人的感想を記載していきます。
次に第3部、その次に全体への感想を書いていきたいと思います
■1章: 三つの突破口(ブレイクスルー)と比喩(メタファー)
【特記事項】
三つのブレイクスルー
・自主経営
・全体性
・存在目的
成功している会社であっても全てが進化型な訳ではなく、部分的に混在している。
■第2章:自主経営組織構造
【特記事項】
自分でコントロールできないとつまらない
モチベーションの欠如は権力の不平等な分配によって生まれる
ビュートゾルフというオランダの看護師の会社の話が具体例として挙げられている。。
対応する絶対数を増やして利益を上げるのではなく、対応を各個人に任せることで患者さんの病気が治っていくという結果が出る。
上司はいないが平等なわけではない。それぞれの専門が尊重される。
マネージャーがいなくてコーチはいる
責任はチームにある
この章の後半では様々な会社でのセルフマネジメントがもたらした結果を記載している。
【特記事項】
チームを構成する20人という単位が良いのでは?
コントロールしやすい人数ですよね
数字的な効率ではなく、モチベーションで担保していく。年次計画とかが立ちにくいから計画経済には向かないかも。
日本でも一昔前は上司の権限が大きかったので、この形に近いのでは?
数の多い作業員に自主権限があるから効率が良い面は多いでしょうね。ミーティングも減るはずです。
ゲームのように売り上げに差があると、チームごとの報酬をどうするのかという問題が出るのでそれをどうするのかの課題ですねえ。
逆に言えば進化型でなくても、うまく自分で決めたことをやるというように誘導させれば良いかもですね。
自主経営チームは、少人数で自分たちで決定する。アジャイルだね。ゲームもこうやって小分割して任せられるところが成功しているように思える。
管理体制で今以上の成果を出すのは難しいので、今以上に成果を上げたいののであれば、セルフマネジメントしかないかもしれない。
■第3章:自主経営プロセス
【特記事項】
従業員を疑うのではなく、信頼することで自発的に作業をしてもらう。その効果で高い生産性を実現する。
全員の希望を聞いて内容の薄くなった妥協を強いることでない。しかし必ず関係者に助言を求め、それらを真剣に検討しなければならない。
助言を求めるから関心を示す。
情報を共有することで同じコミュニティにいるという感覚を強める
助言を求める職場は楽しい。私はあなたを必要としているという意思表示に他ならない。
【感想】
自主経営の利点の実例を実際の会社を用いて数多く説明しているが、経過と結論に明確な関連性がわからないので評価が難しい。
ほら実際に成功しているし、と言われても実際に採用したら失敗するかもしれないし、他に何か重要な成功要因があるかもしれないし。
そういう会社が少ないので上手くいっているだけで、そういう会社が一般的になったら従来の問題が出てくるかもしれないし。
じゃあやってみようか、という根拠的なものがほしいけど書いてないなあ。
プレッシャーはないほうが良い、ということは管理職が不要?それはそれで一悶着あるかも。
作業が複雑化してうまくいかないのが当たり前な世の中なら、採否を問わず結果を報告できる環境の方が良い結果を出す可能性はあると思います。
本来は高い確率で成功できる作業分割とノウハウ構築が良いが、それの実現が現実的ではなくなったのかも。
そんなことやってたら、時間ばっかりかかって効果は薄くなっちゃうかと。求められるものが変わるスピードが上がっていますからね。
報酬に関してはうまく動かないかもしれないですね。他人の評価が正しく行える職種とそうでないものは存在すると思います。
■第4章:全体性(ホールネス)を取り戻すための努力一般的な慣行
【特記事項】
・ホールネスに関しての記載。
・ホラクラシーに関しての記載。
【感想】
この章からとたんに難しくなりますね。
まず「ホールネス」も「ホラクラシー」も一般的な用語ではないかと思います。
これがわからないと進化型が理解できないと思うのですが、用語の定義や説明が必要だったのではないでしょうか。
ペットや子供を連れてきて良いというのは、良い効果が生まれると思うのでもっとやればいいとは思いました。
自分を出すことができるのは、それが有用だったときだけですよね。能力が高くタフであれば良いのですが、一見うまくいっているように見えるのは、そうでない人を切り捨てているだけかもしれません。
いわゆる意識高い系?あれはあれで同調圧力がきついと思うんですがね。多様性がないとうまくいく時は強いのだけど、変化に弱かったりするのでは。
心理的安全は、結局価値観が同じだから成り立つのだと思います。
紛争に対処する、というのは日本の職場では非常に有効では?
価値観が違っていても本来は良いはずなんですがね。日本の職場はそこがうまく捌けないから問題が大きくなりがち。
日本の企業は社是を出して価値観が同じ人を雇えと言いがち。
正直意味ないと思います。ほとんどの仕事には関係がないでしょう。
でもティールで進めるのであれば、価値があってないといけないかも。
価値観が同じ人を雇って自走させたいのであれば、確かに価値観は重要。逆にいうと、そうでないならやっぱり不要。
■第5章:全体性を取り戻すための努力人事プロセス
【特記事項】
・将来のチームメイトが採用を担当する
・自分の仕事がとられるということについて
【感想】
将来のチームメイトが採用を担当するのはどうなんでしょうね?
