新型コロナ関連でいろいろなものが整理されるのは、経済的な側面で見れば正しいと思っています。
特に今現在答えが出ることではないのですが、今現在思っていることを書いておきます。
■エンタメを仕事として続けることについて
はてなダイアリーに以下のような投稿がありました。
記事内容としては乱暴なんですが、確かにその通りだなと思うところがあります。
音楽で財をなせる人というのはこれからも出てくるとは思うのですが、今までのやり方を踏襲することで生活を成り立たすことができる人は格段に減っていくかと。
■もうとっくに成り立たなくなっているのでは?
ゲーム業界に限って言えば、社内にサウンドチームを抱えているところは格段に減っていると思います。
昔は会社で制作しているゲーム数×2名くらいの人員は抱えているものでした。
今だと中規模な会社だと会社に2、3名、下手すると0人のところも珍しくないかと思います。
ゲーム業界内で有名なクリエーターの先輩で、もう10年も前に居を海外に構えて制作成されている方がいます。
その人が日本でやっていくのが無理だと思っているのであれば、みんな無理になっていくだろうなと思っていたのですがその通りになってきているかと思います。
知り合いに東南アジアのサウンドクリエーターがいます。
ちゃんとその国の音大を出ているので、サウンドの知識やクオリティは日本の同様の方と比べてそん色がありません。
5年位前にお仕事を頼んでいた時は1曲1万円くらいで仕事を受けてくれていました。(ミニゲームの1分ループの曲)
大体月に5万円くらいで生活が成り立つそうで、まあ日本の価格間でいうと10万円クラスのできのものが上がってきます。
日本で力を入れたい部分の曲だと、30万くらいはかかるんですよ。(オープニングやメインメニューのBGM)
生音でないにしろ、音の厚みをオーケストラっぽくしてほしいという要望を出した場合だとイメージしてください。
それ同等クラスでも3万円で上がってきます。
権利関係ややり取りの煩雑さなど海外特有の問題もあったりするのですが、これだけ費用感が違うと勝負になりません。
使える絶対時間が違いすぎますから。
反面全員食べていけなくなっているわけではなく、独立音楽スタジオとして活躍されている方もいらっしゃいます。
価値がなくなっているわけではないのですよ。働き方を変えることを要望されているだけなのです。
■小売販売の限界
本の話になるのですが、私は電子書籍を推進していくべきだと考えています。
正直漫画は電子書籍、専門書は紙で購入しています。
漫画は電子書籍でも読めるのですが、専門書くらい字が細かくなると紙でないと読みにくいのです。
紙の本もないと困ります。
でも業界のことを考えると、電子書籍で成り立つようにしていかないとそもそも市場がなくなってしまう可能性があると思っています。
なので電子書籍であったり、ゲーム、音楽であればDL販売を促進していくべきだと考えています。
残念ながらもう小売店で買う利点ってほぼないんですよ。
各業界的に小売店があったほうが助かるのはわかります。
店頭で宣伝してもらうのも、露出してもらうのも効果は小さくありません。
今回の新型コロナ関連で続かせたい業種と、そうでない業種ははっきりと分けられると思います。
残念ながら小売業は続かせたくない業種のほうになっていくかと思います。
■ゲーム開発がどうなっていくか
私はもう10年くらい前から、ゲーム開発も国内での開発は成り立たなくなるのではということを言っています。
ゲーム開発で食べていきたいのであれば、安い生活費でやっていける海外に居を構えないといけないのではないかと。
ありがたいことにまだその時は来ていませんが、いつそうなるかはわかりません。
子供が大学を卒業するまでは日本で仕事をしていたいなと思い、1年ほど通常のSEをやっていたことがあります。
※1年やった結果、ゲーム制作をつづけたほうが高い賃金が得られそうなので戻りましたが
今だとわざわざ海外で働くことなく、リモートワークで海外の人と制作をするほうが現実的になってきました。
なので英語の勉強はずっとしていますし、現職でも英語で作業のやり取りの機会があれば率先して引き受けます。
食べていくためには必死ですよ。
■誰にでも作れるものはすたれる
音楽の問題点は、楽曲制作がやりやすくなったところにもあるかと思います。
機材をそろえることにしても、音楽の勉強のやりやすさにしても随分と良くなっています。
それがよくないんですよ。みんなやりたくなって、それなりのものができてします。
そういった業界で食べていくのは非常に難しい。
一方ライブなんかはまだまだ集客するための敷居が高いと思います。
そちらにお金を落とさせる仕組みというのは正しいと思いますね。
ゲーム開発であれば、価値を落とさないためには常に最新の技術や工夫で作成し、それに社会的な価値を持たせることです。
最新技術であっても面白くなければ不要のものになります。
最新技術でなければ初心者でも作れるようになります。
そうなるとゲーム開発者は食べていきにくくなるのです。
だから私は新人を育てることに力を入れるべきだと考えています。
新しい人材の新しい発想がないと、最新技術で価値のあるゲームの作成は難しい!
このブログを書いている大きな理由の一つはそこにあったりします。
現状社会的にいろいろとピンチだと思います。私もつらいなと思うことが多いです。
でも今まで正しい努力してきたのであれば、乗り越えられるはずだと思っています。
破壊された後の社会に再び地位を築ける人であり、業界であることを示すチャンスだと考え前向きにとらえたいと思います。