人を雇うということは人手が足りないということ。そもそも新しくきた人の方が能力が高い場合は判断がつかないのでは?
自分の仕事がとられるということについては、ティール型ならその辺りの不安もないのかな?
経営者がなん度も繰り返し会社の方針を説明しても、実際理解している人はごく僅か。そんな状態で採用を任せて良いのか?
私は結構転職活動をしたのですが、採用がうまいと感じた会社はないんですよね。
採用する人自身の能力が高く、且つ受けに来た人を使って成功する手順ができるだけたくさん頭の中で描ける人でないと採用担当しない方がいいんですよ。
そこまで考えて面接官を置いている会社はほとんどないんじゃないかな。能力が高い人が面接担当しがちですがその人が他人をうまく使えるかどうかは別問題ですよね。
優秀な人を雇っても、採用した人とは別の人が使い方を間違えて台無しにすることもありますからね。
多様性を受け入れるということは、自分と別のやり方でも成功する手段を認めること。
縄張り争いが起きるのはひとがおおすぎるから、というのはよくわかる。
■第6章:存在目的に耳を傾ける
【特記事項】
・やりたいことを見つけられた人は、それに邁進すれば自然と成功するだろう
・仕事に関して予測とコントロールができる前提で話が進んでいるが、そもそも無理があるのでは?
・予算を簡素化して予実分析をしない。
・今日組織を所有しているのは投資家である。しかし、投資家に適切な場所を与えつつ、組織の自律性を尊重する新しい枠組みを発明する必要があるかもしれない。
【感想】
やりたいことを見つけられた人はが成功しやすいのは確かにそうだと思うが、成長を感じられない世の中であればやりたくないことはあってもやりたいことがない場合も多いのでは?
成長曲線が上がっている国や、成長欲求のある人向けかなあ。
成長する社会はある意味幸せだが、多様性を認められにくくなる社会でもあるかと思います。
ちょっとした決断を反対されずに実行できる環境は魅力。
チャットツールの導入くらいで、上申したくないですよね。
この章の考え方だと年次計画、キャッシュフローを考えないということ?考えてたらスピードが落ちる、のはその通りだけど。投資が大きい業界だと危険かも。
初期のゲーム開発も、会社の戦略はあまりなくて売れれば良いんだろ?の感覚だったからシンプルで良かったのかも。
ゲーム開発であれば、「ネットワークでやれ」、「ファミコンでやれ」、「後は任せた」、くらいだと良いのは確かなんですが。
それも能力が高い人だったら、の話ですね。人材がいない場合もあるので、その時にはちゃんと指示を出してあげないと失敗するか進まないかになります。
予測とコントロールが難しいのは、現状の複雑化した仕事を考えるとそうかも。
都度都度の判断、アジャイルでないと対応できないというのは成功している企業から出てきている話です。
明確なエビデンスがないので絶対とは言い切れないのですが、対応できない会社から退場していく方が早いかもですね。
前年度売り上げを超えよう、超えてなければ調子が悪い、成長度合いの低くなった市場だ、という判断は間違ってはいないがマイナス面も大きい。
予算を簡素化して予実分析をしない、というのは確かに利点もあるが適当にやる人も増えちゃうからなー。
引用今日組織を所有しているのは投資家である。しかし、投資家に適切な場所を与えつつ、組織の自律性を尊重する新しい枠組みを発明する必要があるかもしれない。
投資家の話に関して、売り上げだけを見るのではなく本質的な意味で成功した企業にするためには上場したらいけないのかも。
■第7章:共通の文化特性
【特記事項】
・組織文化の話。訪問者が会社に入るとふと感じてしまう空気のようなもの。
・「情報は自由に伝達されるべきだ」、「情報は力であり、知る必要があるもの以外には漏らしてはいけない」という二つの考え方がある。
【感想】
組織文化の話はよくわかりますね。
人が多いのに静か、少ないのにうるさい、机の間の距離とかでなんとなく察せられます。
転職回数が多いのですが、やっぱり会社によって違いますよ。
情報の伝達に関しては、伝えることでよい面も悪い面もあります。
優秀な人だけに渡されないと混乱を生むことがあります。そもそも情報ほしくないです、というい人もいるんですよ。
この辺りの多様性も無視している気がするのが気になりますね。
■第2部総評
第2部はとにかく長いですね。具体例がこれでもかというくらい書いてあります。
今までにない概念なので具体例は必要ですが、ちょっと長いかもー
何となくティール型がどういう働き方を求めているかはわかりました。
確かにティールの考え方で、その考え方に同意する人が集まればうまくいくと思います。
でもそれって、その考え方にいたれない人はどうすればいいのでしょうか?
というところで第3部の書評をお待ちください。
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